スマートフォンは、消耗品である。
以前、このような記事を書いた記憶があるのですが、どうも風向きが変わってきたようです。
今回のIT小僧の時事放談は、
スマートフォンは、修理して長期間使う時代になる
というお話です。
小難しい話をわかりやすく解説しながら記事にまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
修理する権利
2019年にこのような記事を書きました
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iPhoneのバッテリー交換ができるようになったのは、米国の修理屋さんの運動からはじまった。「修理する権利」を勝ち取るまでの話
最近、街のあちこちで「iPhone修理受付ます」というような看板を見かけることが多くなってきました。 Appleは2019年2月28日から、他社製修理部品使用による有償修理サポート対象として、iPho ...
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米国 オハイオ州で電子機器のリペアショップ「iOutlet」という店のオベルディック氏は、ネブラスカ州の州議員に
「Right to Repair(修理の権利)法案」
を提出しました。
つまり それまで iPhoneの修理は、原則 NG しかし、この「修理の権利」のムーブメントは世界中に広がり、慣例を変えるのを極端に嫌う日本でも
「アップル以外の技術者がバッテリーを交換した場合はサーヴィスを提供しない。」
と長い間主張してきましたのですが、法案に屈する形で以下のように決定されました。
「Appleは2019年2月28日から、他社製修理部品使用による有償修理サポート対象として、iPhoneバッテリーを含める方針」
これ以降、iPhoneの修理屋さんが登場してきたわけです。
iFixit
iFixitという会社があります。
iFixit(アイフィクスイット)は、カリフォルニア州サンルイスオビスポの電子機器に関する修理情報や修理パーツや修理用特殊工具の開発及び販売を手がけるベンチャー企業。オンラインマニュアル生成サービスDozukiを提供する。話題の電子機器が発売されるといち早く分解し、内部の構造や使用部品を分析して10段階の評価で修理しやすさ(数字が高いと修理しやすい)や推定の原価を公開する事が恒例となっている。
iFixit
https://jp.ifixit.com/
スマートフォンに詳しい方ならば、発売されたばかりのiPhoneなどを分解して内部構造を発表したりする会社として名前を聞いたことがあると思います。
このiFixitという会社のホームページには、このようなコメントが掲載されています。
修理は自由な行為です。
買ったのなら、所有しているはずです。それ以上も以下もありません。私たちは好きなように使い、改造し、修理できる権利を取り戻すために働いています。この修理する権利を保守していきましょう。
そうです。自分で購入したものを修理させないという権利はどこにもありません。
日本ではあまり自分で修理しないと思いますが、欧米、特に米国では、修理に出すのに近くに店舗がないなど 地域特性もあるのでこのような 自分で修理する という文化が根づいています。
その修理方法について iFixitという会社は、修理方法、修理に使う道具を販売しています。
Google pixel
Google Pixel というスマートフォンは、最近になって5年間のアップデート(OSは3年)を行うことを宣言しました。
Pixel 6、アップデート保証期間は5年間に。ただしOSアップデートは3年間
「米国の Google ストアで対象デバイスの販売が開始されてから少なくとも 5 年間、Google Pixel のアップデートが提供されます。」
「Google Pixel のアップデートには、Google Pixel のセキュリティ アップデートが含まれ、新機能やその他のソフトウェア アップデートも含まれることがあります。」
Google Pixel にソフトウェア アップデートが提供されるタイミング
つまり、5年間は、セキュリティアップデートがあるのでつねに最新のPixelを使うことができるよ!
というわけです。
これは、数年でアップデートが数年で終わってしまうAndroid端末としては、画期的なことです。
一方、iPhoneの場合、長期間にわたって OSのバージョンアップが行われるので やっと Androidの世界でもiPhoneに近づいてきたということになると思います。
※ただし これは、Google Pixelという特殊な例で 他のメーカーは、長くて3年程度、しかもセキュリティアップデートもままならないというところが多いということに注意が必要です。
しかし、ソフトウェアが5年保証されていてもハードウェアの故障やバッテリーの劣化は、起こるわけです。
壊れたら修理
先にあげた修理&修理サポート会社の iFixit とGoogleは、正式に修理に関してコメントを発表しました。
iFixitとGoogleはPixel純正パーツの提供プログラムを立ち上げました。
2022年後半より、iFixitはGoogleと連携してPixelフォンの純正パーツを販売することになりました。 詳しくはGoogle公式の英語ブログ記事よりご確認ください。
私たちは、初代Google PixelモデルからPixel 5まで各モデルの手順ごとにまとめられた修理ガイドを無料で公開しています。そしてPixel 5a、6、および6 Proモデルの修理ガイドについては鋭意作成中で、近日中に公開予定です。
iFixitストアで取り扱う予定のGoogle Pixel 公式パーツはバッテリー、ディスプレイ、カメラなどを含み、一般的な修理に必要なパーツが揃います。単品だけでなくドライバービットからスパッジャーまで、Google Pixel の修理に必要なすべてのツールも加えた修理キットも合わせて販売します。
修理に関する情報だけではなく、Google Pixel 公式パーツと修理に必要なすべてのツールも加えた修理キットの販売も発表されました。
iPhoneの修理動画
国内では、amazonで購入することができます。
Ifixit Essential Electronics Toolkit エッセンシャル ツール キット スクリーン バッテリー 工具 セット(並行輸入品) [並行輸入品]
しかし、日本ではどうでしょう?
iFixitの米国、英国、カナダ、オーストラリア、EUストアにおいて、Pixel 2からPixel 6 Pro、および将来発売されるPixel新モデル用のPixel純正スペアパーツを上記対象エリアのifixit.comストアから購入できます。
記事には、日本が含まれておりません。
工具は、amazonで入手できますが、日本では、Google認定修理業者に頼んだほうが良さそうです。
Google Pixel の認定修理担当パートナーを探す
Googleの修理する権利への積極的な取り組みは、今後 他のメーカーも同調する可能性があります。
Googleは、このiFixitの協力により
修理支援を拡充しながらテック業界をリードする企業リストに加わりました。
Manufacturers are Joining the Fight for Repair
欧米の社会で積極的に動き始めた 「修理する権利」は、日本でも広がってゆく可能性があります。
まとめ
iPhoneの場合、AppleCareという修理への保険のようなものがありますが、非常に高価です。
また、バッテリーの劣化は、iPhone、Androidとおなじように使えば使うほど劣化します。
そのため 長期間使うためには、バッテリーの交換は必須となるでしょう。
最近は、店舗にいかなくても修理をしてくれる業者がありますので利用することも便利になりました。
これからは、スマートフォンは、2年毎に買い替える時代ではなくなりつつあります。
そういう意味でiPhoneもAndroid端末も修理業者の確認と修理そている間の予備端末を準備捨て置くことをオススメします。