昨年から景気後退が囁かれてきた日本経済
消費税増税でさらなる景気悪化を招いたところに新型コロナウィルスというさらなる景気悪化の逆風が吹いている。
そのなかでIT業界は、好調である。
正確に言うと、テレワークに関係するところと教育関係だけ好調と言えよう。
それ以外は、どうなるのだろうか?
今回のIT小僧のブラック時事放談は、
IT業界の黒歴史が再びやってくるのか? 下請け、派遣切りまであと数ヶ月?
と題して、ITバブル崩壊の悪夢再び というお話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
御足・御銭(おあし)
カネを使う人、企業が増えればカネが世の中を循環して景気が良くなります。
これは、豊臣秀吉とそのブレインたちが、天下を取るために編み出した錬金術です。
詳しくは、歴史書をみればわかりますが、カネが人々の間を動かなければ、景気は悪化します。
よくお金のことを「御足・御銭(おあし)」といいますよね
御足・御銭(おあし)の意味
※お金はあたかも足が生えているかのように行ったり来たりすることから、お金を「足」にたとえ、女房詞なので接頭語の「お」が付いて「お足」となった。
景気回復は、このお金の循環にかかっているのです。
ですから、政府は、いいか悪いかは置いておいて、
10万円を配布したり、旅行代を援助、テレワーク資金の提供
なんてことをやったり、金利を下げることで「カネを貯めるより使え」という施策を行っているのです。
ところが昨年の消費税から新型コロナウィルス、オリンピック延期(中止の可能性も)などで一気に景気悪化となると考えられています。
V字回復なんて言う評論家もいますが、はたしてそうなるでしょうか?
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好調なIT一部の企業
IT企業が好調です。
富士通、NECをはじめ、新型コロナウィルスの影響でテレワークに関する案件で絶好調
昨年までリストラを繰り返してきた富士通、NECは、域を吹き返しました。
テレワークをきっかけに、一気にデジタル化を推し進めている企業も多く、中には、完全テレワーク化に移行し、高価なオフィスから必要最小限のオフィスに引っ越すというところも出てきました。
賢い選択です。職種によってですが、会社に出かける必要などない仕事もあるのです。
テレワーク関連が好調なおかげで
2020年5月度の三大都市圏平均時給は1,585円、前月比+10円・0.6%増、前年同月比+2円・0.1%増と、24ヶ月連続で前年同月比プラスを記録しています。
エン・ジャパン
「時給上昇の要因は、テレワーク導入に向けた環境整備を進めるべく、IT系職種の募集をする企業が続出したため」
エン・ジャパン
要は、時給を上げないと人を雇えないという「売り手市場」が形成されています。
なら、IT企業は前途洋々、心配のかけれすらないでしょう。
と思うのですが、どうもそうでもないらしい。
まずは、好調な企業をみてみよう
絶好調
新型コロナウィルスで飲食、サービス、旅行関係が最悪な状況でIT企業は絶好調
数字は、正直である。
NEC
2020年5月12日に発表した20年3月期連結決算は売上高が目標より1年前倒しで3兆円突破、純利益も前期比2.5倍の999億円で23年ぶりの過去最高益を記録
富士通
2020年5月14日に発表した連結決算では、営業利益が前期比約1.6倍、純利益も約1.5倍
大量リストラの効果?
2年ほど前から、大量死ストラを実施してきたIT企業がV字回復をみせています。
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日本電気(NEC)グループ 社員を約3000人削減 45歳以上の人は用済みなのか? | NEC ジョブ型導入を目指し事業体制を改革
「人手不足の大合唱」をしている政治家や企業は、より「安い労働力」をもとめて海外から人を入れようとしています。
一方、企業は、コストのかかる45歳以上の人材を「早期退職者」という名目で会社から追い出しています。続きを見る
なんだ安心安心! とうぶん仕事はあるしまだ伸びるだろう。
本当にそうですか?
派遣切りなどない?
ITのは兼業会は、3ヶ月で更新する企業が多い。
2020年7~9月の3カ月の契約は、5~6月に知らされます。
新型コロナウィルスの影響で政府のシステム案件が増え、テレワーク導入もまだ続くでしょう。
新型コロナウィルス前から続いている案件もあるので、後半年は、問題ないという派遣会社の担当者もコメントしています。
引退間近のIT小僧のところにも「金融系システムの案件」が来るくらいですから(笑)
人手不足もここまで来たか
と感じるばかりです。
一番早く悪化して一番遅く回復する
IT業界は、景気に左右されやすい業界です。
景気が悪化すると最初に予算削減、そして景気回復の最後に予算増加
となります。
ところが、今年は、テレワークという追い風で、景気悪化の最初にIT業界は好景気を迎えました。
そのテレワーク、システムが動き出し一段落したら、その後の案件はどうなるでしょうか?
c通称企業がテレワークに踏み切ったところの多くは、助成金があったからで、それがなければ厳しい状況です。
そして、現在、製造業の派遣切りがおこなわれています。
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企業の本音は、経団連会長のコメントにあり
雇用が怪しくなってきました。 インチキな経済指標や日銀砲とも呼ばれる市場介入で「景気がいいをでっち上げ」、「消費税を上げる」ことから一歩も動かない政治家や企業の人達 その一方で 野村證券が、7年ぶりに ...
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日本の主産業の自動車産業が、雲行きが怪しくなってきました。
「終身雇用の崩壊で長期ローンは、絶望的」になってくることは明らかでそうなった場合、不動産業界は大きな痛手となります。
25年ローンなんて、45歳ぐらいでリストラが増える状況で組めるわけなどありません。
不動産、自動車産業、金融、そしてインバウンドが壊滅した観光、航空会社とヤバそうなところところがたくさんあります。
IT業界は、景気に左右されるので一気に案件がなくなるかも知れません。
ITバブル崩壊とリーマンショック
IT小僧は、ITバブル、リーマンショックと経験してきました。
ITバブル崩壊は、多くのIT企業が消えてしまいました。
もともとITバブルは、虚業がおおかったのでWebページだけで数百万の仕事などあったので「崩壊するのは目に見えていました」
リーマンショックは、金融エンジニアでであったIT小僧は、大きなダメージを受け、転職せざる得ませんでした。
数千万、数億の案件が、一瞬で消えてしまったのです。
それぞれ、突発的な状況なので景気云々より、事案勃発後に一気に下降線をたどりました。
その影響が顕著に出てきたのが約半年後です。
新型コロナウィルスの問題がピークになったのが、4月とすれば、10月に大きな下降トレンドが来ても不思議ではないのです。
「一番早く悪化して一番遅く回復する」と話してきたのは、あくまでも通常時です。
ところが、突発的な事案が派生した場合、ITバブル崩壊やリーマンショックと同じように
約半年後にIT業界は、大きな転機を迎える可能性があります。
それが、良い方向なのか悪い方向なのか?
半年後、どうなっているか 全く予想ができません。
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まとめ
ここまでの話は、IT小僧の個人的予想です。
ワクチンが開発され、劇的に感染者が消え、通常通りの社会が戻る。
景気は、V字回復をして、雇用も改善される。
というシナリオもあると思います。
しかし、ITに関わる仕事は、いつ「空から悪夢」がやってくるかわかりません。
そのためにも常に動ける状況が必要だと思います。
派遣の人、下請けに努めている人は、いつ仕事が0になる可能性があります。
仕事が無くなる前に「他の人が動く前」に準備をしておくべきと考えています。
予想が外れればよいのですが・・・