「これが日本の夜明けぜよ」
幕末 坂本龍馬の言葉ではないですが、察国をしていた江戸幕府は、米国をはじめ欧米諸国からの圧力に負けて鎖国を解除しました。
鎖国(さこく)とは、江戸幕府が、キリスト教国(スペインとポルトガル)の人の来航、及び日本人の東南アジア方面への出入国を禁止し、貿易を管理・統制・制限した対外政策であり、ならびに、そこから生まれた日本の孤立状態、外交不在の状態及び、日本を中心とした経済圏を指す。
もともとは、豊臣秀吉が、1587年にバテレン追放令を出し、1596年にサン=フェリペ号事件が発生、切支丹に対する直接迫害が始まった(日本二十六聖人殉教事件)
その背景には、宣教の影で密貿易、奴隷売買などを行なっていたことが発覚したと言われています。
今回のIT小僧の時事放談は
アップルの鎖国が終わるまであと少し
と題して、iPhone/iPadでのアプリ内購入の問題からはじまった 独占禁止法の疑いが強くなっているというお話です。
Kindleでアプリから本が買えるようになるひがやってくるのか?
目次
最新ニュース
「App Storeで外部決済システムへのリンクを禁止してはいけない」という判決
2023年4月25日
人気ゲーム「フォートナイト」の開発元であるEpic GamesとAppleがアプリ内課金や独占禁止法に関して争った控訴審で、「AppleはApp Storeのアプリに外部決済オプションへ誘導することを認めるように」との(PDFファイル)判決が2023年4月24日に下されました。しかし、10件の請求のうち9件ではAppleの主張が認められ、独占禁止法に関する請求ではAppleが勝利するという結果になっています。
Apple cannot ban links to outside App Store payments, U.S. appeals court says | Reuters
https://www.reuters.com/legal/us-appeals-court-upholds-lower-court-order-forcing-apple-allow-third-party-app-2023-04-24/
Apple declares victory after decision reached in Epic Games appeal
https://www.cnbc.com/2023/04/24/apple-declares-victory-after-decision-reached-in-epic-games-appeal-.htmlApple’s App Store can stay closed, but developers can link to outside payments, says appeals court - The Verge
https://www.theverge.com/2023/4/24/23696245/apple-appeal-epic-games-lawsuit-antitrustiOS向けのアプリストアであるApp Storeでは、アプリ課金などの売上の30%が手数料として徴収される仕組みとなっており、以前から「手数料が高額すぎる」という開発者の不満が高まっていました。そんな中、Epic Gamesは2020年8月に「EPICディレクトペイメント」という新たな支払方式を実装し、App Storeの決済システムで徴収される手数料を回避することを計画しました。
これに対し、App Storeを経由しないアプリ内課金を認めないAppleは、規約違反であるとしてApp Storeから「フォートナイト」を削除しました。これに対しEpic Gamesは訴訟を起こし、2020年からEpic GamesとAppleの法廷闘争が続いています。
「フォートナイト」開発元のEpic GamesがAppleを提訴 - GIGAZINE
2021年9月には「App Storeで提供するアプリにおいて、Appleが提供する支払オプション以外のものも認めるように」とAppleに命じる判決が下されました。しかし、App Storeにおいて30%の手数料を徴収すること自体に違法性はないと判断され、AppleがApp Storeにおいて設けている規約が独占禁止法に違反しているというEpic Gamesの主張は受け入れられませんでした。Epic Gamesは2021年9月の判決を不服として控訴しており、Appleも「App Storeでサードパーティーの支払いシステムを認めるように」という命令を不服として控訴しました。
Epic GamesがAppleとの訴訟の判決を不服として控訴 - GIGAZINE
それからも両社の法廷闘争は続いてきましたが、現地時間の2023年4月24日にアメリカ第9巡回区控訴裁判所が控訴審の判決を下しました。控訴審では、「App Storeで配信するアプリがサードパーティーの支払いシステムへのリンクを提供することを認めるように」という2021年の命令は支持
