スマートフォン、パソコン、電波時計にカーナビんどなど
正確な時を取得する機器はいったいどこから取得しているんだろうか?
今回の教えてITでは、その謎に切り込んでみよう
最後まで読んでいただけたら幸いです。。
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目次
NTP
Network Time Protocolは、パケット交換による遅延時間が変動するネットワーク上のコンピュータシステム間で時刻同期させるための通信プロトコルである。1985年以前から運用されており、現在使用されている中で最も古いインターネットプロトコルの1つである。
よくわかりませんので具体的にいうと
NTPとは、「Network Time Protocol」の略語です。 NTPサーバは、あらゆる機器の時刻情報を同期するためのプロトコル(通信の手順や約束事を定めた規格)のことです。 コンピューターだけではなく、ルーター、サーバ、各種スイッチなどに正しい時刻情報を取得・配信できます。
NTPとは、サーバーでもなくどこかにある施設ではないことがわかりますね
実際にNTPを運用しているサーバーは世界中にあり、日本でも複数存在します。
有名なところを2つピックアップしました。
- 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
日本標準時グループ
時刻情報取得状況
☝ここに接続すると正確な時刻が表示されます。 - NTP POOL PROJECT
⚠余談ですが、NICTは、「にくと」と読む人もいますが、正式には「エヌアイシーティー」と言った方が良いと思います。
多くの企業、団体、研究等に使われていて、私たちのスマホやパソコンもこのサーバーを直接ではないにしても使っているはずです。
では、この正しい時刻は、どこが設定しているのでしょうか?
Unixシステム開発者のトニー・フィンチ氏のブログ
「Where does my computer get the time from?」
(私のコンピューターはどこから時間を取得しているのか?)
では、早速 正確な時刻の発症元を追いかけてみましょう
NTPはどこに繋がっているの?
ブログでは、NTPの階層構造の図表が示されています。
これは、一つの例で
stratum 3 NTP サーバーは stratum 2 NTP サーバーから時刻を取得します。
stratum 2 NTP サーバーは stratum 1 NTP サーバーから時刻を取得します。
ストラタム 1 NTP サーバーは何らかの基準クロックから時刻を取得します
英国の MSF やドイツの DCF77 などの無線信号かもしれません
よくわかりませんね 大元の正確な時計に繋がっているわけですが、実際はどうなのでしょうか?
じつは、宇宙から正確な時刻がやってくるのです。
GPS
カーナビやスマホで使用されているGPS 衛星からの電波で現在位置を把握するというシステムです。
グローバル・ポジショニング・システム(英語: Global Positioning System, Global Positioning Satellite, GPS、全地球測位システム)とは、アメリカ合衆国によって運用される衛星測位システム(地球上の現在位置を測定するためのシステムのこと)を指す。
ウィキペディア
実は、正確な時刻を取得している多くのNTPサーバーは、GPSから取得しています。
GPSに接続する機器の一例です。
カーナビは、NPTサーバーではなく直接GPSから正確な時刻を取得しています。
一方、スマホの場合は、「NITZ(Network Identity and Time Zone)」(NITZ)という仕組みを使っていて 現在時刻やタイムゾーンなどの情報を基地局経由で提供する規格で、通信キャリアから取得しています。
通信キャリアもどこからの時刻合わせを使っているわけでNTP サーバーかも知れません
まとめ
(1)GNSS受信機を使ってGPS/GNSS(全球測位衛星システム)信号から得る方法
(2)NICT等が提供する時刻供給サービスを使う(GPSから取得している場合が多い)
では、そもそも GPSの時刻は、どこで合わせているのでしょうか?
GPSの時刻
GPSは、米国、ロシア、中国、日本など球測位衛星システムを持っている衛星システムです。
一般的にGPSと言えば 米国のものですが、米国のGPSは、コロラド州シュリーバー宇宙軍基地から発信されています。
宇宙軍という組織があるという米国の凄さがwかります。
では、その基地は、どこから正確な時刻を取得しているのでしょうか?
