「仁義なき戦い」
飯干晃一が1972年(昭和47年)「週刊サンケイ」5月26日号から連載したノンフィクション
1973年(昭和48年)1月13日、東映配給網により正月映画第2弾として映画にもなりました。
監督 深作欣二
故 菅原文太 主演の出世作である。
裏切りそして裏切る、任侠の中で悩み苦悩する主人公を描いたこの映画は、大ヒット
シリーズ化され 全部で11本制作されました。
今回のIT小僧の時事放談は、
仁義なきクラウド戦争 米IBM レッドハット買収でマルチクラウドを目指す。
と題して 米IBMが、約340億ドルで「レッドハット」という企業を買収した背景について考えてみよう
今回も小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただければ幸いです。
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目次
レッドハット
ところで「レッドハット」ってどんな企業?
とお思いの方もいらっしゃると思いますので簡単に解説します。
レッドハット (Red Hat) とは、クラウド技術サービスを中心とした会社であり、またLinuxディストリビューションのRed Hat Enterprise Linuxを製品として販売・開発・サポートしている。
ウィキペディアより抜粋
相変わらずコンピュータ関連の用語は、「わかっているを前提」として記事になっているのでわかりずらい。
Red Hat Linux(レッドハット・リナックス)は、かつてレッドハット社によって開発されていたLinuxディストリビューションである。現行のRed Hat Enterprise Linuxの前身、および初期のFedoraの前身となったバージョンである。
ウィキペディアより抜粋
レッドハット社は、株式会社である。
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ノースカロライナ州ラーレー
設立 1993年
事業内容 クラウド事業・ソフトウェア開発・販売・マーティング・サポート・プロフェッショナルサービス
代表者 Jim Whitehurst CEO兼社長
Bob Young 創始者
Marc Ewing 創始者
売上高 29億US$ (2018年度:2018年2月決算期)
従業員数 約12600人 (2018年6月)
外部リンク www.redhat.com/en
事業内容は
ソフトウェアライセンス料は無料ですが、ソフトウェアのアップデート・アップグレード・保守サポートなどを一体化したサブスクリプション(年間契約費)で販売する事業を展開しています。
Linux
Linuxというのは、今、このブログを表示しているOS(オペレーティングシステム)もLinuxです。
OSというのは、WindowsとかiPhoneのiOSとかAndroid OSとか呼ばれているものと同じ仲間で
コンピュータを動かしている基本部分のことです。
Linuxというのは、UnixというOSとよく似ていて コマンドも互換性があります。
Unixは、コンピュータ会社から販売されていたことも多いのですが、Linuxというのは、
基本 無料
ソースコードも公開
非営利・営利に関わらず誰でも自由に使用・修正・頒布できるという仕組みです。
無料ということもあって、世界中のコンピューター(特にサーバと呼ばれるコンピューター)で可動しています。
インターネットが世界的に普及したのもLinuxがあったからだと思います。
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ディストリビューション
Linuxは、ソースファイルなので一般の人が使うには、それをコンパイルという作業をして動作するようにしなければなりません。
また、パソコンで使うためには、ディストリビューションという
「Linuxを一般利用者がインストールしたり、利用できる形やツールをまとめ上げたもの」
にしなければ、扱うのが難しく、パッケージにしたものを配布する会社が
「Linuxディストリビューション」と呼ばれています。
有名なLinuxディストリビューションとしては、
Debian
Red Hat Linux
が特に有名で今回、米IBMが買収したのは、Red Hat Linuxである。
4兆円規模の買収
2018年10月28日(現地時間)、米IBMは、レッドハットを買収すると発表
買収金額は、日本円で約4兆円
IBMのジニ・ロメッティCEO(Ginni Rometty)は
「現在、ほとんどの企業はコスト削減のためにコンピューターの処理能力を借りているだけで、クラウドジャーニー(クラウド移行の道筋)の2割までしか到達していない」
とインタビューに答えている。
今後は、基幹系をクラウドに移行するためレッドハットの製品群は、大きなアドバンテージを得ることができると考えていると思われます。
クラウドで遅れを取ったIBM
IBMもクラウドビジネスを展開しているが、未だに大型コンピュータ(メインフレームと言います)など既存事業に収益を大きく依存しているのが実情でクラウドビジネスが進んでいない。
大型コンピュータの事業は縮小してゆくため、クラウド事業への転換を急いでいた。
IBMのクラウド事業は、アマゾン、マイクロソフト、グーグルのクラウドに大きく遅れを取っていて
「IBM Cloud」は、米調査会社のガートナーによると市場シェアは世界5位、2%程度
ここから巻き返すのは非常に厳しいと判断、自前のクラウドではなく、他社のクラウド上で動作するアプリ、ミドルウェア(中間で動作するソフトウェア)で勝負
クラウドで大きなシェアを取っているRed Hat Linuxを買収し、AIシステム「Watson(ワトソン)」をはじめビジネス・ソフトウェアを伸ばそう!
と考えての買収と考えられています。
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銀行もクラウド
業務システム全般をクラウドに移行する企業が増加しています。
銀行もまるごとクラウドに移行しようとしていて
ソニー銀行
パブリッククラウドサービスで動作する富士通の勘定系システムの導入に向けて具体的な検討に入る。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
「Amazon Web Services(AWS)」でクラウドファーストの方針を打ち出す。
米国では、金融業界は、積極的にクラウド化を推し進めています。
また、システム構築も従来のような開発ベンダーに外注するのではなく「内製化」に向かっています。
目まぐるしく変化する金融テクノロジーに対応するためには、
自社でシステムを構築しないと間に合わない
状況に追い込まれています。
とするとIBMのように従来のコンピューターを買ってもらってシステムを構築するというようなビジネスは、縮小すると考えられています。
そこでクラウドのOSを配布している企業を取り込み、クラウドに対応
という方針を急ぐ必要があるわけです。
仁義なきクラウド戦争とマルチクラウド
アマゾン、マイクロソフト、グーグルは、クラウド戦略を明確にして
3社の戦いが続いています。
オラクル社も自社のデータベースを武器にクラウドに参戦していますが、この3社との差が大きく開いています。
この先、自社のサーバーを保有するという時代は、なくなることでしょう。
メンテナンスにかかるコストや、システムの入れ替え等にかかるコストが削減
クラウドの提供しているAIやツール、パッケージを使用するというのが
あたりまえの世界となると予想されています。
そのときIBMは、中心にいられるかどうか、これからが勝負かなと思っています。
レッドハット買収は、自社のクラウドにこだわらないマルチクラウドを目指すIBMの意志の現れでしょう。そう考えると、オフィス(エクセル、ワードなど)を持っているマイクロソフトは、かなり有望な気がします。
まとめ
クラウドを握るものが、ITの世界を制すると考えられています。
アマゾンやグーグルが、EchoやHomeなどのスマートスピーカーを家庭に持ち込むことに成功しつつあるのも、強力なクラウドとAIを持っているからです。
世界中のデータがクラウドに集約される日が近いかも知れません。
クラウドを巡って
果てしなく続く 仁義いなき戦い
我々は、ただ、映画を観るように傍観者でしかないのでしょうか?
参考記事
追い込まれた古豪IBM、4兆円買収で蘇るか
日経XTECH
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/111300080/111300001/?P=1
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