修理する権利 当ブログでは、これまでも何度か取り上げてきました。
自分で購入したものだから修理する権利を有する
つまりこういうことです。
しかし、米国で可決したこの法律が施行されないようにロビー活動をしている企業があります。
今回をIT小僧の時事放談は
修理する権利を阻止しようとしているのは、誰だ
と題して なぜ修理してはいけないのか? について考えてみよう
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目次
法案が可決したけど 州知事は署名していない
2022年12月20日 15時00分 Gigazine の記事より
近年発売されているスマートフォンやPCは、部品の入手が困難なことや回路図が公開されていないことから自力での修理やメーカー以外の修理業者に依頼することが難しくなっています。この状況を変えるべく「修理する権利」の確立を求める動きが世界中で活発になっており、2022年6月にはニューヨーク州議会で修理する権利を認める法案が可決しました。しかし、法案の可決から6カ月が経過した時点でも州知事による署名が行われていない現状が報告されています。
NY State Senate Bill S4104A
https://www.nysenate.gov/legislation/bills/2021/S4104NY tech device repair bill shrank under lobbyists' influence
https://www.timesunion.com/news/article/Right-to-repair-tech-lobby-influence-17241026.phpLobbyists have held up nation’s first right-to-repair bill in New York | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/12/right-to-repair-bill-passed-in-june-still-awaits-ny-governors-signature/The Nation’s First Right to Repair Law Is Waiting for Kathy Hochul’s Signature
https://www.vice.com/en/article/93a8k3/the-nations-first-right-to-repair-law-is-waiting-for-kathy-hochuls-signature2000年代に販売されていたPCや携帯デバイスは比較的分解が容易で、交換用のパーツさえ用意すればユーザーが手持ちの工具で分解して修理することができました。しかし、近年販売されているデバイスは分解のために特殊な工具が必要な場合が多く、ユーザー自身の手で修理を行うことは困難になっています。また、専門の修理業者に依頼した場合であっても、メーカーが部品や回路図を一般公開していないことから高度な修理が不可能な場合もあります。
上記のような状況を改善するべく、ユーザーに対して部品や回路図を公開して「修理する権利」を保護するように求める活動が世界中で活発化しています。修理する権利を求める法案も世界中で検討されており、ニューヨーク州議会では2022年6月に「デジタル電子製品を販売するすべてのメーカー」に対して「ユーザーと独立系修理業者に対するパーツや工具、修理マニュアルの提供」を義務付ける法案が可決しました。
続きは ↓
AppleやGoogleが圧倒的多数の賛成で可決した「修理する権利」を認める法案に反対し施行を阻止しようとしている - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20221220-right-to-repair/
ニューヨーク州議会で修理する権利を認める法案が可決したけど 知事がサインしなければ 法律が施行されない
というわけで
ニューヨーク州では、修理する権利がゆるされていない
メーカー側は、勝手に修理するな
修理したらメーカーとして 知りません
という訳です。
修理する権利
少し おさらいしましょう。
修理する権利とは、そもそもなんなのか?
米国 オハイオ州で電子機器のリペアショップ「iOutlet」を経営しているマイケル・オベルディック氏からはじまった。
2017年3月9日、オベルディック氏は ネブラスカ州のリンカーンで開かれた、消費者が壊れた製品を修理しやすくする法律を推進する公聴会に出席し象徴する。
「修理の権利法」の内容は主に3つ
- 製造メーカーに修理説明書の発行、パーツや故障を調べるソフトウェア、工具などの販売を義務づけ
- 消費者が自分の機器類を修理できるようにすること
- 独立した修理業者に依頼できるようにすること
「メーカーでなくても購入した人が修理をすることができるようにする」
という主張である。
これに呼応して農機具の修理についても声を上げることになった。
詳しくは、リンク先の記事をみていただければ詳しい経緯がwかります。
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iPhoneのバッテリー交換ができるようになったのは、米国の修理屋さんの運動からはじまった。「修理する権利」を勝ち取るまでの話
最近、街のあちこちで「iPhone修理受付ます」というような看板を見かけることが多くなってきました。 Appleは2019年2月28日から、他社製修理部品使用による有償修理サポート対象として、iPho ...
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しかし、メーカー側は大反対
農機メーカーのジョンディア社
「悪い農業事業者はトラクターをハッキングして、排気基準をごまかすでしょう」
アップル社
「修理の権利法が通れば、ネブラスカにはハッカーたちがあふれることになります」
しかし、世の中の投げれば「修理する権利」が主張され法案が可決することになた。
ロビー活動
米国でしばしば聞く ロビー活動
簡潔に言うと 議員に働きかけて、法案を妨害したり、法案を等させたりする 口利き屋 である。
米国には、ロビイストと呼ばれるビジネスがあります。
彼らは、自分に所に不利になる企業、団体から依頼を受け 依頼が実現するために議員や関係者に働きかけます。
オリンピックだってワールドカップだって主催者などに働きかけるロビイストが話題になります。
日本では、「不正である」「賄賂だ」と凶弾されますが、そんな甘いことは通用しません。
相変わらず、コネとカネが動く社会なのです。
さて、今回の「修理する権利」が施行されてしまうとメーカー側は、自社で修理するより他社で修理する方が低価格で
はっきり 言えば 修理ビジネスで儲からなくなる
というわけです。
表向きは、「故障の原因」「トラブルの元」「ユーザーを守る」と言っていますが、本音はどうでしょうか?
修理する権利の推進団体「Repair Association」のゲイ・ゴードン・バーン事務局長によると、ホウクル知事の署名が遅れている理由は複数の企業によるロビー活動が影響しているとのこと。
そもそも、ニューヨーク州議会で修理する権利に関する法案が検討され始めた当初は自動車や農業機械、医療機器なども対象に含まれていましたが、企業のロビー活動の結果、対象がスマートフォンやPCなどの「デジタル電子製品」に限定されました。日刊紙のオールバニ・タイムズ・ユニオンは、AppleやMicrosoft、Google、HPといった当該法案の影響を受けるデジタル電子製品のメーカーがホウクル知事に署名を思いとどまるように働きかけていると報告しています。
当該法案は、2022年12月16日にホウクル知事に提出されており、ホウクル知事が30日以内に署名しない場合、拒否権を行使した扱いとなり、法案は再検討されることとなります。
まとめ
弱肉強食の欧米社会では、ロビー活動と呼ばれる 権力者への働きかけ(自分は、口利き屋と思っていますが・・・)が認められていて 世界中のあらゆる団体、議会などで暗躍しています。
ロビー活動(ロビーかつどう、lobbying)とは、特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動である。ロビイング、ロビーイングともいう。
議会の議員、政府の構成員、公務員などが対象となる。
ロビー活動を行う私的人物・集団はロビイスト(lobbyist)と称される。また、政府と民間企業の出入りを繰り返すことを回転ドア(revolving door)と呼ぶ。
日本は、潔癖なほどにこういう人たちを排除したがりますが、今の官公庁を考えれば「天下り」という人たちがいるわけで、彼らが ロビイストとも呼べなくはない状況です。
とにかく、修理する権利がある限り メーカーのバカ高い修理費及び「なんとかサポート」でくそ高い料金を取られると言う慣習をなくしてほしいものです。