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日本のIT屋に一言

経済産業省「DXレポート」で記載されている「2025年の崖」というキーワード 崖から落ちる会社多数でることは間違いない

経済産業省

2018年にブログに掲載した記事ですが、2025年は来年です。
最大で年間12兆円もの経済損失があると経済産業省は言っていますが、本当でしょうか?

日本のオフィスでは、

相変わらず EXCELでドキュメントを書いていたり、
なんでもかんでもPowerPoint だったり

何も変わっていないような気がします。
ここで「2025年の崖」について(特に経営者の皆様)考えてみましょう。

 

経済産業省が、2018年9月7日に「DXレポート」という調査結果を発表しました。

正式なレポート名は。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
と言います。

この長ったらしいレポートには、お役所には珍しく「バラ色の未来ではなく」「絶望の未来」が描かれています。

今回の日本のIT屋に一言では。
経済産業省「DXレポート」で記載されている「2025年の崖」というキーワード 崖から落ちる会社多数でることは間違いない
について、いつものように 小難しいお役所言葉をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

そもそもDXレポートってなんだ?

まず、DXについてご説明いたします。
DXとは、最近流行りのキーワードです。

デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)とは、
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱?
Wikipedia

わかりづらいなぁ
簡単に言えば、「企業のIT化を推進しましょう」
ということです。

これからの企業は、嫌でもITをないがしろにしたら、縮小するから、IT企業並みの情報戦略を持ちましょう
という「流行り言葉」です。

IT関連は、こうした「流行り言葉」が毎年のように登場します。
古くは? ウェアラブル、ユビキタス、Web2.0、ビッグデータ
まるで、広告会社が企画したような用語が並びます。
消えてしまったようなものも多いし、なんじゃそれ? という現場からしたら「ITに素人の経営者を騙す」ようなキーワードも多数含まれています。

今は、「とりあえず AI」と言っておけば、無知な経営者は、おカネを出すでしょう。

ちょっと 脱線しました。

話をもとに戻します。

今後、ITに力を入れない企業は、国際競争に負けて会社がなくなりますよ
という脅しのようなキーワードです。

このキーワードをもとに
未だにSSL化していない、経済産業省のお役人さんと御用学者さんが作成したものが
「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
という報告書です。

では、内容を探っていきましょう。

3つの崖

「2025年の崖」は、大きく分けて3つ

  1. 国内IT人材が40万人規模で不足し、COBOLなどの古い言語で構築されたシステムを扱える人材がほぼいなくなる。
  2. 21年以上を経過する基幹系システムが全体の6割を超える。
  3. SAP ERPの標準サポートが終了する。これらが一気に起きるのが2025年だろ言われています。

トラブル続出

システム刷新でトラブルが続いている。

グリコ

「システムトラブルが発生した影響により、全国で『グリコ』『キリン』の商品の納品が滞っております。ご不便、ご迷惑をおかけし、申し訳ありません」 この週末、買い物に立ち寄った近所のスーパーにはそんな「おわび」が掲示されていた。

江崎グリコは5月1日、基幹システムの障害

によるチルド食品(冷蔵品)の出荷停止期間を延長すると発表した。対象は「プッチンプリン」「カフェオーレ」など17種類で、5月中旬を目指すとしていた再開を6月に先送りした。影響は、販売委託を受けていたキリンビバレッジの「トロピカーナ」などにも及んでいる。

システム障害は4月に起きた。調達や生産、物流などの情報を統合するERPと呼ばれる基幹システムを4年がかりで構築し、4月3日に全面的な移行を実施したところ、切り替えに伴うシステム障害が発生。全国の物流センターで出荷業務に遅滞が生じたという。

江崎グリコによると、システム上の在庫とセンターの実在庫が一致しないなどの問題が確認された。生菓子や飲料といったチルド食品は賞味期限が短く、店頭での回転が速い。タイムリーかつ緻密な在庫管理が求められることも問題を複雑化させた。

続きはこちらから👇

読売新聞オンライン 2024/05/15 11:00
https://www.yomiuri.co.jp/column/economy03/20240513-OYT8T50095/

