2018年8月の菅官房長官の「携帯電話料金は、4割下がる可能性がある」という発言からはじまり
「携帯電話料金下げろ」という総務省の携帯電話大手3キャリアに対する圧力がはじまった。
結局、その結果どうなったのか?
今回のIT小僧のブラック時事放談は、
楽天モバイルのヘタレっぷりで総務省の4割下げろの大号令失敗 スマートフォン事実上値上げという最悪の結果になりそうだ。
と題して今後の携帯電話業界を予想をしてみよう。
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目次
楽天モバイルの失態
楽天モバイルは、2019年8月に
「10月には、まにあうぜ」
「基地局も大丈夫」
「でも ホップ・ステップ・ジャンプでちょっとずつはじめるね」
と豪語したわけですが、携帯電波の基地局が、大幅に遅れていて 総務省から3度めの行政指導をくらった。
サービス開始前から「行政指導」が発行されるというのは、総務省が描いていた筋書きが実現できないことに対する焦りと怒りが現れている。
10月6日に楽天モバイルは、記者発表をしたわけですが、
「5000人に無料で解放、事実上のテスト要員」
「基地局の遅れは、大丈夫」
「半年ではなく、数ヶ月でオープンできるかも知れない」
「他社が驚くような料金を考えているが、まだ発表しないよ」
「こんな小さなスマートフォン販売するよ」
「世界初の技術は、すごいだろ」
「MVNO(格安SIM)の発表会をしたのみんなこちらに注目して」
こんなもんです。
総務省が、行政指導した内容をすべてすっぽかしてしまいました。
サービスの告知
サポート内容
緊急時の対応
基地局問題
総務省の面目丸つぶれで怒っている人が多いと思います。
そもそもなんではじめたの
総務省の携帯電話大手に対する規制と圧力による法改正の意味はなんだったのでしょうか?
2019年10月1日から消費税が増税になります。
8%から10%とたった2%ですが、
1万円購入すると今まで800円だったものが、1000円の消費税が取られます。
たった200円ですが、インパクトが大きい。
その不満を少しでも減らすために、家計のなかでも大きなウェイトを占める携帯電話料金を4割下げれば、増税に対しての政府に対する非難が少しは減るだろう。
と考えたはず。
しきりに「増税の痛みを和らげる」とか言って、使えそうもないポイントを還元したりして税金を無駄遣いしているけど
「携帯電話料金が4割下がれば、文句言わないだろう」
というお役人的な発想がミエミエです。
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楽天モバイルの目論見
楽天は、携帯電話事業として格安SIM(MVNO)を営業しています。
楽天スーパーポイントでユーザーを獲得、更には、他のMVNO業者を買収し、200万を越すユーザー数という最大勢力です。
このユーザーを新しい電話事業にもっていければ
楽天経済圏とよばれる、通販、金融などに展開できるはず!
という考えだろう。
そこで 消費税増税批判交わしたい、政府・役所と楽天の思惑が一致
楽天モバイルの新携帯電話会社で価格破壊を起こしてもらって、docomo、au、SoftBankに値下げをするだろうと画策
楽天は、お役所から応援してもらえるし、お役所は、docomo、au、SoftBankの横並びを崩して、消費税増税非難を軽減できる。
WinWinと思ったに違いなし
そんな程度で始まったと思っている。
でも携帯電話事業に手を出すのは、反対が多かったはず。
株主もそんな事業はやってほしくないというのが本音だろう。
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全国展開は無理
0から携帯電話業界に参入するなど カネをドブに捨てるような商売です。
今から自前で基地局など全国展開できるわけがないし、そんなカネのかかることは、楽天は行わないだろう。
docomoもauも何十年もかけて携帯電話網を構築したわけで、いくら世界初のクラウド技術とか採用しても
電波を出す基地局がなければ 携帯電話は、繋がらない。
SoftBankの場合、ボーダーフォンのインフラごと買収したのでなんとかなりましたが、それでも全国でつながるようになるために相当な時間とコストがかかっています。
基地局は、建てれば良いというわけではなく、メンテンスも発生します。
また、基地局の場所を提供しているオーナーには、毎月、賃貸料?としておカネが発生します。
駐車場1台分と言われていますが、
都内に3000の基地局を作ったとしたら、年間1万円としてオーナーに支払うことを考えると
年間 1万円 X 3000件 = 3000万円 それだけでこれだけのコストがかかるのです。
ここにメンテナンスの保守料金がかかるわけで、それだけでも膨大なコストがかかります。
全国展開となると auだけでも11万を越える基地局が設置されています。
docomoもSoftBankも同じような状況でしょう。
楽天が、全国展開なんて費用のかかる事業をすると思いますか?
これから全国展開は無理
楽天モバイルは、格安SIMと並行して、都市部だけ携帯電話事業を行いたいと思っているはず。
全国展開など、そんなに金のかかることは、やらないし できない。
地方は、auのローミングで凌いで「儲かる都市部に集中」すると思います。
auのローミングの期限が、3年ありますが、そこまでに儲けが出る気配がなければ 撤退するのではないでしょうか?
あくまでもIT小僧の予想です。
まじに全国展開を夢見てるかも知れませんが、物理的、資金的に不可能
SoftBankのように勝負はしないでしょう。
結局得しない消費者
楽天の思惑に乗っかって 消費税対策のために携帯電話料金を下げるため 総務省は。楽天に有利な規制をdocomo、au、Softbankに実施しました。
- 携帯電話料金と端末の完全分離
- 解約料を1000円以下にして、他社に移りやすくした。
- 携帯電話の最大値下げを2万円
- 2年契約などで抱き合わせ販売を事実上禁止
これでどうなるかというと
2年縛りなどの条件付きで、実質半額程度で使用できていたスマートフォンは、ほぼ定価で買えということになった。
旧機種の値引き額も製造しているうちはあまり安くならない。
新型iPhoneも定価に近い料金になるので機種変更は厳しくなります。
- 携帯電話料金は、使い放題の料金プランを出しているけど、4割は下がっていない。
- 使い放題の料金は、これまでと余り変わらない。
- 安く見せるために ケーブルテレビ、プロバイダー、電気、家族4人などの条件クリアがあれば安くなる
※事実上の囲い込み
携帯電話の通信量は、それほど安くなっていない(通信量が多い人は安いと思うけど)
スマートフォンは、値引き額がすくなくなるので実質値上げ
結局、スマートフォンの買い替え需要が減るためにスマートフォンが売れなくなります。
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まとめ
ここまで書いてきたことは、IT小僧の予想です。
でも楽天に関しては、「本当に全国展開するの?」と疑問です。
また、基地局設置が、計画通りに運ばないと免許取り上げの可能性もあります。
これまで docomo、au、SoftBankで契約する意味は、回線のスピードとスマートフォンを低価格で使用できるというものでした。
低価格で高価なスマートフォンを使えないとしたら
SIMフリーのスマートフォンで格安SIMの運用で間に合う人がほとんどだと思います。
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