されましたが、AppleがApp Storeにおいて独占禁止法に違反しているとの主張は認められませんでした。
Appleの広報担当者であるMarni Goldberg氏はメディアへの声明で、「本日の判決は、10件の請求のうち9件でAppleにとって有利な決定がなされ、訴訟におけるAppleの全面的な勝利を再確認するものとなりました。2年間で2度目となる連邦裁判所の判決は、Appleが州および連邦レベルで独占禁止法を順守していることを示すものです。App Storeは競争の促進、イノベーションの推進、機会の拡大を続けており、世界中のユーザーと開発者の両方に深く貢献していることを誇りに思います」と述べ、控訴審はAppleの勝利に終わったと主張しています。
その一方で、声明では「私たちは、州法の下で残っている1つの請求に対する裁判所の判決に敬意を表しつつ同意せず、さらなる見直しを検討しています」とも述べており、App Storeのアプリに対し外部決済システムへの誘導を認めるようにという命令について不満を表明。今後も訴訟を続ける可能性を示唆しました。
海外メディアのロイターは、「Appleは第9巡回区控訴裁判所のより大きな裁判官集団に上訴するか、連邦最高裁判所の上訴する予定であるかは明言していません。同社は14日以内に上訴を行うことができ、上訴が続く間は裁判所命令は一時停止されたままとなります」と述べています。
続きは ↓
Apple対Epic Gamesの控訴審で「App Storeで外部決済システムへのリンクを禁止してはいけない」という判決、しかし大部分でAppleが勝利 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20230425-apple-declares-victory-epic-games-lawsuit/
控訴裁判所がAppleの申し立てを認め,「App Store」に対する改善命令を停止
2021年12月9日
カリフォルニア州などを担当するアメリカ合衆国第9巡回区控訴裁判所は,Appleの申し立てを認め,同社のダウンロードサービス「App Store」について,課金規約の改善命令を停止した。
判決では,「Appleの一連の行動は反トラスト法には該当しない」となりましたが、アプリの開発者がApple以外の決済手段に誘導することを禁じる規約の改善が命じられていた。
その期限が来る直前に執行停止が認められた。
つまり、App Storeのアプリは、Appleの決済うぃか使えないことになります。
裁判は,今後も長期にわたって続くと考えられている。
詳しくは、リンク先の 裁判所が公開した文書 を見てください。
それならAndroidを買えばいい 2021年11月13日
クックCEO:現時点で、人々は(AndroidとiPhoneという)選択肢を持っていると思います。サイドロードをしたければ、Androidを買えばいいのです。キャリアショップに行けば、そのような選択肢があるのです。それが重要なら、Android端末を購入するべきです。
私たちからすれば、自動車メーカーが「エアバッグやシートベルトを付けるな」と言っているようなものです。今の時代にこんなことをしようとは思わないでしょう。そんなことをするのは、あまりにもリスクが高すぎる。だからこそ、セキュリティとプライバシーを最大限に確保しなければ、iPhoneとは言えないのです。
App Store支払い方法変更で裁判所から指摘を受けているアップルのCEOは、「それならAndroidを買えばいい」という意味のコメントを発表した。
「Android端末がモバイルマルウェアに攻撃された回数は、iPhoneをターゲットにしたマルウェアの15倍から47倍である」
というコメントも発表している。
しかし、いろいろなところで裁判ざたになっているわけで 近いうちに大きな変わり目があるかもしれません。
アップル vs Epic訴訟、App Store支払い方法変更の期日延期要請を裁判所が却下
アップル vs Epic訴訟の結果、アップルは、反トラスト法(独占禁止法)には、値しない。
と裁判所が判決を下しEpicは、事実上敗訴となったわけですが同時に裁判所は、
アップルに対しては12月9日までに開発者がアプリ内でユーザーを他の決済システムに誘導できるようにしなければならない
と指示を出した。
これに対しアップルは、控訴したEpicとの裁判結果が出るまで、裁判所の決定を差し止める請求を出していましたが、裁判所は、却下
ゴンザレス・ロジャース判事はアップルの申し立てに「根本的な欠陥がある」としてこれを却下、期日どおりに代替決済手段へのリンクを認めなければならないとしています。
