デジタル庁が、ものすごく立派なオフィスを構えることになりました。
そのオフィスに見合うだけの仕事ができればよいのですが、日本のデジタル技術の現場をみるとこんな状況です。
国際経営開発研究所(スイス 略称:IMD)が2020年にで発表した世界デジタル競争力ランキング
1位:米国 2位:シンガポール 3位:デンマーク 4位:スウェーデン 5位:香港
そして日本は、27位だった。
所詮、たかが国際研究機関のの評価に過ぎないと言えばそうなんだけど これで大丈夫なんでしょうか?
今回のIT小僧の時事放談は、
デジタル人材 企l特別な処遇をしている企業が2割以下 経団連所属企業の実態と片山さつき議員の話
と題して 人材不足なのに人材を大事にしていない日本企業について考えてみよう
最後まで読んでいただけたら幸いです。
目次
IMDの内容
冒頭での国際経営開発研究所での日本の評価ですが
順位:27位
評価内容を細かく見てみましょう
知識部門(22位)、高等教育の生徒当たり教師数(1位)、技術部門(26位)、モバイルブロードバンド利用者数(1位)、将来への準備度部門(26位)、ソフトウエア著作保護(2位)
ところが、以下の3項目で最下位というランキングとなっています。
知識部門のビッグデータ活用(63カ国・地域 最下位)
将来への準備度部門のデジタル人材のグローバル化(63カ国・地域 最下位)
企業の変化迅速性(63カ国・地域 最下位)
ビッグデータ、デジタル人材のグローバル化、企業の変化迅速性という3項目ですが、外国にエンジニアが出ない、変化を好まないという状況がこの順位を表しています。
人材は不足している?
人材は不足している と、経団連は、騒いでいます。
デジタル人材が2030年に45万人不足とか、社内エンジニアの確保に必死になっているとか、DX推進 そしてデジタル庁
ワード(言葉)は、多く出てきていますが、実際は、どうなんでしょうか?
新型コロナ、オリンピック関連で表面化したシステムの問題点、みずほ銀行などのトラブル、東京証券取引所の停止問題、国内クラウド業者の不手際 ここ数年で多くのIT関連の問題が話題になりました。
これらの要因の多くは、中抜き業者の横行、エンジニアの多重派遣、低賃金で働くエンジニア、昭和脳の経営者達、ITは予算を食いつぶす穀潰しのように言われて予算削減
などなど 多くの問題点があると思います。
しかし、本当の問題点は、デジタル人材の処遇に問題があると提案している政治家がいます。
片山さつき議員のコメント
参議院議員の片山さつき氏は、自民党デジタル社会推進本部にあるデジタル人材育成・確保小委員会で委員長を努めています。
日経XTECHで以下のように述べている。
日本のデジタル人材の現状について片山氏は「IMD(国際経営開発研究所)のデジタル競争力ランキングが落ち続けており、2020年には27位だった」と述べた。日本のデジタル人材が2030年に45万人不足するという試算を併せて紹介した。
企業のデジタル人材に対する処遇における課題についても指摘
デジタル人材について経団連の加盟企業にアンケートしたところ、デジタル人材の処遇について「特別な処遇をしているところは回答企業の2割ちょっとしかなかった」(片山氏)という。デジタル人材の所在についても「7割がベンダー側に偏在している。日本の一般企業に根差していないことの表れだ」(片山氏)と話した。
巻き返しに向けてはデジタル人材不足の解消が欠かせず、「今後5年間で175万人のデジタル人材を育成する」と意欲を見せた。
そして 育成について、「アーキテクト」「データサイエンティスト」「サイバーセキュリティスペシャリスト」「エンジニア」「オペレーター」と分類しそれぞれ 専門的な教育が必要で必要な人数を具体的にコメントしている。
エンジニアとオペレーターは「年30万人、5年で150万人育成したい。この分野の人材については、かなりの部分が既存人材のリスキルでまかなえると言われている」
リスキルとしては、企業内の人材や公務員を再教育したり、仕事を無くした人が職業訓練校でスキルを取得できるようにしてハローワークで再就職を支援したりする取り組みを想定する。一連の取り組みにより、今後5年間で官民合わせて175万人のデジタル人材育成を目指す。
さて、人材育成については、片山さつき議員をはじめ教育関連の仕事ですが、IT小僧は、この言葉に引っかかった。
デジタル人材について経団連の加盟企業にアンケートしたところ、デジタル人材の処遇について「特別な処遇をしているところは回答企業の2割ちょっとしかなかった」
このことについてちょっと考えてみよう
人材はカネが貰えるところに集まる
