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IT小僧の時事放談

オートクチュール的なシステム開発はやめよう 第二のみずほ銀行システムにならないために

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

みずほ銀行のシステム MINORIが稼働を開始したのが2019年
移行作業は、一見 スムーズになって順調にみえた。

エジプト ギザにある大ピラミッドの建造費用と同じぐらいの費用がかかったと計算した人がいました。

また、いつ完成するかわからないと言われた「現代のサグラダ・ファミリア」とも称されました。
※サグラダ・ファミリアも完成するようですが・・・

そのシステムが、2021年 大トラブルを繰り返しました。

今回のIT小僧も小僧の時事放談
オートクチュール的なシステム開発はすぐに止めよう 第二のみずほ銀行システムを生まないために
と題して 失敗しないシステムの導入に関して考えてみよう。
今回は、体制とか、なんとかサイクルとか、マネージメントとかという実践的な問題ではなく もっと根幹的な話をします。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

オートクチュールなシステム開発

パリなどのファッションショーなどで華やかな衣装をスタイルの良いモデルさんたち
これらの衣装は、オートクチュールと呼ばれ ショーで発表するための一点ものである。

オートクチュール(フランス語: haute couture)とは、パリ・クチュール組合(La Chambre Syndicale de la Couture Parisienne、ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ、通称サンディカ)加盟店で注文により縫製されるオーダーメイド一点物の高級服やその店のこと。

ウィキペディア

通常、オーダーメイドなので発注者の注文仕様に合わせたもので 着る人の体型にフィットさせたものとなります。

ショーに出演するモデルさんたちが、ほぼ同じ体型をしているのは、ショーにつかう衣装のサイズをひとつにすることのためである。
つまり モデルさんたちは、衣装に合わせて体型を維持していると言っていいでしょう。
※特殊な場合を除いての話です。

懸命な人ならここまでの説明でおわかりになると思いますが、みずほ銀行のシステムをはじめ 日本の多くの業務系とよばれるシステムは、ほとんど 企業向けに0から構築されたものです。

その会社でしか使えないオートクチュールなシステムと言っていいと考えられます。
このオートクチュール的なシステム開発こそ日本で長年行われてきました。
しまも悪いことに会社の体型が変わってもオートクチュール的なシステムに対してハサミを入れ(改築)、記事を継ぎ接ぎ(機能追加)をしてきたのである。

そりゃ 布も痛むし、継ぎ足し部分もほころびます。

みずほ銀行のシステム MINORI は、みずほ銀行という体型にあわせたオートクチュールそのものであったのです。

全く違う体型にに合わせて作り直したみずほ銀行 MINORI

オートクチュールなシステムは、他の企業では使い物になりません。
さらに言うと、開発から長年 ハサミを入れ(改築)、記事を継ぎ接ぎ(機能追加)してきたわけですから、昭和時代の温泉旅館のように増築で迷路状態となっています。

通常ならば、全部壊して立て直せばよかったわけですが、みずほ銀行の場合、オートクチュール的なシステムに対して一旦 廃棄したもの 全く違う体型にに合わせて作り直したものであった。

Aさんは、細身、Bさんは、肥満気味、Cさんは身長が高い

そんな、人全てに合わせた衣装(システム)なんて どこかにほころびが生じるのは当然です。

御用聞き的なSIに都合のよいオートクチュールなシステム

企業の御用聞き的なSI(システムインテグレータ)は、、これまで会社に合わせたオートクチュール的なシステムを中心に行ってきました。

オートクチュール的なシステムなので ハードウェアもSI側で準備、もちろん設置設定にかかる費用も収益となります。

さらにシステムの開発となれば、1社でまるっと受注できるわけですから、工数の安い下請けに出せば 差分の収益が発生します。

システムを1社で受注するということは、どれだけ大きな利益を得ることができるかおわかりになると思います。

みずほ銀行の場合

みずほ銀行の場合は、1社ではなく 複数のSIが関わっていたため、多種多様なハードやソフトが使用されるという状況になっていたそうですから、データベースだけでも複数あったわけで こうなると 一着の衣装に複数の人がハサミを入れ、違う記事を縫い合わせている状況となっているわけですから、トラブルが発生しないわけがない。