虎の子の独占課金システムを止められたくないアップルは、これに猛抗議
再び差止請求を出す予定となっている。
理由は、ユーザー云々と言ってるけど間違いなく
カネのためであることは間違いない。
Apple、Epic Games訴訟で控訴〜App Storeの変更が遅れるだろう
2021年10月8日金曜日午後4時17分PDTジュリクローバー
Appleは、9月にEpic Games vs. Appleの訴訟でイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース裁判官が下した判決に対して上訴することを選択し、本日、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に上訴の通知を提出しました。
アプリストアブルーバナーエピック1
クパチーノ社は、開発者がアプリ内リンクを外部のWebサイトに追加できるように、App Storeのルールを変更する必要があるという判決に対して上訴することを計画しています。これにより、開発者が-アプリ購入システム。控訴が進行中の間、Appleは裁判所に12月までにそれらの変更を実施することを要求する恒久的な差し止め命令の停止を求めた。Appleは、EpicとAppleの両方が提出した上訴が解決されるまで、差し止め命令の要件を一時停止するよう裁判所に要請します。同社は、開発者と消費者の間のコミュニケーションに関する裁判所の懸念を理解し、尊重しています。Appleは、App Storeの効率的な機能と、Appleの顧客のセキュリティとプライバシーの両方を保護しながら、情報の流れを強化することを目指して、グローバルな状況全体で多くの複雑な問題に注意深く取り組んでいます。適切なバランスをとることで、裁判所の懸念が解決され、差止命令(そしておそらくAppleの訴え自体さえも)が不要になる可能性があります。このような状況では滞在が保証されます。
当初の判決で、ロジャーズ氏は、外部のウェブサイトへのリンクを禁止するアップルのアンチステアリングルールは、消費者の選択を不法に抑制していると述べた。彼女は、Appleが開発者に「アプリとメタデータボタン、外部リンク、または顧客を購入メカニズムに誘導するその他の行動の呼びかけ」を含めることを制限することを禁止しました。
当時、彼女はこれらの変更を実装するために90日、アップルを与えたが、Appleは、として何年もかかる可能性が包まれている場合は控訴の全てまで、App Storeのルールへの更新をするために待機するように求めているEpic Gamesのがまた持っています控訴した。
Appleによれば、「App Store」のルールを変更すると、「「App Store」が提供する開発者と顧客の慎重なバランスが崩れ」、Appleと消費者に取り返しのつかない損害を与える可能性があります。Appleによれば、滞在することで、「このガイドラインの改訂が関係する複雑で急速に進化する法的、技術的、経済的問題」を乗り越えながら、プラットフォームを保護することができます。
さらに、Appleは上訴の理由として、「Epic Games」は裁判中にステアリング防止の主張についてほとんど言及しておらず、その特定の「AppStore」規則によって害を受けたという証拠を提供しなかったと述べました。Appleは、上訴で成功する可能性が高く、Epicが差止命令を継続しても害はないと主張している。Appleはまた、消費者に影響を与えることなく「情報の流れを強化する」ことに取り組んでおり、恒久的な差し止め命令の必要性をまったく排除する「AppStore」の変更が行われる可能性があると述べた。
12月9日に差し止め命令を実施すると、消費者とプラットフォーム全体に意図しない下流の結果をもたらす可能性があります。アップルは、変化する世界でこれらの困難な問題に対処するために懸命に取り組んでおり、消費者を危険にさらすことなく情報の流れを強化しています。差し止め命令を維持することで、Appleはエコシステムの完全性を維持する方法でそうすることができ、ステアリングに関する差し止め命令の必要性を取り除くことができます。
恒久的差止命令は現在12月9日に発効する予定ですが、Appleが勝った場合、その時点で変更を加える必要はありません。ロジャーズは11月16日にアップルの訴訟を聞く予定です。アップルの訴えの全文はここで読むことができます。
当初の訴訟は、ステアリング防止の差し止め命令を除いて、主にAppleに有利になり、Appleはそれを「圧倒的な勝利」と呼んだ。Epic Gamesのは、た判決を上訴し、Epic GamesのCEOティム・スウィーニーは言った裁判官の決定は「開発者向けや消費者にとっての勝利ではありません。」ということ
翻訳:Google
