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IT小僧のブラック時事放談

ITバブルで儲けた経営者に一言 成功した企業と落ちぶれる企業の差

2022年9月19日

ネット興亡記 敗れざる者たち (日本経済新聞出版)

長年エンジニアをやっていると妙な嗅覚が働くものである。
「このプロジェクトヤバくない」
案件の相談に営業と話している時にふと言葉に出して「営業から嫌われる」ことが多かった。

案の定、その案件は、泥沼化、原因は「顧客」にあり

今回のブラックIT小僧の時事放談は、
【ブラックIT小僧の時事放談】ITバブルで儲けた経営者に一言
と題して、わずかのおカネをケチったために使えないシステムが出来上がる。
という話を「経験から得た知恵」をブログにまとめました、

何かの参考になれば幸いです。

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あんた、予算通したでしょ!

ある、サービスの企画で会社からゴーサインが出ました。
予算もきまり、開発企業と仕様をつめて正式発注をする段階で
「その開発費用 高くない 値下げ交渉しなさい」
と上層部から命令

「いやいやいや 稟議書に開発費用書いてあるでしょ」
と苦言を呈すると
「高いから値切りなさい」

発注先にこのぐらいの予算を伝えていた担当者は困り果てます。
「その金額では、受けられませんね」
あたりまえですが、受注予定の企業は断ってきます。

上層部に
「予算はこのぐらいと出してあるのでそれで行きます」

「そんな高い値段を出してくる開発会社じゃなく、違う会社を探しなさい」

いやいや、あんた「予算通したでしょ」

上層部は、ITに対して知識がなく、過去の案件の経験上で言っているだけで
「費用に対して何の根拠も示さずに 高いの一点張り」
結局、予定していた開発会社に頼むことになるわけですが、機能を削らなければなりませんでした。

もう、勘の良い方ならおわかりですよね
「中途半端で出してしまったサービスは失敗に終わります」
さらに
「予算計上していた広告費用を使わせない事態となります。」
理由は
「売れそうにないから」
挙句の果て
「失敗の責任はとってもらいますからね」
彼は、会社に嫌気がさして去ってゆきます。

企業にとって人材が資産であるということを忘れている経営陣に明日はありません。

AIってカネがかかるのです。

プロジェクトって100%の成功はありえないと思っています。
特にインターネットサービスは、正直!
当たるかどうかやってみないとわからない場合が多く
ITサービスで成功している企業でさえ失敗が多々あります。

今回のお話は、流行りのAIに飛びついた企業の残念な結果です。

現在、稼働中のサービスにAIを使った予想を行う機能を追加しようとしました。
AIのサービスを使ったこともない人が担当するので

「嫌な予感が漂っていました」

きちんとした方向性もないままにAIを得意としている企業に声をかけます。

A社は、すでに予想サービスを1年以上前から展開していて、

「その分野では、すでに知名度がありました」

しかし、そのAI技術を活かすサービスがなく、マネタイズできるところを探していました。

「こちらの状況を話すと乗る気です。」

予想を販売した売上から何%のインセンティブを受け取ることが条件でした。

ここで上層部から「待った」がかかります。

「彼らが展開しているサービスの販売権も手に入れなさい」
つまり、
「AIで展開しているシステムをまるごと手に入れなさいという命令が下ります」

AIでサービスを展開している企業にとって「ある意味 顔」のサービスを買い取れとの話
A社は、ベンチャー企業だから、可能性もあるかも知れないけど、出された費用が

「数百万円」

開発費にも満たない金額で「版権」を買い取れという無謀な話でこの件は頓挫
「そんな金額でシステムは手に入らないですよ」
と抗議すると
「どこどこのサービスは、100万円でやってくれたよ」

「あのーーー それって、ただのWebページなんだけど・・・」

代わりに登場してきたのは、AIは、得意だけど、「そのサービスの経験なし」企業で
これをB社呼びます。
開発は、東南アジア拠点、まぁこれはよくあることですが
担当者は、片言の日本語とITやAIなど全く知らない通訳さん

先方の担当者は、「まかせてください」
「値段は、大丈夫」
「必ず成功します」
と自信満々
サービスの理解がないのではと伝えると
「AIだから、データを入れれば、素晴らしい予想が出てくる」
の一点張り

さすがに、これは、怪しいと上層部と相談すると

「安くていいね ここでいいでしょ」

いやいや! アナタはAIについて知識があるんでしょうか?

AIは、100%正解を出すわけではありません。
成功した例だけがマスコミに取り上げられて

「AIは、すごい!」
「AIは、万能だ!」
「AIは、人間の頭脳を越えている」

と宣伝されますが、予想していた結果が出ないで失敗するものも数多くあるのです。
ですから AI案件は、「ダメかもしれない」という断り書きがあったりするのをご存じない」。

結局、B社と契約

もう、勘の良い方ならおわかりですよね
「予想は、期待はずれ、改善する気配もありません」

あああ!
最初のところと契約しておけば、すぐにでもサービス展開できたのに

そのA社は、別の大手IT企業と契約、絶好調の予想でサービスも好調です。

一方、B社と契約したため、半年たってもサービスに展開できず、
「予想結果が低い」ことでB社と揉めています。

プロ野球でもこんな事例たくさんありますよね

プロ野球でも大した知識もないオーナーが現場に口を出して失敗
一方、カネは出すけど、任せる人材を見極め、後は、現場には介入しないでまかせた人材に一任する。

どっちが成功するかは、今のプロ野球の成績をみればわかりますよね。

ITサービスは、カネがかかるけど成功するかは、わからない

ITサービスは、カネがかかります。
中途半端なサービスは、100%売れないし、継続しておカネをかけなければ維持できません。

つくりっぱなしで ほっておけば自動販売機のようなおカネを生むものはありえません。
自動販売機だってメンテナンス費用がかかるのです。

「ネットサービスであれば何でも売れたITバブル」

時代ではないのです。
ITバブル時代におカネを儲けた経営者は

「カネをかけなくても大儲けできる」という幻想を持っています。

正直

「ITビジネスと顧客を舐めています」

こうした場合は、現場の人間に一任してみることが肝心なのですが、残念ながら、有能な人材は流失していると想像できます。

成功した企業と落ちぶれる企業の差

Microsoft、Google、Appleなど
ITの巨人と言われている米国の企業も最初は、ベンチャーでした。

カリスマなエンジニア
カリスマな営業マン
カリスマなスポンサー
という図式で成功をつかみます。

そしてなぜか、成功した後に、経理畑の人が代表になり、収益が上がるけどその後に経営悪化
そしてなぜか、その後にカリスマ的なエンジニアが代表になり奇跡の復活

会社が落ち込んでだめになりそうな時に

「行けると睨んだ事業におカネと人材を投入」

して成功してきたのです。

過去のオイシイ思いをしてきた経験は、IT業界では
「何の役に立ちません」

まとめ

今回例に上げた企業の話は、フィクションです。
でもあなたの身の回りに似たような話ありませんか?

企業が成功するためには、一にも二にも人材です。
天才1人と秀才2人いれば、成功すると個人的に勝手に思っています。

人材をコストだと思い始めた企業は、必ず消え去ることでしょう。
経営危機から立ち直ってきた企業には、奇跡的に優秀な人材が残っていたのです。
それは、運でもなんでもありません。
経営者に魅力があれば、どんなにリストラをしても優秀な人材は、残るでしょう。

そうでなければ、優秀な人から辞めてしまい、会社もさらに落ち込むことでしょう。

人手不足なのにリストラという矛盾した状況でどれだけの優秀な人材が流失したのか
わかっていない経営者が多いと感じています。



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