さらにみずほ銀行は、システムの人員を減らしていたということで 危険度が増すのは当たりまえです。

時代は変わる

これまで オートクチュール的システム開発を行ってきたシステム会社ですが、ここにAWSとか、GoogleとかMicrosoftが、クラウドという武器を持って上陸してきました。

クラウドは、みなさん ご存知のように、これまで会社に置いてあった(データセンター)サーバーを一切使わなくても良くなってきました。

必要なものを必要なだけ供給できるクラウドの登場で バカみたいに払っていたハードウェア機器の保守料金とかメンテナンス料金はなくなります。

さらに海外から多くのソフトウェアベンダーが、クラウド上で動作するパッケージソフトウェアを提供することにより オートクチュール的システム開発が必要なくなりつつあります。

つまりUNIQLOなどにでかけて行って 自分でデザインと用途、服のサイズを選ぶことができるようになったのです。

もう、いちいち寸法を図る必要もなくなりました。

システムもこれと同じで自社の要望に合わせたパッケージソフトウェアを契約して、会社の業務をそのパッケージに合わせれば、余計な費用もかからず、機器の老朽化などのコストもなくなります。

例えば、決済システムをクラウド上のパッケージと契約すれば、高い金をかけてシステムを構築する必要もないわけです。

企業は、システム費用などに手間を掛けずに 本業で稼げばよいのです。

業務をパッケージにあわせる

日本企業及び自治体は、これまで独自のシステム構築をしてきました。
その結果、システムが老朽化して、対応ができなくなって システムの再構築を行おうとして失敗しているところも出ています。

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そんなことは、一切やめて パッケージに業務を合わせることで低コストに成功しているところもあります。

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しかし、このように成功しているところは、意外と少ないような気もします。

それはなぜか?

簡単です

業務をパッケージにあわせることができなくて 魔改造をしてしまうからです。

もちろん発注側も問題があるのですが、業務をパッケージすることで収入が減っているSI屋さんも発注先の意見どおりに魔改造をしているかもしれません。

このカスタマイズというやつで クラウドで収益の減った部分を回収しようとしているのでしょうか?

詳しくはわかりませんが、SI屋さんもリストラが激しくなっていることをみると まんざら外れていないような気がします。

カスタマイズは、ゼロではないと思いますが、最低限で留めることで、システムのトラブルを防ぐということが重要と考えています。

真に恐れるのは「有能な敵」ではなく「無能な味方」である

業務システムなど、どこも似たりよったりでさほど差はないし、星の数ほどあるパッケージなんて探せばでてくるはず。

それができないのは、そうさせない なにかの力が働いているわけです。

真に恐れるのは「有能な敵」ではなく「無能な味方」である

by ナポレオン

もう おわかりですよね

まとめ

先日、あるネットサービス会社から相談を受けました。

「AppStoreやGooglePlayの課金を回避したいから決済システムに手を入れたい」

ぞりゃ 無理ですぜ

そんぐらい払ってやれよ

「へんな小細工をすると バンされるよ」
「いつかは、変えなければならない社内システムならば 一気にパッケージに切り替えたほうがいいんじゃないですか?」

つまり

「そんなことより カネを生み出すサービスに力を入れろよ・・・」

というわけです。

社内システムでトラブルを抱えて利益損失を招いているならば、全部できあいのものに切り替えたほうがトラブルは少ないはず。

地方銀行のいくつかは、パッケージん導入、クラウドでの業務にかわりつつあります。

ねぇ みずほ銀行さん 数千億をゴミにするのは厳しいけど 取り返しのつかない事故にならないうちに考えたほうがよいんじゃないでしょうか?

頭(代表)を変えてもシステムは治らないのですから・・・

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