アップル社は、控訴の手続きを取ることで数年は、App Store支払い以外の決済は、不可能となるということが決まりです。
残念ながら、アプリからの外部リンクでの支払いは、できなくなる可能性がでてきました。
AppStoreの鎖国状態は、まだまだ続きそうだ ということです。
さすがアップル 簡単に引き下がらない
品行方正、清廉潔白なサービス
iPhoneのアプリをインストールするときは、App Storeからしかインストールできない仕組みになっています。
App Storeにアプリを掲載するときは、アップル社の厳重な審査があり、特にアプリのポリシーに対して厳しくチェックされます。
ですから iPhoneのアプリは、品行方正、清廉潔白という 清らかな世界に満たされています。
これは、アプリだけではなく、アップルのサービスしている書籍、ニュース、AppleTV+などにも適用され 極端な暴力、性的なものは排除されます。
これは、アップル社のCEOの影響によるものと思います。
こんな記事が出ていました。
Tim Cook Wants Apple Devices to Be Used for Creativity, Not 'Endless, Mindless Scrolling'
Appleデバイスは「クリエティブなことに使ってほしい」と願う
Tim Cook、「何も考えずにダラダラとスクロールしている人」に懸念私は常に、テクノロジーは人類に役立つべきであり、その逆ではないと考えてきました。そして、私はいつもテクノロジーを使いすぎる人々を心配していました。そこで、一般的に言っているよりもはるかに多いため、実際にデバイスに費やしている時間を実際に読み取れるようにするためにScreenTimeを作成しました。
Cookはさらに、Facebook、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディアの「無限のスクロール」は、直接言及されていませんが、ユーザーを「否定性」で囲んでいると述べています。彼は、Appleは顧客に彼らの製品を楽しんで家族や友人とつながることを望んでおり、それらを「終わりのない、無意識のスクロール」に使用しないことを望んでいると述べた。
ソーシャルメディアの無限スクロールメカニズムの作成者であるAzaRaskinは、2019年に彼の発明について「とても申し訳ありません」と述べ、それが社会に行ったことを後悔していると付け加えました。彼は、このアイデアの目標は「ユーザーにとって可能な限り最もシームレスなエクスペリエンス」の作成を支援することであると述べましたが、残念ながら、「ユーザーをできるだけ長くオンラインに保つ」という策略であることが判明しました。
IT小僧の個人的見解ですが、人をSNSなどの惹きつけたのは、あなたの会社の製品であり、そこに掲載されたネットサービスに対して不満だったら 即刻、Facebook、Instagram、Twitter、TikTokなどのSNSをApp Storeから排除したらいかがですか?
と言いたい。
「Appleデバイスは、クリエティブなことに使ってほしい」そんなことに言っているから、映画が撮影できるようなものをiPhoneに搭載して高額にして販売しているのだろう。
なんて 天の邪鬼なIT小僧は考えてしまう。
そんなハイレベルなものをスマートフォンに搭載する意味がわからないし、どれだけの人が使うのだろうか?
お抱えのYouTuberが嬉々としてレポートしていますが、おそらくほとんどの人は、そんな機能は必要ない。
Xperiaのハイスペックモデルも「やりすぎ感」があるけど SONYの人は「すきなひとに使って欲しい」と言っている。
そう、スマートフォンを何に使おうが個人の勝手ですから あまり使用方法に対して言わないほうがいいんじゃないのか? と思っています。
なにより 「何も考えずにダラダラとスクロールしている人」に懸念なんて ほっといてと思ってしまします。
陰の声
ちょっと言い過ぎたのでこのあたりで止めます。
独占してきた支払い方法
iPhone/iPadでのアプリ内購入は、アップル社の決済しか認めておりません。
しかもその料金には、30%(条件で15%)の手数料が上乗せされています。
例えば ¥1000で販売されているもので¥300がアップルが徴収し販売会社には、¥700が収益となります。
これをクレジット決済で行われえば、3.6%程度の手数料になるので収益額がかなり違いますよね。
これは、Google Playの決済も同じですが、Androidの場合は、クレジット決済やキャリア決済をGoogle Playを通さなくてもできるので抜け道はいくらでもありますし、Google Playから強制削除ということもありません。
Google Playと違ってApp Storeでは、アプリ内課金は、アップル以外のものは禁止になっていて、外部の決済リンクなどはできません。
