政府は23日午前、首相官邸でマイナンバー制度を活用し、行政のデジタル化を進めるワーキンググループ(WG)の初会合を開いた。運転免許証など国家資格証のデジタル化やマイナンバーカードとの一体化を検討する。新型コロナウイルス対策の教訓を生かし、年内に工程表をまとめる。
2020年6月23日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60667160T20C20A6MM0000/
来年予定されている保険証につづいて免許証もマイナンバーに一体化などと言っています。
方針は、問題ないと思うけど、給付金の申請も満足にできない役人にできると思っているのでしょうか?
今回のIT小僧の時事放談は
政府 マイナンバーカードと免許証など国家資格証の一体化を検討
と題して、マイナンバーについての話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
マイナンバー
今更感もありますが、再度、復習をかねて調べてみましょう
マイナンバー制度3つの目的
1.公平、公正な社会の実現(給付金などの不正受給の廃止)
2.国民の利便性の向上(面倒な行政手続きが簡単に)
3.行政の効率化(手続きをムダなく正確に)
内閣府
https://www.cao.go.jp/bangouseido/
マイナンバーとは行政を効率化し国民の利便性を高め公平公正な社会を実現する社会基盤です。
住民票を有する全ての方に1人1つの番号をお知らせして、行政の効率化、国民の利便性を高める制度です。
地方公共団体情報システム機構
https://www.kojinbango-card.go.jp/mynumber/
笑っていいですか?
内閣府の3つの目的 笑っていいですか?
- 公平、公正な社会の実現(給付金などの不正受給の廃止)
→ これは、よくわからないけど - 国民の利便性の向上(面倒な行政手続きが簡単に)
→ 確定申告くらいしか恩恵なし、国民からカネを取るのは、完璧だ - 行政の効率化(手続きをムダなく正確に)
→ ネットで給付金を申し込んだけど、印刷して目視確認しているらしいじゃないですか・・・
どこが、効率化なんでしょう。
今回、免許証など国家資格証の一体化を検討という案が出ていますが、
「新型コロナウィルスをネタに一気にデジタル化を推し進めようとする魂胆がミエミエですよ。」
反対はしません
マイナンバー制度は、反対はしません。
うまく運用できれば、公務員の削減による、地方自治体のコスト削減に繋がります。
また、データの一元管理をすることで災害等で迅速に対応できると思います。
今回のような緊急時の対応も速やかに給付金を渡すことができるはずです。
ただし、眼にも書いたように「うまく運用できれば」という話です。
お粗末な政府主導のITシステム
これまで政府主導のITシステムは、費用が高価なわりに、トラブルが多い。
e-Japan戦略
IT戦略本部が設立されたのは2001年1月 「5年以内に世界最先端のIT国家を目指す」
森喜朗・前首相が宣言してはじまったe-Japan戦略
ITをイットと呼んでいたあの人である。
人事院 人事・給与業務システム
そのひとつも人事・給与業務システム
2004年 電子政府を目指した、政府の「e-Japan戦略」のひとつのプロジェクトで人事院が、40億円近くを投じて開発してきた「人事・給与業務システム」ですが、試作版の時に「つかいものにならない」と問題発覚
複数の下請け業者が構築した1100万行を超えと言われるプログラムは、ゴミ同然であった。(と言われている)
かかった費用 約40億円
住民基本台帳ネットワークシステム
住民情報が分かれていた全国の市区町村という地方公共団体と都道府県・全国センターを専用回線で結び、住民票の4情報(氏名・生年月日・性別・住所)、住民票コードと変更情報(出生、転居などの異動事由と異動年月日)からなる「本人確認情報」により全国共通の本人確認を可能とする地方公共団体共同のシステム
当初、地方自治体のいくつかが、システムに接続するのを拒否、プライバシー問題で訴訟、住民基本台帳に記載された住民情報を探偵業者に漏洩して現金をもらったなど、システムのトラブルに加えて事件、利権、マスコミによるネガティブ報道などもあったことで、住基カードの普及に失敗(約300万枚程度と言われている)
国民の何も役に立たないシステムになってしまった。
結局、初期の目的を果たせず、マイナンバーシステムが登場することになった。
かかった費用 約1兆円
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マイナンバーは、住基ネットの亡霊なのか?
住基ネット 皆さん覚えていますか? 氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民基本台帳をネットワーク化し、全国共通で本人確認ができることを目標にしたシステムです。 しかし、参加しない自治体が出てく ...
