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IT小僧のブラック時事放談 日本のIT屋に一言

人が足らないけど 人はいらない IT業界の闇について語ってみました

2022年10月5日

人手不足の正体―週刊東洋経済eビジネス新書No.77

「人手不足」

ここ数年、急に出てきたキーワードで強力かつ長期にわたって言われています。

某コンビニの店主は、バイトで人が集まらないので夜間休業したい
という申し出に コンビニの元締めは、
「ふざけるな、夜間に店を閉めたら 賠償金取るぞ!」
「24時間営業は絶対続ける」
と強硬な態度を崩していない。

「コンビニは、社会のインフラ」
なんて、偉そうに言っている人もいるけど、コンビニって民間企業なんですけど・・・

今回の日本のIT業界に一言では、
人が足らないけど 人はいらない IT業界の闇について語ってみました
IT業界は、ITと呼ばれる昭和の時代から「慢性的な人手不足」
なにを今更と思ったのですが、今回は、かなり深刻らしいのです。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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2025年の崖

以前、このブログで取り上げた「2025年の崖」の話題なのですが、大騒ぎする要素もそれほどないのですが

  1. 40万人のIT技術者が不足
  2. 20年を超える古い基幹系システムが、60%
  3. SAP社のERPパッケージの標準サポートが終わるよ

というものです。
克服できない企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)に乗り遅れるから、消えてしまうかも・・・

というお役所の脅し文句です。

「脅し文句」とは。よく言うな
とお役所から怒られるかも知れませんが、全部が全部これに対応しなければという話でもないと思うんだよね

一般的な大手企業(上場企業)ならば、取り残されたら「死が待っている」と思うけど
圧倒的多数の商店、自営業、個人事業レベルなら
「SAP社のERPパッケージ」なんか導入していないし
「IT技術者なんていなくても 大蔵大臣とか弥生とか、EXCELでも十分」
「そもそも、20年を超える基幹システムなどないし」
という感じです。

ただし、デジタルで勝負している会社は、話は、別です。
臨機応変、柔軟さと意思決定のスピードが会社の運命を変えてしまうかも知れません。

デジタルでメシを食っている企業なのに「くそ遅い5年以上前のパソコン」とか「Office 2003」など使っている企業は、カンブリア紀のアロマノカリスのように「環境に適応」できずに滅んでしまうだろう。

「2025年の崖」については、リンク先を読んでみてください。

崖
経済産業省「DXレポート」で記載されている「2025年の崖」というキーワード 崖から落ちる会社多数でることは間違いない

2018年にブログに掲載した記事ですが、2025年は来年です。 最大で年間12兆円もの経済損失があると経済産業省は言っていますが、本当でしょうか? 日本のオフィスでは、 相変わらず EXCELでドキュ ...

慢性的人手不足

IT業界は、慢性的人手不足です。

これは、昭和の時代も同じで、エンジニアの残業150時間なんて序の口でした。
月曜の夕方に出勤して土曜の朝に帰るという会社に住んでいる人もいたぐらいです。
※もっとも独身だからできたワザで毎日、昼間まで寝ていたという話もあります。

昭和の時代の人手不足

  • コンピューターの処理時間が遅く、待ちが多い
  • 仕様書が手書きしかなかった。
  • その仕様書がインチキが多く、プログラム改変は、ソースを読むしかない。
  • 納期が短い。
  • できるやつしか仕事が来ない。
    ⇒必然的にできるやつに仕事が集中
  • プログラマーが、客先対応、打ち合わせ、仕様決定、プログラム、試験と全部やっていた。
  • 少数精鋭で仕事を進めていた。

こんな感じです。
そもそも、客先で何が飛んできても軽くこなせるような「一人前」になるには、3年かかります。
一般に言う「できる人」は、いつの時代でも少数しかいないのです。

今の時代の人手不足

昭和の時代とかぶらないものだけ取り上げます・

  • コンピュータープロフェッショナルの仕事としての収入が低いので職業として魅力がない。
  • 企業が必要なのは、「できる人」より、「安く働ける若者」
  • 専門馬鹿でそれしかできない。

この3点だと思っています。

最大の問題は、技術者に支払う給与が安すぎるということです。
なのに、元締め(SIer)でSQLも満足に書けないくせに「えばっているやつ」が自分より給与がいい

こんなことよくありますよね。

一番、技術を持っていて 一番働いている人の方が、少ないおカネで仕事をしているわけです。
こんな仕事、誰も

「やるわけがない」

解決するには

欧米では、マネージャーより高いギャラで仕事をしているプログラマーは、たくさんいます。
でも日本は、未だに技術力があっても 役職が上じゃないと給与が上がらない。

つまり

能力給にしないと もっと人が減ります。

魅力のない職業は、誰もやりません。
今のようなピラミッド型、多重下請けを廃止して

プロジェクト毎にマネージャーが人材を選んで精鋭チームで取り組むような仕事のやり方に変える方法に切り替えないと人が減り続けます。

しかし、長年の慣習は、そう簡単に変えられないし、美味しいところをさらっている元請け(SIer)も今の体制を変えようとするわけがない。
彼らが口を開けば「人がいない」の大合唱
それは、自ら行ってきたことの「つけ」がまわっているのです。

