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IT小僧の時事放談

ある公開NTPサービスが停止予定と発表 でも世界中のいろいろなもので問題になりそうだ というお話

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古来から時計職人は、正確な時を目指して大変な苦労をしてきました。
超人的な眼と手で小さな歯車を作り、組み込み、調整してきた時計職人達

デジタルな世界にあっても 彼らの生み出した機械時計は、芸術的な価値があります。

ところで 皆さんの使っているスマートフォン、パソコンの時刻
「放ったらかしにしていても 時刻あっていますよね」
時計合わせなどしたことがないと思います。

今回のIT小僧の時事放談は、
ある公開NTPサービスが停止予定と発表 でも世界中のいろいろなもので問題になりそうだ というお話 
と題して 世界中のコンピューターやIoTなどネットワークに接続している機器を支えてきた福岡大学の話です。

小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただければ幸いです。

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パソコンの時計は正確ではない

今やパソコンを購入すると最初に設定するのがインターネット接続
当たり前のようにWi-FiやLANの接続の設定をを要求してきます。

常時ネットワークに接続するのが当たり前で、ネットワークに接続していないコンピューターは、役に立たない時代です。

そんなの当たり前という人が多いと思います。

しかし、35年以上もコンピューター業界を生業としてきたIT小僧にとって
パソコンは、独立したものからのスタートだったのです。

今から35年ほど前の話です。
パソコンは、独立して動いているのが当たりまえでした。
ネットに繋ぐ = ダイヤルアップ
⇒ 電話回線
⇒ 電話代で数万円。。。
という時代でした。

当時のパソコンは、よく時刻がズレました。
数百円の時計でさえ正確な今から考えると信じられませんが、一日に数分遅れるものもあったのです。

パソコンだけではなく、大型コンピューターでも時刻合わせは大事な仕事だったのです。

NTP

ネットワークに常時説億の時代、コンピューターの時刻は正確になりました。

というより、世界中と情報交換をする場合、時計が合っていないと問題が多く発生します。
過去からのデータや未来からのデータを受け取っても困りますよね
だから、正確な時刻合わせが必要となります。

その仕組を支えているのが、今回お話する

NTP
(Network Time Protocol:ネットワーク・タイム・プロトコル)

という仕組みです。

Network Time Protocol(ネットワーク・タイム・プロトコル、略称NTP(エヌティーピー))は、ネットワークに接続される機器において、機器が持つ時計を正しい時刻へ同期するための通信プロトコルである。
ウィキペディアより抜粋

小難しはなしをすっ飛ばせば
「世界のいろいろなサーバー(コンピューター)に問いかけて正確な時刻を教えてくれる仕組み」
です。

最近は、GPSを使って正確な時刻をセットしたりもしますが、このNTPという仕組みは、ネットワーク社会で重要な意味を持つ影の立役者なのです。

NTPサーバー

NTPは、みなさんのパソコンで利用されていて常に時刻を合わせてくれています。

スマートフォンは、直接NTPサーバーを使用していませんが、電話回線で時刻を合わせるものが主流です。。
携帯電話回線を利用して時刻を自動的に修正する規格「NITZ(Network Identity and Time Zone)」

NTPは、NTPサーバーというものがあり、NTPサーバーに接続して時刻を修正しています。

NTPサーバーには、原子時計をもとにした時刻があるために、そこに合わせれば正確な時刻になりますね。

そのNTPサーバーは、公開NTPサービスとも呼ばれ、無料で公開されているものが多い。
今は、公開NTPサービスが、世界中にあり、国立天文台やGoogleなども公開しています。

最近のパソコンは、わざわざ NTP サービスの設定など特別に指定しなくても
「時計を自動的に設定する」などの項目をONにしておけば OK です。
また、スマートフォンの場合は、何もしなくても時刻合わせができているので項目すらないものがほとんどです。

さてこのNTPサーバーですが、ネット接続が当たり前の今は気にしませんが、
1993年10月に日本で最初に公開NTPサービスをはじめたところがあるのです。

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福岡大学

福岡大学は。1993年10月に日本で最初に公開NTPサービスの運用を始めました。
1994年にIIJという会社が、インターネットプロバイダーとして一般から接続できるようになりました。
Windows95の前年です。

まだ日本では、一般に開放されていない時代でした。

※IT小僧は、「インターネットマガジン創刊号」の広告を見てすぐにIIJに申し込みました。
正確ではありませんが、申込みに5万円ぐらいだったのを覚えています。もちろん接続方法は、電話回線です。