それを破れば、App Storeから排除され フォートナイト(ゲーム)で有名な EPIC Gamesは、アプリの削除だけではなく、アカウントまで課されてしまったという経緯があります。
そのため EPIC Gamesは、裁判を起こし、App StoreとGoogle Playから撤退、自社のサイトでアプリを販売、課金しています。
※Android端末の場合、Google Playからのインストール以外でもアプリが使えるのでAndroidユーザーは、 フォートナイトの最新版で遊ぶことができます。
さて、裁判の第一ラウンドは、反トラスト法に該当しないとアップル側の勝利となるわけで
EPIC Gamesに対して、違反期間中の収益の30%(アップル税に当たる率)のおよそ350万ドル(約3億8500万円)支払いを命じたわけですが、EPIC Gamesは、控訴しています。
そして App Storeへの新たな制限を課した一文が大きな意味を持つことになる。
「App Store登録アプリに、App Store以外での支払いオプションにユーザーを誘導する権利を与える」
この裁判は、これまで各国で行われてきAppleの独占禁止法の疑いに対してアップルに大きなインパクトを与えたと思われます。
これまでのアップルに対しての裁判についてみてみよう
韓国
韓国議会、AppleとGoogleのアプリストア手数料を規制する法案承認
韓国の議会は8月31日(現地時間)、アプリストア運営企業が独自の決済システムのみの使用を強制することを規制する法案「電気通信事業法の一部改正法律案」を承認した。この後、文在寅大統領が署名すれば、法案は法制化される。法制化されればアプリ内課金を法律で禁じるのは世界初。
この法案は、欧州委員会や米国の複数の州も問題視している、米Appleと米Googleによる開発者にアプリ内での課金やアプリ内購入を義務付ける行為を禁止するというものだ。法制化されれば、韓国のアプリ開発者は韓国のアプリストアで、アプリストア外の決済サービスを利用できるようになる。
議案原文(韓国語をGoogle翻訳で日本語化)によると、「アプリマーケット事業者が取引上の地位を不当に利用して、モバイルコンテンツなどの提供事業者にとって特定の支払い方法を使うよう強制する行為を禁止」する。また、「アプリマーケット事業者がモバイルコンテンツなどの審査を不当に遅延する行為を禁止」する。また、アプリ市場での紛争を調整する権限を韓国政府に与える。
ドイツ
Appleの独禁法調査を開始 GAFA揃う
ドイツ連邦カルテル庁(FCO)は6月21日(現地時間)、米Appleがドイツの競争法に違反しているかどうかの調査を開始したと発表した。同国は1月に独禁法を改正し、それに基づいて既に米Facebook、米Amazon、米Googleを調査中だ。
FCOは、AppleがiOSを利用して「複数の市場にまたがるiPhoneデジタルエコシステム」を形成したかどうかを調べるとしている。調査はApp Storeを中心に行う。同庁は、App Storeの30%の手数料やiOS 14.5のATTについて、開発者やメディア業界から多数の苦情を受けたと語った。
FCOは、必要に応じて現在Appleを調査中の欧州委員会と協力していくという。
Appleはこの発表を受け、米TechCrunchなどに対し、「iOSアプリの経済圏によってドイツで25万人以上の雇用を創出」しており、「FCOの懸念について、彼らとオープンに話し合うことを楽しみにしている」という声明文を送った。
EUを中心にApple独占禁止法の疑い
欧州委員会、Appleを独禁法違反の疑いで調査開始 App StoreとApple Pay
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/17/news067.html
Epic Games、AppleをEUで提訴 米英豪での訴訟に続き独禁法違反を主張
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/18/news102.html
英政府、Appleを独禁法違反の疑いで調査開始 アプリストアの開発者向け規約で
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/05/news059.html
欧州委員会、Appleに「App Storeで支配的な立場を乱用している」と予備的見解を通知
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2105/01/news021.html
アップルの妥協策
Epic GamesやSpotifyがApple税に反対して結成した連合は集団訴訟の和解を受けることで
