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IT小僧の時事放談

音楽学校だけではなくスマホからも補償金を徴収しようとしている。日本の音楽メディアの移り変わりと権利団体の話

これだけは知っておきたい「著作権」の基本と常識

昭和な自分にとって音楽メディアの媒体が目まぐるしく進化したのを目撃してきました。

企業は、時代の流れに乗らないと商売ができないわけですが、時代の流れに対して自己変革ではなく利権を利用して生き残っている団体があります。

今回のIT小僧の時事放談は、
音楽学校だけではなくスマホからも補償金を徴収しようとしている。日本の音楽メディアの移り変わりと権利団体の話
と題して
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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メディアの変遷

昭和の時代、音楽の中心は、レコードでした。
その後、音楽媒体は、劇的な変化をしながら ストリーミング再生へと移っていきました。

  1. レコード
  2. カセットテープ,トラック(8トラック・カートリッジテープ)
  3. CD
  4. MD 
  5. ハードディスク、メモリーカード
  6. ストリーミング

媒体が変わるタイミングは、いつも新しいハードウェアでした。

カセットテープ

カセットテープ流行ったのは、
SONY WALKMAN(ウォークマン)でした。
これは、革命的な発明で音楽を持ち歩くという文化が形成されたのです。

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デジタル革命

1990年後半、デジタル革命勃発
MDという新しいメディア登場
日本の家電、音響メーカーが激しいシェア争いを展開

ところがMDではなく、その先を行く メモリーのオーディオプレイヤーが登場します。
1998年に「mpman」(Samson)が登場
音楽プレイヤーの主導権が日本から海外へと移りはじめます。

米国のRio、シンガポールのCreative、韓国のMpio、iRiver、iAUDIO
日本も 1999年にソニーから「メモリースティックウォークマン NW-MS7」が登場しましたが
著作権の問題で音楽を導入するのが面倒で扱いづらくデジタルプレイヤーの主導権を取り戻すことができませんでした。

日本が、権利関係の問題でモタモタしている間に

アップルコンピュータから決定的な機種が登場
2001年10月24日年iPod発表

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iPod+iTunesで勝負あり

アップルコンピュータは、iTunesという音楽販売管理ソフトウェアとiPodという
優れたパッケージとデザインに優れ、使いやすい、そしてたくさんの音楽を持ち運べるというiPodで音楽業界のトップに駆け上がります。

iPod+iTunesという優れたソフトウェアとハードウェアのパッケージは、ハードウェア至上主義で著作権団体の時代遅れな対応しかできない日本では、絶対に生まれない サービスでした。

アップルコンピュータは、iTunesで1曲99セントという価格破壊の曲販売を行い

「違法ダウンロードさせないように安い金額で曲を販売」

という逆説的論法で解決を図り、違法ダウンロードを減らすという流れを構築しました。

スティーブ・ジョブズは、iTunesがWindowsに対応したことを発表するイベント内で「われわれは違法ダウンロードと戦う。訴えるつもりも、無視するつもりもない。競争するつもりだ。」と発言

「違法ダウンロードと競争」
音楽に革命を起こしたジョブズは、ただもんじゃないよ

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音楽の主導権を奪われた日本

WALKMANで世界を制したソニーは、CDからのリッピング(デジタルデータ変換)を無制限に行われるのを阻止するために開発されたソフトウェアで2005年に著作権のコントロールで大きな問題を起こしました。

2005年10月
アメリカ合衆国のソニーBMGミュージックエンターテインメント(現:ソニー・ミュージックエンタテインメント (米国))の音楽CDに採用された米SunnComm Technologies製ソフトウェアに、マルウェアであるrootkitが含まれていた。
ウィキペディア抜粋

音楽CDにマルウェア(ウィルスのようなもの)を同封してパソコンにインストールしてしてしまいました。

これが、致命的でCDは、返品騒ぎ、Amazoneも代金を返金しています。

アップルコンピュータは、曲を安く販売
ソニーは、違法コピーを取り締まろうとした結果の敗北であった。

これは、日本が音楽プレーヤーで完全敗北した象徴的な事件でした。

2000年代の音楽配信は、ダウンロード販売が主流となります。

ITunesに国内の曲を提供せずに自社でダウンロードサイトを構築していたレコード会社は、あまり商売にならずに敗北

結局、iTunesに曲を提供することになったのです。
最後まで抵抗していたソニー・ミュージックも今では、iTunesで曲の販売をしています。

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Spotify

2008年10月に欧州、スウェーデンからSpotify(スポティファイ)というサービスが登場

iTunesのダウンロード販売と違い

無料のSpotify Freeと月額制のSpotify Premiumを用意して
「聴き放題サービス」を展開
無料のSpotify Freeは、曲順が固定で数曲おきにCMを入れるという収益モデルを構築

このサービスが世界中で大ヒット!

しかし! 日本は、またもや著作権団体とレコード会社が反発
2016年まで日本では、サービスが許可されなかった。

しかし、この聴き放題というサービスの流れを止めることは、できず、数多くの音楽配信サービスが登場

Spotify
AppleMusic
Google Play Music
Amazon Prime Music
AWA
LINE Music

携帯電話会社からも似たようなサービスを出していますが、上記のサービスには及ばない状況です。

Spotify
ダウンロード

Google Play で手に入れよう
AppStoreで入手

ダウンロードからストリーミング

日本では、2000年~2010年にかけてガラ携という高機能携帯電話で音楽を聴くというのが大流行しました。

最初は、「着メロ」という着信音からはじまり、音楽をダウンロード販売するという商売が大盛況
いわゆる、コンテンツプロバイダーと呼ばれる企業の登場です。

コンテンツプロバイダーは、音楽をレコード会社から借受て自社でサイトを構築しダウンロード販売を行いました。
ダウンロード販売された曲に対してレコード会社に料金を支払うというビジネスです。