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特許庁の基幹系システム刷新プロジェクト
特許庁は2004年、政府が打ち出した「業務・システム最適化計画」に沿って、特許審査や原本保管といった業務を支援する基幹系システムの全面刷新を計画
日経クロステック
2012年1月に「開発終了時期が見通せない」として開発中止
かかった費用 約55億円
いやはや、人のカネ(税金)だと思って豪快に使っているなぁ
魑魅魍魎な世界にカネを渡すな
政府、役人主導のITシステムは、失敗するものが多い。
そこには、半端ないカネが動いている。
そしてその中心が、ITに関して知見のない人たちが多い
政府、官庁から元請けに発注、中抜きをして下請けに中抜きをしてさらに下請けに
これをいくつか繰り返して、実際にシステムを組んでいる人は、安い収入と厳しい労働環境
元請業者は、誰がシステムを組んでいるか知らない場合が多いだろう。
こんなことを延々と繰り返している日本のIT業界
「なんらかのつながりのある」魑魅魍魎な企業が請け負っている限り、日本のIT業界に未来はない。
巨額なカネを使って使えないシステムを構築して税金をかすめ取るやつらには、ウンザリだ
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マイナンバーカードの普及・利用促進だけで約1800億円要求 2020年度の概算要求 IT関連で約5000億円
2020年度の国家予算に関する概算要求が、まとまった。 総額 104兆9998億円 過去最大の要求金額です。 そのうちIT関連は、約5000億円 その中で マイナンバーに関わるもので約2100億円とな ...
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新型コロナウィルス給付金騒動
新型コロナウィルスの給付金で急遽浮上してきたマイナンバー
オンラインで登録すれば、早く支給されると、マイナンバーを求めて役所に詰めかけたことがニュースになた。
そのオンラインシステムは、申し込みされたものを目視で確認して対応するというアナログ的なs業を生むだけでマイナンバーなど意味を持たないも同然であった。
結局、オンライン停止、郵便に切り替え他自治体が多い、最終的に手作業だたっため、数週間、一ヶ月近くかかっても振り込まれないところも多い。
※さいたま市などは、郵便が届いたのが6月という体たらく
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マイナンバーと銀行口座が紐付けされても特別定額特別が早く振り込まれない理由
みなさんのところに10万円の特別定額特別給付金は、支給されましたでしょうか? IT小僧が住んでいる自治体は、6月9日に郵送で申込書が届き、6月10日に投函しました。 2020年4月20日 特別定額特別 ...
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このような失策にも関わらず、マイナンバーに銀行口座を紐付けるとか、免許証を内包するとか言っていますが、
これまで失態続きの政府+お役所主導のシステムなんて
みなさん、できると思いますか?
鳴り物入りでアップデートされた「接触確認アプリ」も不具合が出ているようです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60669590T20C20A6CE0000/
普及のチャンス!
なかなか 普及が進まないマイナンバーカードについて新型コロナウィルスの給付金は、
追い風
と考えているかもしれません。
そして、一気に、保険証(来年)、口座番号の紐付け、そして免許証へと一気に進みそうです。
でもそれって、国民が便利に使えるものなの?
個人的な意見ですが、口座などが紐づくことでもっとも恩恵を受けているのは、税務署ではないのですか?
まとめ
マイナンバーについては、当ブログで何度か話題にしてきました。
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マイナンバーカード(個人番号カード)の最後の普及活動 「デジタル手続法案(行政手続オンライン化法改正案)」を閣議決定
せっかくつくったのに、ほとんど活用されずに腐ってゆくシステム 身の回りにありませんか? そう「マイナンバー」です。 「住基カード」が亡霊のように蘇ってきた「マイナンバー」 そのマイナンバーに関する法律 ...
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そこには、利権が渦巻く魑魅魍魎たちが、税金を貪っているような気がしてならない。
彼ら(利権に群がる人たちと魑魅魍魎達)にカネ(税金)をはらうのではなく
優秀な企業や団体の優秀エンジニア達に潤沢なカネを渡して
「すげぇ システム」を構築してほしいものだ
IT小僧には、開発先の選択権がある「利権を持っている人」が、ITに対する知見があるかどうかわかりません。
少なくても、ITをイットと読んだり、パソコンを触ったことのない人が決定権を持っていないことを祈ります。
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