アップル社は、以下の施策を発表した。
米Appleは9月1日(現地時間)、App Store登録アプリの中でも、Appleが「リーダー」(reader, 閲覧)アプリと定義するサブスクリプションサービスを提供するアプリの開発者は、課金を自社Webサイトで行えるようにすると発表した。つまり15~30%の手数料、いわゆるApple税を回避できる。この変更は2022年初めに適用されるという。
これまで頑なに排除してきた他の決済方法を回避する手段を認めたのである。
その理由は、反トラスト法(独占禁止法)を回避するためであると言われている。
反トラスト法になるとApp Store以外からのアプリインストールも認めなければならなくなる可能性が高く、そこだけは避けたかったと思われます。
つまり、EPIC Gamesの起こした裁判で注目されたApp Storeの問題は、並行して起こされている裁判も注目されることになることで「課金を自社Webサイトで行えるようにする」という方法をしぶしぶ解禁せざる得なくなっとぁけです。
間違いなく 多くのアプリ開発社は、この方法を利用する可能性が高く、反対にアップル社の収益は減ることになります。
日本でも日本の公正取引委員会による独禁法調査が行われていて この影響もあったと思われます。
さて、「課金を自社Webサイトで行えるようにする」という回避策が公式にできるようになるわけですが、これを受けて、各国で動きが出てきました。
オランダ
Appleのアプリ内購入ルールは反競争的であり、オランダの独占禁止法のルール
Appleのアプリ内購入要件は反競争的であり、オランダ消費者市場局(ACM)が決定した、とロイターは報告している。ACMは、開発者にアプリ内支払いオプションの使用を強制するルールを変更するようにAppleに命じました。
オランダの独占禁止法ウォッチドッグは2019年からAppleを調査しており、調査はAppleのApp Store慣行が支配的な市場での地位の乱用であるかどうかの調査として始まりましたが、アプリのデートに焦点を当てるように縮小されました。
Tinderの所有者であるMatchGroupは、Appleのアプリ内購入が、支払いについて顧客と直接通信することを妨げていると述べた。
ACMは先月のアプリ内購入に関する決定についてAppleに語り、Appleが「AppStore」で市場支配力を乱用したと決定した最初の独占禁止法規制当局でした。Appleは罰金を科されていないが、ACMはアプリ内購入ルールを変更することを望んでいる。
この問題に関する最終決定は法的な審査中であり、今年最後に公開される予定です。
とニュースを追っかけていたら
2021年10月7日 オランダの独占禁止法当局
「開発者にアプリ内決済システムの使用を要求するAppleの規制は反競争的である」と判断し、規則の変更を求めた。
とアップされていました。
日本
日本のサイト日経からの関連ニュースで、日本の公正取引委員会は、AppleとGoogleがスマートフォンOS市場での優位性を活用して競争を排除し、消費者の選択肢を制限しているかどうかの調査を開始しています。
日本のFTCは、OSオペレーター、アプリ開発者、スマートフォンユーザーへのインタビューと調査を実施し、OSの市場構造と競争が「変わらない」理由を概説したレポートの作成を目指します。
複数の国での採便の結果
Appleは、米国を含む複数の国で同様の独占禁止法の調査と法的問題に直面しています。抜本的な独占禁止法が導入され、今年の初めに、Epicv。Appleの訴訟により、開発者が「アプリ内に加えて、顧客を購入メカニズムに誘導する外部リンクまたはその他の行動の呼びかけ」を含めることをAppleに要求する判決が下されました。
Appleは12月からこれらのルールを実装する必要があります。
EXCLUSIVE Dutch watchdog finds Apple app store payment rules anti-competitive - sources
reuters October 8, 2021 4:21 AM JST日本語訳:Google翻訳
さぁ 「課金を自社Webサイトで行えるようにする」という緩和策を発表したアップルでしたが、独占禁止法の法的問題が完全に振り払えたという状況ではなくなってきました。
特にEUでは、GDFAとか、米国企業に対して 法律でカネを引っ張れることは何でもやるぞ的なことが目につくのでまだまだ脅し(裁判)が続くと思います。
※EUに関しては、IT小僧の個人的見解です。
Paddle(パドル)
Paddle(パドル)は、Appleの料金を回避するiOS上で代替のアプリ内購入システムを立ち上げることを計画しています