コンテンツプロバイダーは、音楽だけではなく、書籍、動画と幅を広げ、収益を上げていました。
当時の収益のほとんどが、ガラ携とよばれる携帯電話です。

この商売、2007年にiPhoneの登場とともに衰退してゆきます。
スマートフォンの登場でガラ携が、減少しました。
スマートフォンでダウンロード販売すればという話ですが、

iPhoneは、アップル社のiTunes以外、事実上配信不可能

コンテンツプロバイダーの入り込む余地はありません。
一方、Androidは、国産Androidのできが悪く、普及しない。

そして、ガラ携は、徐々にスマートフォンに置き換わり。
トドメが、Spotifyをはじめ、「聴き放題サービス」の普及で

ダウンロード販売の終焉

となりました。

そうです。
時代は、ストリーミング配信という聴き放題でダウンロードが必要のないサービスが主流になりました。
ストリーミング配信で数千万曲が、月々1000円程度で聴き放題ならば、

一曲、数百円を払ってダウンロードなどする人などいない!

コンテンツプロバイダーと呼ばれる商売の終焉が近づいています。

とここまでが、日本での音楽メディアの流れです。

CDは、握手券のオマケとなり、CDで曲を購入する人は激減
頼みのインターネットでのダウンロード販売も事実上終焉

音楽の著作権料を徴収していた団体は、売上の大幅なダウン

ついに街に流れる音楽や音楽学校からも著作権料を徴収するという手段に出ました。

街から音楽が消え失せたこととTVの音楽番組がなくなったため、音楽に触れる機会が減ってしまいました。

さらに、音楽が売れない時代に突入しました。

スマホの販売に対して「補償金を載せる」

著作権法30条2で、録音や録画に対して、著作権者への補償金の支払いを義務づけています。
「私的録音・録画補償金制度」と言われる制度で

2018年10月23日、文化庁において、
「文化審議会著作権分科会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会(第4回)」

の会合が開催されました。

「私的録音・録画補償金制度」は、1993年6月から実施
DAT(デジタル・オーディオ・テープレコーダー)
DCC(デジタル・コンパクト・カセット)
MD(ミニ・ディスク)
CD-R、CD-RW(オーディオ用)
などが対象となっていて、販売時に補償金が内包されています。
CD-Rは、データ用と音楽用が別れていて音楽用が高価なのはこの補償金が上乗せされているからです。

この補償金は日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会などに分配

ところが、上に上げたメディア
もう使っている人って 少ないですよね。

時代は、「所有(もの、ダウンロード)」から「サブスクリプション」というストリーミング時代なので
補償金が発生するめちゃくちゃ減っているのです。

私的録音補償金の管理団体である私的録音補償金協会(sarah)によれば
平成28年度の私的録音補償金 49,089,158円
平成29年度の私的録音補償金 37,230,881円
平成30年度の私的録音補償金 22,000,000円(見込み)

上記参照データ
私的録音補償金協会(sarah)
http://www.sarah.or.jp/

情報公開のページ参照
http://www.sarah.or.jp/info/info25.html

平成28年、平成29年度 私的録音補償金
http://www.sarah.or.jp/info/jigyouhoukoku.pdf

毎年、1千万円ずつ減少しています。
このままだと2年後には、0円ですね。

そこで、考え出したのが

「スマホからも補償金を徴収しよう」

という考えです。

「パソコンユーザーの21.4%が音楽を私的複製しているというデータがある。また、スマホユーザーであれば、14%が私的複製しているという。日本では年間3000万台のスマホが出荷されている。3000万台に14%をかけた480万台分の補償金を回収できる可能性があるのではないか」
会議の参加者より抜粋

よく考えて下さい
ストリーミングは、コンテンツのコピーなどはできません
つまり、私的複製には当たらないわけです。
そして
ストリーミングサービスは、著作権者に対して、契約によって、適切な著作権料が払われています。

そこに

「スマホからも補償金を徴収しよう」

という考えをひねり出すという、凄いことを考えたものです。

さらに

画面操作を録画できる機能がOSに盛り込まれているが、これは
「私的複製できる」

※iPhoneの標準機能です。

なんでしょうか?
この考え方は・・・
スマートフォンで音楽を聞かない人からも徴収するということになります。

これ以上は、言うまい。

誰が交渉するのか?

日本のスマートフォンは、iPhoneと海外メーカーのAndroidの上陸で、事実上敗北しています。
SHARPは、すでに親会社が日本企業ではないし、Xperiaも販売台数で終わっています。

そんな、状況で海外メーカーに対して
「スマホからも補償金を徴収しよう」
って誰が、交渉するのでしょうか?

アップルは、100%拒否すると思います。

サブスクリプションは「聴く権利」

月々支払うサブスクリプションという契約形態が主流になっている今
ストリーミングは、きちんと著作権が守られる状況になりつつあります。

著作権団体の考え方を変えなければ、音楽にふれる機会が消えてゆくことになるかも知れません。

昭和の時代で頭が停止している人が引退でもしない限り、日本の音楽産業は、衰退してゆくことでしょう。

まとめ

スマートフォンから補償金は、さすがに無理だと思いますが、こんな話が出ること事態、疑問ありです。

言ってみただけかも知れませんが、公式な場でそれなりの立場な人は、気をつけた方がいいかも知れません。

天下りの団体も増え続け、利権に群がる人が、引退しない限り、時代に置いていかれるばかりです。

このブログでは、特定の団体や個人を避難しているわけではないですが、こんなことが文化庁で話されている状況では、この先のデジタル社会の日本は、希望がないような気がしてきた。

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