IT小僧のブラック時事放談

全市民の個人情報を扱う案件で契約書などなかった 尼崎USB紛失事件

改訂3版 実践 契約書チェックマニュアル (現代産業選書―企業法務シリーズ)

IT業界には、これまで契約書なし あるいは、契約完了になっていない状況で仕事をしてきた人 多いと思います。

コンピュータ業界では、これまで 契約書が曖昧なっま、プロジェクトを開始したり、口答だけで

尼崎USB紛失事件覚えている人 いますか?

あの事件 契約書などなかった らしいですよ

今回のIT小僧のブラック時事放談は、
全市民の個人情報を扱う案件で契約書などなかった 尼崎USB紛失事件
と題して IT業界にとって 契約書とは・・・について考えてみよう。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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尼崎USB紛失事件

尼崎USB紛失事件について ざっくりと説明すると

2022年6月21日、市役所内のサーバーから個人データを無断でUSBメモリにコピーし、BIPROGY社の拠点へ持ち出して作業した。
同日夜からBIPROGY社社員ら3人と飲酒し、翌22日未明、酔ってUSBの入ったかばんを紛失。 紛失判明から約56時間後、警察官がかばんを発見した。

という事件です。

BIPROGY社というのは、旧日本ユニシスのことである。

BIPROGY社の拠点へ持ち出したのは、社員ではなく 再々委託先の技術者であった。

再々委託先の技術者

再委託社どころか そのまた下の委託業者だったわけです。

このあたり 日本のIT業界の「中抜きの闇」が存在していますね。

もどってきたから 良かった と思う人もいるかも知れませんが、USBメモリーなんて簡単にコピーできますから
鞄から、USBメモリーも取り出し パソコンなどにコピーしていたかも知れません。

コピーが終わったら USBメモリーを戻しておけば

デジタルに疎い日本の警察なんて ただの落とし物扱いとして処理されます。

彼らには、デジタルデータの盗難 なんて 考えもしないでしょう

BIPROGY 調査報告書

2022年12月12日にBIPROGY社は、この事件に関して調査報告書を公開した。
内容を日経XTECHに記事が掲載されていたので確認してみよう

 

契約業務を担っているのが営業部門のため、現場の技術者らは契約の内容を知らず、再委託には尼崎市の承認が必要なことも認識していなかったという。そのために、契約違反を犯していることに全く無頓着だったわけだ。

しかも、事件発覚まで肝心の契約書が存在しなかった。契約締結まで時間がかかるとのことで、尼崎市から指示を受けBIPROGYは契約書なしで作業を進めた。実際に契約書が作られたのは事件発覚後

日経XTECHより 一部抜粋
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00849/00095/

全市民の個人情報を扱うような案件で、契約書がない状態で作業を行っていたということが明るみに出てきました。
IT業界ならば

「そんなのよくあるよ」
「しかも 再々委託だし」

確かに正式な契約の前に、作業に着手する「フライングオペレーション」と呼ばれることは、人月で多重下請けをおこなってきた業界にはよくあることですが、そのため 発注者と受託者の間でトラブルが多数発生しています。

しかも、多重下請けで中間中抜き企業が状態化している状況では、契約書など あるのかどうかすらわからない。

今回の事件も契約書をあとから作成したという状況だったわけです。

こんな状況、いくらでもあるでしょう。
運が良いことに表に出てこないだけで、実際は、個人データの売り買いなど もっとあるはずです。
USBなどにコピーして業者にうれば ちょっとした小遣い稼ぎになりますから

日本のIT業界がダメな理由

これは、簡単です。

政治と霞ヶ関が動いて 多重中抜き企業を取り締まればいいだけです。

下請けが悪いというわけではありません。

いくつもの中抜き業者が、中間にいる限り このような事故は日常的に起こるでしょう。

これをきちんと規制すればよいだけなのです。
なんで 有識者とマスコミはそこを言わないのか?

もうおわかりですよね 癒着、袖の下、忖度 いくらでも言葉がありますが、こういう業者が多数存在している限り、同じことの繰り返しです。

紛争が生じたときは、甲乙協議のうえ

トラブルを防ぐためとリスクヘッジのため契約が必要です。
しかし、契約も曖昧な状況でビジネスが進んでいます。

特にIT業界は、未だに契約書なしで仕事をはじめることが多いのも事実

おそらく、経営者の頭の中には、「かたちにならないものにカネを払いたくない」という意識が未だに働いていると思われます。
さすがにスタートアップを起こすような人は違うと思いますが、

未だに
「システムにカネを払いたくない」
という経営者が多いことは事実です。

またシステム開発案件などで詳細を詰めず

紛争が生じたときは、甲乙協議のうえ、誠意をもって、これを解決するものとする

このような契約書多いと思います。

受注側もこのあたりを曖昧のまま 行うため トラブルが生じた場合、揉めることになります。
そもそも

紛争が生じたときは、甲乙協議のうえ

なんて 誠意をもって 対応するわけないじゃないですか

まとめます

日本人はモラルが高く礼儀正しい

確かに思います。暴動も起きなければ、災害時でも店舗に集団で盗みに入らない?
でもその多くは、他人の目を意識していることの意味合いが大きいわけで、欧米の「自己主張的な意識」が一般化したらこのモラルが保たれるかどうか微妙だと思います。

契約書は、あなたと会社を守るリスクヘッジと思ってください。
そのためには、契約書について学んでおいたほうが得策です。

紛争が生じたときは、甲乙協議のうえ
なんて 誠意をもって 対応するわけないじゃないですか

なんて あたりまえですから お気をつけください。

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