ITに詳しくない経営者ほど、TV番組や同業者に聞いた話を鵜呑みにして、意味もわからないのに部下に押し付けることありませんか?
社内SEをやっていらっしゃるかたなら、一度や二度経験があると思いますが、本当に困ったものです。
今回のIT小僧のブラック時事放談は、
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」 ある日、あなたの会社の経営者がこんなことを言い始めたらどうしますか?
と題して「実際に起こった話」をもとにしてブログにまとめました。
実名等は出ていませんが、内容がブラックなため「ブラック時事放談」として掲載します。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
おはBIZとWBS(ワールドビジネスサテライト)
NHK総合 毎週月曜~金曜 午前4時30分 | 毎週土曜 午前6時 | 毎週日曜 午前7時に放送されている「おはよう日本」というニュース番組があります。
我が家では、定番になっている朝のチェック番組なのですが、この中で「おはBiz」というコーナーがあります。
世界のビジネストレンドなどを5分程度でまとめてくれる番組で楽しみにしているのですが、ある会社の経営者がこの番組でIT関連のことを取り上げると、必ず会社で話題にするそうです。
「ちゃちゃっと“即レス” チャットで人手不足解消」
「プログラミング教育は幼稚園から!?」
「デジタル時代 銀行はどう変わる」
などなど
会社で役に立ちそうなものをメモして
「これ うちでできないかな・・・」
と社内のシステム関連部署や新規案件の事業部に持ち込んできます。
経営者や社員の閃きで新しいビジネスに繋がることはよくあるので悪くないと思います。
しかし、AIとなると話は、変わります。
おはよう日本
http://www.nhk.or.jp/ohayou/biz/
WBS(ワールドビジネスサテライト)
https://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/cast/
ITに疎い経営者
2018年からはじまった「猫も杓子もPayブーム」
SuicaやEdyなどのおサイフケータイ(FeliCa)と違い、2次元コードというスマホさえあれば決済できてしまうハードルの低さで「なんでこんな会社まで」という状況でPayが、大流行
「よそでやっているからうちも遅れてはならない」
という経営者の意向でしょうか?
まともな戦略もなしに参加してきたPayは、最初から消え去る運命でしょう。
結局、最終的に残るのは、戦略的に推し進めたPayPay、楽天Payぐらいでしょうか?
楽天は、auと協力することでauの顧客をごっそり持ってこようとしているのではないかと
個人的に考えている。
キャッシバックキャンペーンと使えるお店を営業力で増やさないと「誰も使わない」アプリがスマホに残るだけとなるだけ。
「ゆうちょPay」とか、まともに宣伝もしていないのに成功などするはずもなく、au Payなどは、携帯電話との抱き合わせ商法で会員数は、多いけど、どれだけの人が活用しているのでしょうか?
※au WALLETというプリペイドカードのシステムに au PAYなどを合わせたものだから、混乱の極みです。
ちょっと、前置きが長くなりましたが、このPAYブームも 7Payというところが、大失態をやらかして、ブームの熱が下がっています。
ここで困ったちゃんが登場
7Payの責任者である社長が、「自社の仕組みをよく知らない(おそらく一度も使ったことがない)」状態で記者会見してしまいました。
「まぁ、会社の社長なんてそんなもの知らなくて当然」
ということを言っている人は、ビジネス現場をよく知らない人だから相手にはしていませんが、今どきの経営者は、
ITに関する知識がないとビジネスの現場で勝つことはできません。
少なくても、自社で何を販売しているか程度は、知っておくべきではないでしょうか?