話を戻して

福岡大学は「近い将来」(福岡大学のWebサイト)、公開NTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)サービスを取りやめることを発表しました。

福岡大学 ntpサービス
https://www.ipc.fukuoka-u.ac.jp/service/ntp/public_ntp/

その理由は、

「NTPサービスへの接続(問い合わせ)が多くて、大学のネットに負荷がかかるようになった」

というわけです。

日本で最初のNTP公開サービス

福岡大学では、GPSを使って研究室でNTPサービスを運用を開始

UNIXが動作しているパソコンとGPS機器との接続も自前で作成したもので正確な時刻を発信できる数少ないサーバーでした。

もともと、学内にある大型汎用機(大型コンピュータ)の時刻合わせのためでしたが、1993年10月からインターネット向けに公開用のIPアドレスを取得したことがはじまりです。

当時、日本では、NTPサービスなどなく、日本最初のNTPサービスだったので接続数は限られていました。
やがてインターネットの普及とともにアクセス数が増え続け 2012年からアクセス増が原因で学内からインターネットにつなげなくなるネットワーク障害が立て続けに発生するなど大学の研究にも影響が出始めました。

停電などでNTPサーバーを止めると、接続のリトライが発生し、どうにもならない状況に陥ることもあったそうです。

予算のない中で公共のNTPサーバーを止めるわけにもいかないと
古いサーバーやネットワーク機器の再利用、調整を続けて耐障害性と性能をあげてきたが、限界が生じてきました。

そこで なぜアクセス数が増えたのかを調査したところ

意外なところからの接続がわかったのです。

アクセス先は、どこだ!

2015年8月 新しく稼働させたサーバーで公開NTPサービスへの時刻問い合わせのアクセス元を解析
世界中からのアクセスがあることがわかった。

2018年1月時点で実に239の国と地域からアクセスがあり、
全体の3割が中国、次がブラジル、アルゼンチン、米国、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、ポーランドと続き、日本は15位でした。

接続先のIPアドレスでネット上を検索すると

「中国などの海外ネットワーク機器の製品マニュアルなどに、福岡大の公開NTPサービスにどう接続すればよいかという設定例」
が掲載されていた。

ルーターなどのネット接続機器、監視カメラなどのIoT機器も含まれていたというわけです。

また、福岡大学の依頼でNTT西日本が調べたら
安価なブロードバンドルーターなど

「福岡大学の公開NTPサービスにまずは時刻を問い合わせるように設定されていた」

ことがわかりました

ブロードバンドルーターが売れるたびに「福岡大学の公開NTPサービス」に接続に来るということを意味します。

これでは、増えることはあっても減ることは絶対にありません。

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対策を模索中

公開NTPサービスを切ってしまえばいいという考えもあるが、接続できなくなると サーバーへのリトライが続くため回線が逼迫してしまいます。
つまり、切っても切らなくても回線が逼迫するので 簡単に切断するわけにもいかない状態になっています。

公開NTPサービスを担当している 藤村准教授らは、世界のネット全体に影響を与えずに公開NTPサービスを止める方法を模索しているということである。

藤村准教授は、福岡大学の公開NTPサービスにアクセスするように設計したネットワーク機器メーカーやシステム基盤を構築する企業に対して「NTPの設定を見直してほしい」と伝える活動も行っています。
2019年10月にはブラジルまで飛び、ネットワーク関係者が集まる会合で同様の呼びかけをする計画もあると言います。

NTT西日本でも
「中国など海外の技術者とも一緒に問題解決に向けて協力を呼びかけたい」
と活動を開始しようとしています。
日経XTECHより抜粋

まとめ

善意ではじめた公開NTPサービスですが、ネットワーク社会が当たり前になって、縁の下の力持ちが悲鳴をあげることになってしましました。

インターネットは、無料で運営されているわけではないのです。
誰かが、おカネをだしているので接続ができているのです。

そのおカネは、広告だったり、プロバイダーに支払う通信量だったり、善意で運営している福岡大学のようなところもあるのです。

IT小僧がよく使う、ウィキペディアも寄付などで賄われています。

だから、広告を強制的にカットする仕組みなどは、長い目で見ると「インターネットの死」を意味します。
ネットで儲けている企業は絶対にやってはいけない。

と個人的に考えています。

Public NTPサーバの一覧 誰でも利用できます。
https://qiita.com/halpas/items/5a451ead0b13f6792595

福岡大学 ntpサービス
https://www.ipc.fukuoka-u.ac.jp/service/ntp/public_ntp/

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