IT小僧が、この業界で仕事を始めた頃 コンピュータエンジニアは、一般職と比べて多少ですが給与が高かったと記憶しています。
その後、転職をしてステップアップする毎に給与が上がっていきました。
※今は、かなり楽な仕事なのでかなり下がっていますが・・・
出向という仕事形態で大手コンピュータ企業で仕事をしていたときは、会社には、人月で150万円ぐらい支払われていたときもありました。
日本でも数十年前は、コンピュータエンジニアは、給与が高かった時期があったのです。
しかし、今や 元締め(SIer)以外のエンジニアは、中間業者に中抜されその仕事量に見合った給与をもらっていない人が多いのです。
先程の記事で気になったところを見直すと
デジタル人材について経団連の加盟企業にアンケートしたところ、デジタル人材の処遇について「特別な処遇をしているところは回答企業の2割ちょっとしかなかった」
つまり、専門職であるデジタル人材に対して 「特別な処遇」をしていない企業が多いわけです。
経団連という大手企業でこの状況ですから、中小は、「特別な処遇」などないでしょう。
一般職と同じ待遇がどうのというわけではありません。
能力があるデジタル人材に対しては、「特別な処遇」をしない限り 「能力があるデジタル人材」など来るわけがないし、デジタルな人材など目指す人もいないだろう。
横並びの給与体系で特別な能力を持つ人に「特別な処遇」を与えない 昭和脳の経営者が存在する限り いつまでたっても人手不足で人材不足が続くだろう。
現在、デジタル人材(コンピュータエンジニアも含む)は、優秀な人でも中抜の罠にハマってしまったら抜け出すのが困難になっています。
悪いのは、誰とは言いませんが、中抜き事業が一番儲かるという仕組みにしてしまった 名前は伏せますが、あの元総理大臣です。
彼のもとで名前を売ったあの竹⚪⚪⚪氏は、令和のこの時代に亡霊のように現われて 中抜き事業に励んでいます。
どっちみち厳しい社会になるなら勝負しよう
中抜き事業が儲かるということがわかってしまった以上、その下で働く人は減り続けます。
彼らは、減ったら 外国から人を入れようと虎視眈々と政治家を動かそうとしています。
能力のあるものは、こんなところにいてはいけない。
そして、苦労して身につけた技術を安いカネで彼らを儲けさせてはいけない。
特に若い人は、積極的に外を目指したほうが良いと思います。
それは、何もエンジニアだけではない。金融でも他の職種も同じです。
能力がある人は、給与が高いけどシビアな外資系でステップアップをおすすめします。
厳しい実力社会だけど、勝ち残ったら凄い世界に行くことができます。
または、自分で事業を起こしたほうがよいんではないでしょうか?
多くの企業は、気がついていないのかバカなのか知らないけれど「いつまでも若者ターゲットでは先がない」ということに気がついていない。
バカは、TikTokでもやっていればいいんです。
英語がビジネスで必須となる日も近いと思います。
分断という結果になるけれどできる人とできない人で篩いにかけられる社会になると思います。
大手SIerに入社しても40歳以上でリストラに合う可能性が高いし、それは、エンジニアだけではなく一般職でも大手企業だから安泰という時代は完全に終わります。
中抜きの会社だって40歳以上リストラは、現実味を帯びています。
数十年前、お硬い仕事で安定と言われた 銀行だって大リストラの時代になると誰も予想できなかったと思います。
アフターコロナの日本で生き残れる企業ってどれだけあるんだろう?
そう思いませんか?
まとめ
最後に片山さつき議員のコメントで締めくくります。
デジタル人材育成や教育のために考えている取り組みとして、片山氏は研究者を大学や企業など複数の機関で雇用するクロスアポイントメントと、大学において2つの分野での専攻を可能にするダブルメジャーについて紹介した。片山氏は「大学間で連携をしやすくしたり、機械工学で入学した学生に情報工学も学んでもらったりできるようにしたい」と語った。
国民や自治体職員のITリテラシー強化に向けた考えも明かした。片山氏は「現状では、高齢者に(Webサイトの操作など)ITを使った申し込み方法を聞かれても答えられない自治体の職員がいる。このような現状を変えたい」と述べ、「自治会、町内会、携帯ショップなどにおいて、基本的なITの質問に答えられる人材を育てる。先ほどのデジタル人材175万人とリテラシーを持った人材を合わせて500万人にしたい」と続けた。
「DX人材育成は国策として取り組む。(今までとは)全く違う局面になる。企業の皆さんには期待してほしい」。片山氏はこう力を込めた。