大手マスコミでも「プッチンプリン出荷停止」という見出しで大きく報道されました。
製品の出荷自体が停止するという大問題になっています。

ユニ・チャーム

 ユニ・チャームでも5月上旬に基幹システムを更新した後にトラブルが起こった。大規模な混乱にはならなかったが、公式通販サイトでは6月中旬時点で、紙おむつなどの到着に1週間~10日ほどかかる状況だ。ユニ・チャーム上席執行役員の上田健次ESG本部長はこの遅れについて、「小売店向けの出荷を優先して正常化させたため」と説明する。

続きはこちらから👇

日経ビジネス
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/061900545/?n_cid=nbpnb_mled_mpu

 

京都市

こちらは、以前記事にしましたが、何度も刷新を試みるが失敗が続き 凍結状態

京都市が117億円投じた30年もの基幹システム刷新を中断 | 京都市 税額通知書の金額を誤記載 プログラム作成でミス

京都市が、NEC製メインフレーム上で約30年稼働する基幹系システムのバッチ処理をオープンシステムに刷新するプロジェクトの入札結果を発表しました。 2018年3月27日発表 落札価格 15億2990万 ...

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ITシステム「2025年の崖」克服

ITシステムというのは、このレポートでは、企業の基幹システムを指します。

お役所言葉なので結論を簡単に書きます。

企業の基幹システムを長年使い続けてきたために、メンテナンス費用ばかりかかってしまい、新しいデジタル関連の取り組む予算をかけられない。
そのため、デジタル技術が必須になる企業競争で敗北してしまう。
だから、経営者のみなさん、古くなった基幹システムを一刻も早くリニューアルして来るべきデジタル社会の準備をしなさい。

そのためには、大型案件がなくなって経営が厳しくなってゆくSIerさんにおカネをたくさん払ってね!
※最後の1行は、心の声です。

それをくどくどと書いているレポートですが、「2025年の崖」の意味は、

最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)

つまり2025年に意味があるわけではなく
「最大12兆円/年(現在の約3倍)」という数字から割り出した年

ということです。

なぜ、古い基幹システムがおカネがかかるかを延々と書いているだけで案外中身は、スカスカです。

なぜこんなレポートが出てきたか?

労働集約型産業である日本のIT産業は、多重下請け構造で安いギャラでエンジニアをこき使い、中間マージンを取得するSIer(システムインテグレーター)という企業が発展してきました。
悪口を書いていますが、これは、事実です。

そのやり方が、通じない時代へとなってきました。
基幹システムのパッケージ化によるコスト削減です。

これについては、過去にブログにしてきたのでそれを参考にして下さい。

人月商売のベンダーから脱出を急げ 大型案件の終了とともに下請け切りがはじまる?

みずほ銀行のシステムは、7/14-17にかけて第二回目の移行が実施されます。 マスコミは、よくわかっていないので 「みずほ銀行大丈夫だ」と言っていますが、 次回から、口座の移行が始まるので 「本当の勝 ...

続きを見る

とは言っても、日本の企業は、人が中心なので業務のパッケージ化に反対する人がいます。
そのため、その人が気に入るようなシステムを高いお金をかけてつくってきました。
人に合わせた業務システムは、非効率、非経済ですが、それを「よし」としてきたITに詳しくない経営者がほとんどです。

そこが、今回の「2025年の崖」というキーワードです。

銀行のシステムが、みずほ銀行を最後に一通り終了します。
地銀は、銀行のパッケージを使い始めてコスト削減を開始しています。

というわけで金融系の基幹系システムの入れ替えが完了し、SIerとして次の案件が減少してきました。
案件が減れば、下請けに出す仕事も減り、下請けのIT企業は、悲鳴をあげます。
更に下請けに雇われたエンジニアは、仕事を失うこととなります。

IT関連産業の従事者は、100万人を超えています。
そのうちSIerの下請けで働いている人が、40万人ともいわれています。

SIerの案件が減れば、この40万人の仕事が失われて失業者が増えます。
政府とすれば、いやな数字ですね。

そこで、古い基幹システムを再構築させて雇用をつくろうとしています。

東京オリンピック後に不況はやってきます。
あるいは、来年辺りから世界経済が危ういという経済学者もいます。
直近のニュースで中国が、GDP2位から滑り落ちました。
世界でおカネを使っている国の米国と中国のうち片方が怪しくなってきました。