EpicGames vs. Appleの判決に応えて、決済プラットフォームPaddleは本日、Appleのアプリ内購入メカニズムに代わるiOS向けの代替アプリ内決済システムを立ち上げる計画を発表しました。
アプリ購入でパドル
電子メールで送信されたプレスリリースで、Paddleは、その支払いシステムをAppleのアプリ内購入メカニズムの「真の類似のドロップイン代替品」として説明しました。これにより、開発者はAppleに15〜30を支払うことなく顧客から支払いを集めることができます。 %販売手数料。パドル氏は、10ドル未満の取引には10%の手数料、10ドルを超える取引には5%プラス0.50ドルの手数料を伴う、「非常に競争力のある料金体系」になると述べました。パドルは、Appleの料金を回避するiOS上で代替のアプリ内購入システムを立ち上げることを計画しています
https://www.macrumors.com/2021/10/07/paddle-plans-alternative-in-app-purchase-system/
と言ってもアップルがアプリ内に組み込んだアプリを拒否する可能性は高い。
Paddleは公式サイト上で、「Apple対Epic Gamesの評決は、アプリの開発者がAppleの決済システム(15~30%の料金を必要とする)に代わるものを選択する方法を明確にします」と主張。Paddle In-App Purchaseを利用することにより、App Storeより低い手数料で柔軟な決済システムを顧客に提供できるとしており、アプリの決済システムをPaddle In-App Purchaseに切り替えてもApp Store上で販売し続けられると述べています。
一方、Paddleが提案する新たな決済システムは「Appleが裁判所の命令を全面的に受け入れ、アプリ開発者たちが望む対応を行う」という希望的観測に基づいたものだとの声も上がっています。Apple関連メディアのiMoreは、Paddleの新しいアプリ内課金システムはApp Store内のアプリで利用できない可能性があると指摘しています。
In-app purchase alternative from Paddle will see apps rejected, says expert | iMore
さて、課金方法へのアプリからのリンクは、認めたけどアプリ内に別の決済システムを導入するとなるとアップルから認められるのでしょうか?
課金決済のプラットフォームは死守するだろう
現時点では、限りなく(アップルに)拒否されそうですが、万が一 裁判の結果次第で許可されたら、App Storeの30%は、下げざる得ない状況に追い込まれます。
さらに課金プラットフォームの乱立を招くでしょう。
アプリの開発会社は、できるだけ手数料の安い課金決済を使うはずです。
そんな収益が下がることをアップルが許すはずありません。
もし、認めてしまうとしたら、独占禁止法逃れの取引になると思われます。
自社のデバイスで自社のプラットフォームでアプリの配布と課金をしてきたわけですから、本当は文句を言われる筋合いはないというのは、よくわかります。
自分がアップルの代表だったら
「ふざけんな ごらぁ かねかけて育ててきた金の鶏をなんでよこどりされるんじゃ」
と切れるでしょう。
まとめ
嘉永6年6月3日(1853年7月8日)浦賀沖に来航したペリーによって日本は、開国への道に進みました。
翌嘉永7年1月(1854年2月)に、アメリカ合衆国と日米和親条約で下田と箱館を開港したわけですが、その後、イギリスと日英和親条約、ロシア帝国と日露和親条約が結ばれ
安政6年(1859年)には箱館、横浜、長崎、新潟、神戸と次々と開口することになりました。
今のアップルは、翌嘉永7年1月(1854年2月)の下田と箱館状態かも知れません。
しかし、一度 開いた穴は、さらに広がり、別の穴が開くかも知れません。
iPhone/iPadユーザーにとっては、あまり関係のない話でしたが、アプリ開発者にとっては、収益に関わることなので重大な意味を持ちます。
アップル側とすれば、
「自社のデバイスしか使えないアプリを自社で用意した仕組みで配布して何が悪い」
「仕組みをつくることや保持するにもカネがかかるのだから 30%ぐらい徴収してもいいだろ」
ごもっともなご意見です。
IT小僧もそう思いますが、アップルのこれまで行なってきた独善的な態度にムカついている人たちも多いわけです。
さらにいうと もうちょっとCEOが、うまく立ち回れば回避できたかも知れないとも思っています。
冒頭のインタビュー記事のように「品行方正、清廉潔白」そして「カネ持ち」では、世の中に叩かれるのは必然
世俗にまみれた世界を直視して付き合うほうがビジネスとしては、正解だろう
同じようにGoogleも訴えられていますが、こちらは、もう少し大人の対応をしているようです。
Googleに関しては、また別の機会に取り上げます。