米国の時刻
シュリーバー宇宙軍基地には、アメリカ海軍天文台(USNO)の代替マスタークロック)サーバーがあります。
アメリカ海軍天文台のマスタークロックサーバーは、ワシントン DC にある米国海軍天文台から時刻を取得
やっと時刻を決めている大元にたどり着きました。
米国の3つの時刻合わせ
ワシントン DC にある米国海軍天文台は、3つの方法で正確な時刻を取得しています。
原子時計
ひつつめは、原子時計 原子時計に関しては、ウィキペディアで確認してください。
原子時計(げんしどけい、英: atomic clock)は、原子や分子のスペクトル線の高精度な周波数標準に基づき最も正確な時間を刻む時計である。高精度のものは10−15(3000万年に1秒)程度、小型化された精度の低いものでも10−11(3000年に1秒)程度の誤差である。
原子時計に基づく時刻系を原子時と呼ぶ。現在のSI秒および国際原子時(英: International Atomic Time)は原子時計に基づく。
国際地球回転サービス パリ天文台
パリ天文台に拠点を置く国際地球回転サービスから時刻を取得
IERSというのは、国際地球回転・基準系事業のことで詳しくは、ウィキペディアで確認できます
IIERS(nternational Earth Rotation and Reference Systems Service)
原子時計と国際地球回転サービスで誤差を修正していると推測されます。
国際度量衡局(BIPM)と協定世界時(UTC)
3つめは、3番目の要素は国際度量衡局(BIPM)で、協定世界時(UTC)を管理しています。
BIPMは世界各国の原子時計のデータを元にUTCを設定しています。
3つの時刻の合わせ技
米国の時刻は、この3つの合わせ技により 半端ない正確さで時刻を算出、その時刻が基準となりGPS、NFTサーバーで配信されています。
正確さは半端なく、ネットでの遅延、衛星までの距離宇野遅延などを計算して同期をとっています。
その方法は、ネットで検索されるとより正確な情報をしゅとくできます。
日本ではどうなの?
- 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
日本標準時グループ
時刻情報取得状況
☝ここに接続すると正確な時刻が表示されます。 - NTP POOL PROJECT
これらの時刻は、日本標準時で取得されています。
日本標準時(にほんひょうじゅんじ、英: Japan Standard Time、略語:JST)は、総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構の原子時計で生成・供給される協定世界時(UTC)を9時間(東経135度分の時差)進めた時刻(すなわちUTC+9)をもって、日本における標準時としたものである[1][2][3]。同機構が決定するUTCは「UTC (NICT)」と称され[4]、国際度量衡局が決定する協定世界時(UTC)との差が±10ナノ秒以内であることを目標として調整・管理されている[5]。単に日本時間と呼ばれこともある。情報通信研究機構が通報する標準時は、日本全国で日本放送協会(NHK)などの放送局やNTT(117)の時報などに用いられている[6][7][8].
説明記事だけでブログが何本もっけてしまいそうなので 日本にも米国と同じような時刻設定機関があるということぐらいで覚えておいてください。
日本標準時グループ による配信概略図
まとめ
私たちの使っている時刻が正確なのは、半端ない仕組みで時を刻んでいることがわかると思います。
その正確な時刻をNTPサーバーやGPSを経由して世界中のスマホ、パソコン、あらゆるサービスで使われているのです。
正確な時刻を決める仕組み(原子時計など)は、かなり前からありましたが、正確な時刻をを配信する仕組みは半世紀ほど前に存在していませんでした。
数十年前の時計は、「月差±何秒」と記されていたことをご存じの方も多いと思います。
いまや、電波やGPSで取得した時刻を取得して時計あわせをしているため正確です。
数十億台のスマホの時刻を合わせるって 凄い時代になったものです。
最近は、電波時計も安価で入手しやすくなりました。