ネット上での誹謗中傷に対して重い刑罰を与えよう
という風潮がになってきました。
IT小僧の時事放談というブログにも内容も読まずに 脊髄反射的に罵詈雑言のコメントを下さる「ありがたいバカ(失礼 有能なご意見)」がいらしゃいますが、公に何かを発信しているものであれば宿命と思い軽くスルーしています。
でもその相手って調べようと思えば調べられるのがネットワークの世界です。
しかし、Apple社は、iOS15において 徹底的に痕跡を消し去ろうとしています。
今回のIT小僧の時事放談は
iOS 15に搭載されている プライベートリレー(iCloud Private Relay)って犯罪に利用されたりしないの?
と題して、プライバシー保護も行き過ぎると気持ちが悪い というお話です。
今回も小難しい話をわかりやすく解説しながら記事にまとまました
最後まで読んでいただけたら幸いです。
目次
プライベートリレー(iCloud Private Relay)ってなんだ
そもそもプライベートリレーってなんだということですが、すでにいろいろなところで解説されていますが、超簡単に説明すると
iOS 15でプライベートリレーをONにすると
「ユーザーがネットにアクセスする際にウェブサイトにユーザーのIPアドレスなどを渡さないことで、個人を特定させない」
という仕組みである。
もっと簡単に言うと 接続によって
「身バレしにくい」
もっとわかりやすく言うと
「エロサイトに接続してもあなたの端末が特定しにくくなる」
ということです。
接続先の相手に個人(端末)に振られたIPアドレスが渡らないので、端末=個人が特定できないわけです。
さぁ これで どうどうと エロサイトにアクセスできるぞ
そうです。誰がどのウェブサイトにアクセスしたかわからない状態になるので 身バレしないので好き放題やってください。
とApple社が、コストをかけて作ってくれたものです。
この プライベートリレーを利用するためには、カネがかかります。
詳しくは、iCloud+ のプランと料金を見てください。
ただし、すべてのアプリが対象ではありません。
- すべての Safari Web ブラウジング
- ユーザーがサイト名を入力する際のすべての DNS クエリ
- すべての安全でない HTTP トラフィック
こんな状況です。
プライベートリレーの仕組み
仕組みは、簡単です。
あなたがエロサイトに接続しようとします。
その接続先を直接つなぐのではなくて、Appleのサーバーを経由して相手先にあなたの端末のIPアドエスではなく別なものを使って接続します。
わかりやすい図があったので掲載します。
とか
ように説明されています。
専門家の説明は、めんどくさいのですが、超簡略して説明すると
- あなたがどこかのネットサービスに接続しようとします。
- 接続するときにAppleのサーバーに接続して そこから目的のネットサービスに接続します。
- ネットサービスからの戻りもAppleのサーバーに接続してAppleのサーバーであなたのアドレスに変換してサービスの反応が戻ってくる
という仕組みです。
どうです わかりやすくなったと思います。
もっと噛み砕いて言えば
AppleはユーザーのIPアドレスを知っているが、アクセスするサイトは知らない
提携したコンテンツプロバイダー(ネットサービス)はアクセスするサイトを知っているが、ユーザーのIPアドレスは知らない
つまり、接続先のエロサイトでは、あなたの身バレはしないけど、Appleのサーバーにもあなたがどこのエロサイトに接続したのか知らない。
というわけです。
iPhoneユーザーのすべて?のネット接続は、Appleのもとを経由する = Appleは全部把握してるぞ ということになりますがセキュリティ、個人情報にやかましい(厳格な)会社ですから 個人の特定はできなさそうです。
その証拠に
Appleを含むいかなる者も、ユーザーのブラウジングアクティビティの詳細を閲覧したり収集したりすることができません。
とコメントしているのでAppleも知らね と宣言しています。
これで 安心して ネットサービス使えるね・・・
いえいえ かなり 問題は出てきますよ
問題点多数
自分の存在(IPアドレス)が相手のサービスに渡らないことで困ることは多くなっています。
docomo
今後提供されるiOS15/iPadOS15にアップデート後、dアカウントメニューが正しく表示されない事象について
au
海外で世界データ定額を利用できない可能性がある
iPhone/iPadで世界データ定額をご利用される際のiCloudプライベートリレーに関するご注
SoftBank
動画SNS放題でカウント対象外(データ量を消費する)となる可能性がある
iOS 15以降でプライベートリレーを利用される際のご注意
Rakuten Mobile
本来、課金対象ではないサービスのデータ利用量が課金対象としてカウントされる
Rakuten Linkアプリ同士のメッセージ送受信、電話の発着信、my楽天モバイル利用時にデータ利用料がカウントされる
(ご注意ください)iOS 15以降でプライベートリレーをご利用のお客様へ
Y!mobile
ウェブ安心サービスによるフィルタリングが利用できなくなる
iOS 15以降でプライベートリレーを利用される際のご注意
LINEMO
ウェブ安心サービスが利用できない
LINEギガフリーの対象外となる可能性がある
SoftBankの動画SNS放題、Rakuten Mobileの「Rakuten Linkアプリ同士のメッセージ送受信、電話の発着信、my楽天モバイル利用時にデータ利用料がカウントされる」などは、気が付かないうちに課金されているという可能性が高いわけです。
ここに掲載したものは、キャリアの報告ですが、それ以外の多くのサービスで問題が出てくる可能師はあります。
でも もっと大きな問題が出てくると予想できます。
個人が特定できないと誹謗中傷が多くなるのでは
プライベートリレーが導入されることによってネットサービス側では、あなたの個人情報(IPアドレス)が特定でいないことで
ネットで誹謗中傷しても個人を特定するには、Appleに情報開示が必要になる可能性はあるのでえはないだろうか?