根本的な解決方法

なぜか?「人がいない」という言っているのに大手ベンダーは、人員削除をおこなっています。

富士通が5000人配置転換、合わなければ転職提案

  • 2019年2月26日、2020年度までにグループ全体で5000人規模の配置転換を行う
  • 対象は総務や経理などの間接部門、研修を通じて営業職やシステムエンジニアとして育成
  • 配置転換した先が合わないときは、リストラ

総務や経理などの間接部門の人が、営業職やシステムエンジニアになんて実質不可能
システムエンジニアなんて余計無理

事実上のリストラと言っていいでしょう。

できるエンジニアより、安い賃金で働く若者を望んでいるのです。

日本電気(NEC)45歳以上かつ勤続5年以上

  • 2018年6月29日、2018年10月末から希望退職者を募集
  • 間接部門かハードウェア事業領域の特定部門に在籍している45歳以上かつ勤続5年以上の人が対象
  • 募集人数は定めない。

そして浮いたおカネで企業買収?

  • 2018年1月9日に英ノースゲート・パブリック・サービス(NPS)のM&A
  • 買収金額は4億7500万ポンド(約713億円)
  • NPSは行政機関や警察向けのセキュリティソフトを開発する企業
  • 2017年4月期の売上高は前期比10.4%減の1億6350万ポンド(約245億円)、営業損益は420万ポンド(約6億円)の赤字、最終損益も4120万ポンド(約61億円)の赤字

「NECは、もう売るものがない」というくらい、事業の切り売りを行ってきた。
残っているのは、ほぼIT部門のみと言っていいと思います。

「人手不足」と「リストラ」が続く

企業の決算報告でリストラのニュースが連日流れています。

銀行もリストラを何万人単位で実施中
製薬会社もリストラが続き

一方で「人手不足」
一方で「リストラ」

そして

人件費を上げると「赤字転落」、倒産する企業が増えます。

IT企業だけではないのです。
日本の多くの企業が同じ問題を抱えています。

IT業界の闇

IT業界は、元請けと多くの下請け企業で構成されています。
元請けは、営業とマネージメントだけで儲かります。

面倒なことは、全部下請け企業へ、その企業は、そのまた下請け企業へと
という多重下請構造になっています。
そして実際に現場で仕事をするエンジニアは、低収入となってしまいます。

何年もこんなことを続けてきたので「構造的に歪み」が発生したまま
「人手不足の大合唱」

こんなこといつまで続くわけがないのです。
そろそろ限界値に達してきたのではないでしょうか?

IT業界は、儲かっているようでかなり危ない状況なのです。
今は、仕事が多いかもしれないけど、不況になった瞬間にIT予算は、凍結、後まわしとなってしまいます。

残念ながら、これが、今のIT業界の現状です。



IT企業に限って言えば

IT業界に限って言えば、一番、人が足りないと言われる「基幹系システム」は、「現役引退したおじさん、おばさん」に復帰してもらうしかありません。
また、マネージャーと言われる「高級をもらっている人」にも現役復帰を促して現場に出てもらいましょう。
そして、使えないマネージャーは、辞めてもらいましょう。

「現役引退したおじさん、おばさん」でも、COBOLなんて 簡単に読めるし解析できると思います。
解析したら、あとは、業務を整理して EPRパッケージに合わせればいいんです。

変なカスタマイズをするのではなく、パッケージに業務を合わせてください。
そして、パッケージに猛烈に反対する人こそ、リストラの対象となるべきです。

そして、若い人には、基幹系のCOBOLなんて絶対に勉強させないで下さい。
彼らには、AIやIoTなどを勉強させるようにして、おじさん、おばさんのエンジニアにきちんとお金をあげて基幹系の解析作業をするのです。
彼らは(自分も含めて)紙に鉛筆で仕様書を書いてきた強者(つわもの)ですから、もっと活躍の場を与えないといけません。

しかし多くの企業は、

「できる おじさん、おばさんエンジニア」
より

「若い=給与が安く なんでも言うことを聞くエンジニアもどき」

欲しがるのです。

まとめ

日銀介入、年金をぶち込んで見かけ上の株価上昇

お役所のインチキな経済指標

政治家もマスコミも消費税増税に口を塞ぎ

野党は、反対するけど代替え案はない。

そして
誘致の際にアピールした費用の7~8倍のコストがかかるオリンピック

こんな状況で消費税を上げるという恐ろしさ

不況という風が吹いた瞬間にITの仕事は、なくなります。
そうなると「人手不足」から「ひとあまり」となります。

残念ながらこれが、何十年も変わらないIT業界の事実です。

今は、人が足りないとか言っていますが、来年の今頃は、どうなんでしょうか?

自分も含めて心配です。

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