日本では、昨年あたりから AIが急激に話題になりました。
マスコミが「ブーム」を起こしたからです。
それまでは、AIは、SFの世界でありどこか「胡散臭い」雰囲気が漂っていました。
これは、一般の人の考えに近いのではないかと思います。
最近、AIをメインにしている企業の方と話す機会が増えました。
どの会社も歴史が浅く、長くて3年ぐらいです。
今回の「日本のIT屋にひとこと」では。
「もう追いつけない日の丸AI」と題して
欧米&中国に永遠に追いつけないであろう日本のAIについて考えてみます。
目次
機械学習が大流行
日本では、『機械学習』が大流行です。
機械学習とは、簡単に言うと
機械学習(きかいがくしゅう、英: machine learning)とは、人工知能における研究課題の一つで、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のことである。
欧米では、IT企業は、すでに15年以上前から研究をしています。
簡単に言うとやっとスタートラインに立った日本は、この時点で15年遅れています。
もちろん研究を地道にしている先生方がいらっしゃると思います。
しかし、規模が違います。
数千億の金をつぎ込んで研究している国と数十億の予算がここ5年ぐらいで付き始めた日本では、勝負になりません。
展示会
AIの展示会とか行ったことありますか?
その多くが、人形(ひとがた)ロボットや工作機械に組み込まれています。
わかりやすくていいんですよ!
でもそれは、出来合いのAIを実用化することに力を注いでいて
肝心の「AIのアルゴリズム」の研究は、進んでいません。
AIの基本は、数学ができないと無理です。
すごく地味な研究なのです。
自分もIT業界のはしくれに席を置いていますが、AIの数学知識には、ついていけなくて挫折してしましました。
展示会でAIを搭載した機械達は、AIの研究のもとに出てきたわけではなく、AIの使い方で生まれてきたものだと思います。
ビッグデータ
ビッグデータがなければ機械学習などできません。
Googleをはじめ米国のIT企業は、はやくから「個人情報は金になる」と気がついて
ハードルを低くして情報を集めまくりました。
半端ないこのデータが、AIに活かせるわけです。
機械学習は、統計学が基礎になっていると思われます。
つまり、データ数が多いほど精度があがるわけです。
このデータを元にして多種多様なサービスが生まれてきます。
残念ながらそのほとんどは、米国からです。
Amazon EchoもGoogle Homeもビッグデータがなければ生まれてきません。
残念ながら日本では、ビッグデータが集まりませんでした。
個人情報がおおぴらに集める知恵がなかったわけです。
グズグズしていたら、お隣の国から LINEという電話番号&個人情報収集アプリが登場して個人情報を集まられてしまいました。
Amazon Echo、Google HomeそしてiPhoneのようなものは、ビッグデータがない、この国では生まれてこないのは必然です。
中国にとっくに抜かれている。
ビッグデータと言えば、中国 なにせ人が多い
それに国家レベルで推進しているので 個人情報を守るとかそんなのは、後まわし
Internetは、すべて監視されているし、マスコミ、言動も規制されています。
いくらでもデータは、あつまります。
それと、最近中国は、IT研究者を外国から雇い入れるような政策をしています。
これも国家レベルですすめているので日本企業など太刀打ちできません。
AIでは、中国にとっくに抜かれています。
もう追いつけない
これまで書いてきたように、AIの基礎部分(基礎研究+ビッグデータ)が勝負になっていないので
天才的な人が現れたとしてもビッグデータがなければ、機械学習どころではありません。
「欧米や中国に絶対に追いつけない」
と思っています。
まとめ
AIを制するものが、この先の産業、社会のリーダーとなると言われています。
ここまで遅れてしまった日本のAIは、絶望的な状況です。
クルマもEVが主流になりそうです。
日本は、ハイブリッドでお茶を濁したり、燃料電池自動車(FCV)にこだわっていたりしているうちに
欧米では、法律からもEVにシフトするような状況です。
中国でも現在、国をあげて EVの研究を行っています。
近いうちに クルマも世界から取り残される可能性があります。
例え、燃料電池自動車(FCV)が優れていたとしても 普及するかは、別問題
クルマもAIもダメとなったらこの国の産業はどうなるんでしょうか?
自分が会ったAI企業の若者は、熱弁を奮ってAIの可能性を話していました。
国、企業が協力してすすめないと「希望を持った彼ら若者」が報われないような
そんな気がします。