IPアドレスからは、個人情報を特定する情報を得ることはできませんが、
IPアドレスや、IPアドレスから特定できる個人情報は、「開示請求」という手続きによって、サイト管理者やプロバイダに開示を求めることができます。
サイト管理者やプロバイダで個人特定ができなければ、個人情報を得ることができません。
より匿名性になる危険も含んでいるということにならないのでしょうか?
犯罪に使われるのでは?
確かに、ネットサービス側が悪意を持っていた場合、プライベートリレーは有効です。
しかし、利用者にとって見れば 個人情報が、ネットサービスに流失しずらくなということを悪用することもできそうです。
自分が犯罪者だったとして考えてください。
ネット接続先で自分が特定されないということは、悪意を持った行動しても身バレしにくいというわけです。
もちろん、Appleは、対応を行っていると思うのでVIPでもない我々は、
「安心安心 Appleにすべてを委ねよ」
でいいんじゃないですか?
使用禁止の国々
いくつかの国では、プライベートリレーが使えません。
中国、ロシア、ベラルーシ・コロンビア・エジプト・カザフスタン・サウジアラビア・南アフリカ・トルクメニスタン・ウガンダ・フィリピンなどは、プライベートリレーの使用不可となっています。
政府に対して反体制運動へのチェックのためでしょう?
中国には、Appleは、iCloudの鍵を渡していますから、もともと個人情報などありません。
その気になれば、当局は、国民のやり取りをすべて見ることができます。
ここに掲載されている その他の国でも国民のネットの利用を抑えておきたいという意思が見え隠れしています。
まとめ
IT小僧は、スマートフォンを持った段階で個人情報をサービスしている企業が所有するのは仕方がないと思っています。
個人情報を渡すことでいろいろなネットサービスを受けることができているので そこは仕方がないと割り切るしかありません。
そもそも、手遅れです。
なぜなら 米国には、こんな会社があるぐらいですから 個人情報などとっくに彼らの手元にあるのです。
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それが嫌なら、(もう手遅れですが)街を歩く時、監視カメラを避けて歩き、iPhoneもAndroid端末も捨てるべきでしょう。
でもネットサービスが前提となっている今の社会で、スマートフォンがなければ かなり面倒なことになることになるのは事実
広告が、後を追っかけてきて気持ち悪い というのもわかります。
しかし、広告をすべて遮断してしまったら すべてのネットサービスは、有料となります。
有料になったTwitter、TikTok、Instagram、LINE そしてYouTubeに毎月カネを払いますか?
交通情報、地図、カーナビをはじめ無料で使えることができるのは、広告収入があるからです。
よく 広告うぜぇ というバカがいますが、YouTubeが成り立つのも広告があるから無料で使えるということを忘れないでください。
誰かがカネを出さなければ 運営できません。
無料で提供してくれる企業など絶対にないのです。
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プライベートリレーが有効だっていることはわかります。
さすが、Appleさん 個人情報安心だよね
Appleを信じている人は、べつにいいんだけど
ネットのアクセスをすべてアップル経由にすることによる独裁的な仕組みと言えないだろうか?
中国のグレートファイアウォール(金盾)じゃないんだから
もちろんこの機能を使うかどうかはユーザーに任されています。
そして公式には、Appleは中身を「知らない見られない」とコメントしています。
個人情報(ネットサービスの利用)も含めて すべてAppleが、手に入れているということも覚えておきましょう。
とりあえず当分の間は、問題の起こるサービスを使っている限りプライベートリレーをオフにするしかないと思います。