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IT小僧の部屋

この会社はすでに死んでいる 変わらないマニュアル

業務システムエンジニアから金融系エンジニアとして仕事をしてきました。
その後、ネットサービス企業の社内SEとして仕事をしてきました。

現在、定年後の嘱託としてシステムの一部門を専門にサポートし新規開発を行っています。

今回のお話は
この会社はすでに死んでいる 変わらないマニュアル
と題して、マニュアル化を推し進めた結果 何十年も非効率な作業を続けているある会社について記事にしました。

自分の会社も同じかも・・・
と思う人がいると思いますので よければ参考にしていただければ幸いです。

Accessで組まれていた業務システム

今の会社に転職して最初に驚いたことは、
「Accessでシステムが組まれていた」
ことである。

年間 50億以上の売上を伸ばしている企業の業務システムがMicrosoftのAccessだったわけである。
しかも5年以上前に組まれた Access 2003で動作していたのです。

少数で始めた会社がシステム部門など持っているはずもなく、少しITに詳しい人が作成したらしいそのシステムは、複数の社員が同時に使うごとにトラブルを発生、また、ファイルのトラブルも多く、アップデートする前に全部コピーしてから行っていました。

最初に手をいれたのは、このAccessで組まれていたシステムをデータベースを分離しアプリケーションで再構築しました。

同じようにAccessで管理されていたサブシステムをすべてデータベースを分離、アプリ化することで業務のトラブルがほぼなくなったのです。

決済システムリニューアル

携帯電話(ガラ携)を中心にしてきたサービスをスマートフォン対応にするため 決済システムをリニューアルすることになりました。

MySQL + Tomcat + nginx という基本構成で Javaで開発という 当時 もっとも多いシステム構成でした。

システム部の他のメンバーが担当していたのですが、問題多発 というより これまでの業務をそのまま維持するために無駄とも思える機能を追加したために開発が遅れることになった。

担当していたベンダーは、要件定義後に幾度も追加案件を出し、しかも 諸事情でシステム切り替えのスケジュールが変えられなかったためにシステム切り替え後 数ヶ月のトラブルが発生 挙げ句の果てにトラブルを逆手に訴訟に持ち込み賠償金を取るという
「えげつない行為」
をしていました。

さすがにこれに対して経営陣に抗議をしましたが、無視されてしまいました。

これにキレた自分は、決済システムに対して一切関与できなくなりました。

県連記事を以前書いたので参考までにリンクを張っておきます。

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まぁ ブログの記事にするぐらい 呆れると同時に「開発会社」に対して失礼きわまりない会社に未練はなく退社しようと思ったのですが、ある事情のため残ることになりました。

業務システム

決済システムやコンテンツサービスから干された自分は、社内業務システム専任となりました。

業務を担当している人が辞めるとき 「若いスタッフの面倒をみてやってくれ」と言われ、なにかと世話になった人の頼みもあって会社に残ることになりました。

社内業務システムは、2013年にAccessで作成されたいたものを Oracle + C#で再構築されたものでした。

これも保守会社とケンカ別れをした後 自分が面倒をみることになったのです。
中身は、Accessをそのままアプリに置き換えただけなのでSQL分は、めちゃくちゃな状態 それでも動作し続けています。

業務の変更、法律改正などで手を加えてきましたが、さすがに老朽化してきたため 現在リニューアルの再設計中です。

問題は、そこではありません もっと闇な部分があったのです。

ITリテラシーのない経営者

経営者は、正直言ってワンマン社長 ガラ携のときにヒットして莫大な売上をあげたという成功体験をそのままスマホに持ち込みました。
「大きなコネ」もあり ネットサービスは堅調ですが、時代遅れで

「いまどきだれが使うんだ・・・」
というものですが、契約忘れを狙ったサービスは、今も利益を出し続けています。

さて それは、違法でもないのでいいんですが、問題はここからです。

経営者はITに関しての知識が乏しく ネットサービスのトレンドもよく知りません。

社内であげた「新サービスの案件」を次々とボツにして 若手社員のやる気を削いでいます。

せっかく立ち上げた新サービスが数ヶ月利益がでなかっただけで
「自分の給与ぐらい稼ぎなさい」
と言って辞めさせたこともありました。

そのサービスはアイデアが良かったのですが
「これはダメ、あれはダメ」
とアイデアをダメだししたために「凡庸なサービス」となり 結局、担当者が辞めることになったのです。

変わらないマニュアル

さて ここまでを踏まえて やっと本題です。

この会社は、マニュアルが充実しています。

と言うのも定着率が著しく悪いため業務の引き継ぎを簡単にするためにマニュアルがきちんとしています。

まぁ そこは良いと頃なんですが、Excelのマクロや出力ファイルの修正をするだけで 何ステップもの省略できるものを手作業で行っているのです。

例えば 決済システムでダウンロードしたCSVファイルを手作業でカット、マスターデータのExcelと手作業で照合して表を作成
その表から営業会議で使うPowerPointに張り込む

なんて作業を繰り返しています。

他のもExcel上でカット、コピーを繰り返す作業を毎日行ったりしているわけです。

こんなもの 人がやる必要ななく自動化できるのに なぜか しない・・・

一度、Excelで自動化するためのマクロを書いてあげたのですが、結局 マニュアル通りの作業を繰り返す。
つまり、業務の効率化など 「考えてもいない」 わけです。

現場の声を聴くと
「業務手順を変えるとマニュアルを変えるのが大変だから 手作業でいい」

なんて声が返ってきました。

つまり
「何も変えたくない」=「頭を使わなくてもマニュアルがあれば・・・」
というわけです。

まさに「マニュアル化が進みすぎた弊害」と言うべきでしょう。

この会社はすでに死んでいる

上層部やグループの責任者は、面倒な変更をしたくないため
「マニュアルを変えない」という状況

何年も改変されない「マニュアル」が、そこらじゅうにゴロゴロしています。

効率化しなくても利益が出ているわけなので危機感など なさそうです。

それで いいのか?

結局 現場も経営層も何も言わず 古くから改変されないマニュアル通りの運営が続いて行く

まぁ 現場がよければ こちらから何も言わないけど

本当にそれでよいのだろうか?

長年、システムを担当してきた経験から

「この会社はすでに死んでいる」

といっていいのでないでしょうか_

まとめ

数年前「2025年の壁」と言われていましたが、いまでは、そんな言葉さえなかったような状況
DXがどうとか・・・ もはや聞こえてこない。

そればかりか、システム改変して大騒ぎになっている会社もあるので おそらくしばらくは、現状のものをそのまま使うことになるだろう。

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でも それで本当によいのであろうか?

都市伝説ではないけど「昭和100年問題」などのように

いつか致命的な問題がでてきて あわてることにならないのだろうか?

自分が引退するまでできることはやっておくつもりですが、どうなることやら。。。

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