現在、繰り上げで日本が2位になっている状況です。

ERP and Cloud

欧米企業では、ERP(Enterprise Resources Planning)というパッケージシステムで基幹システムを動かしています。
システムを企業(人)に合わせるのではなく、ERPに人を合わせて合理化しています。

ERPは、Cloud(クラウド)で運営されているので、トラブルも少なく、専門の人員確保も必要ありません。
そのため、誰でも企業の事務作業ができるように構築されています。
日本のように「誰々じゃないとわからない」ということはないのです。

このERPand Cloudが導入されると、SIerという労働集約型、別名(人月商売)が壊滅します。
一回導入したら、ERPの会社がメンテナンスするのでSIerという御用聞きのようなIT企業はいらなくなるのです。

数年後、おそらくオリンピック後は、景気が後退して、ITに投資する企業はなくなります。
その時、AI、IoTなどの専門的知識を持った人以外の仕事がなくなくなことでしょう。

そのときITエンジニアの仕事が続けられるでしょうか?

もし、今の仕事に不満、給与が安い、未来がない と思ったら、転職を考えましょう。
ITエンジニアは、仕事場を変えることでスキルを積み重ねるのです。

崖から落ちないためには

崖から落ちるのは、企業だけではありません。
DXについていけない社員は、バッサリ切られると思います。

すでに大手企業を中心に45歳以上を中心にリストラをあっけてスリム化し、DXに対応できる人材を探しているのです。

あなたは、仕事でこんなことを感じていませんか?

  1. 会社に閉塞感があったり、
  2. 業績の行き詰まりがみられたり、
  3. 2次受け、3次受けなど下請け専門、
  4. 派遣で別の会社に常駐させられたり
  5. 5年後の仕事が想像できない。

今の仕事が続けられることが想像できるでしょうか?

企業というものは、生き残るためには、なんでもやるのです。
生き残るためには、社員を簡単にリストラします。
自分は、そういう会社を嫌という程みてきました。

もし5年後に不安があるとしたら転職を考えることをオススメします。

リクルートさん、Indeedさんなど多くの求人を扱っているサービスがあります。
その対極にあるのが専門分野に限定された求人サービスです。
例えば 看護師さん、介護士さん、変わったところで競馬の厩務員募集など、通常の求人サイトでは取り扱っていない専門分野の求人サイトもあります。

IT業界は、今なら求人がありますが、数年後はわかりません。

景気後退で一気に落ち込むことが予想されます。

年齢で切り分けられる現実

もし、あなたが、20代、30代ならば、いくらでも求人はあります。
しかし、もし40代になろうとしていたら、45歳以上は一気に求人が減ります。

IT企業は、45歳以上の社員をリストラ対象としてみています。

NEC、富士通も大量のリストラを実施しました。

日本電気(NEC)グループ 社員を約3000人削減 45歳以上の人は用済みなのか? | NEC ジョブ型導入を目指し事業体制を改革

「人手不足の大合唱」をしている政治家や企業は、より「安い労働力」をもとめて海外から人を入れようとしています。
一方、企業は、コストのかかる45歳以上の人材を「早期退職者」という名目で会社から追い出しています。

自分は、49歳で転職を始めたのですが、50社近い企業の申し込みました。
運良く、ベテランの社内SEを募集している企業に巡り会えましたが、もし40歳に近いのITエンジニアでしたら社内SEを狙うのもありだと思います。
企業は、システムの内製化を進めているところも多く、経験豊富なエンジニアを募集しているところも多いのです。



選ばれて10年。エンジニアの気持ちが分かる転職エージェントは【アイムファクトリー】

まとめ

人手不足と言いますが、ひとあまりの時代は、必ずやってきます。
AIが普及しロボットが仕事を始めたら、人はいらなくなるのです。
SFだとお思いでしょう?

経済産業省は、「2025年の崖」と言っていますが、自分は、もっと早く崖がやって来ると思っています。
そのときにエンジニアとして生き残るにはどうすればようか、仕事のある今のうちに考えることが大切だと思っています。

経済産業省は、「DX推進指標」というものを発表しました。

参考資料
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
http://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
経済産業省


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