「よくわからないので部下の誰々に説明させます」
なんてことが続いているようでは、社長の首も危険水域です。
Google、Microsoft、Apple、携帯電話会社では、トップ自らプレゼンを行うことで会社の宣伝を行っているのです。
そこには、自社のサービスを理解する能力が必要ですが、7Payの事件を見ればわかるように、経営者のトップが自社のサービスについて「使ったことがないのがミエミエ」という状況で成功するビジネスなどないでしょう。
つまりこれと同じように「AIという言葉の魔力」にだけ乗っかているだけの経営者など信用なりません、
だから「何かやれ」で終わっていて「何ができるか、考えてくれ」までの発想が出てこない。
AIでなにかやれ?
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」
トップダウンでこう言われた場合
「AIで何かって 何をやるのか?」
目的なしに「AIを使った何か」をやってもそれは、意味がなくただコストがかかるだけ
「何も生み出しません」
そもそも、今の日本で使われているAIの多くは、
「どこそこの会社でAIを導入したら、年間数千万円のコストダウンに成功した」
という話ばかり。
日本でAIでネタになることの多くは、この「コストダウンにAI導入」の話であって 売上げアップの話少ないことに気が付きませんか?
「コストダウン」には、有効だけど、まだAIでカネを稼ぐ仕組みは、日本ではあまりない。
という事だと思います。
そんな状態で
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」
と言われてもAIの開発にかかるカネがかかったのに成果は何もなし
というあたりが着地点だと思います。
AIで何かをやるためには
「AIで何かをやれ」
で何かをやるためには、
「AIでなにかをやるためのプロジェクトと人材、それと予算が必要」
ということを経営者に伝えるべきです。
経営者が、社員に今の仕事を続けながら片手間にAIで何かをやる(できる)なんて考えていたとしたら、それは大きな間違い。
「人・もの・カネ」が重要だと知っている経営者ならば、AIなどのITやデジタルに疎くてもわかるはずです。
AIは、得てしてカネがかかるものなのです。
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守りのAI、攻めのAI
「AIでなにかをやれ」という大号令で社内に「AIプロジェクトチーム」をつくり
「AIで何ができるか?」を考えることが第一歩
「コストダウンに利用する」
「営業成績に繋がることに利用する」
前者が、「守りのAI」、後者が「攻めのAI」です
最初にここを決めてから「なにをやるか」を決めましょう。
守りのAI
「守りのAI」は、収益にはなりません。
単なるコストダウンです。
製造業などならば、その効果は大きいと思います。
なにしろ多くの機会をAIによって故障タイミングや調整などをサポートすることができるからです。
しかし、その他の仕事だとAIで何がコストダウンになるでしょうか?
事務作業のコストダウン?
そんなもの最近流行りのクラウド&ERPでできるはず。
AIでコストダウンするということは、社員のリストラを意味します。
AIによって仕事を奪われた人にやめていただくことになり、コストが下がり、収益が上がる。
「ばんざーーーい!」
ということぐらいでしょうか?
後ろ向きのAIですね。
最近、大企業の45歳以上リストラが多いのは、
「AIで人の仕事を代替えさせることに成功」したからでしょうか?
AIに
「お前の仕事は、AIのこの私が、代替できるので君は、いなくてもいいよ」
と言っているのかも知れません。
つめり、後ろ向きのAIは、何も生み出さないし、AIの開発費用がかかり、コストダウンになるかやって
攻めのAI
攻めのAIで最初に思い浮かぶのが、営業支援です。
AIを使って顧客データから、次の新製品を買ってくれそうな人をピックアップして積極的な構成をかける。
要は、できる営業マンの変わりにAIに仕事をさせるわけです。
できるAI営業マンのアドバイスを忠実に守って営業すれば、営業成績アップ間違いなし
まぁ 実際には、人対人というものもあり、AIで営業支援は難しいですが、売れるポイントがわかるだけでもお大きな収益に繋がるかも知れません。
AIは、おカネがかかる。
AIのシステムを構築するには、専門の教育を受けた人材が必要です。
Pythonというプログラム言語が使えるからと言って、AIのシステムを組むことができません。
ベテランのプログラマーやシステムエンジニアでも同じことで、
現状での「AIエンジニア」は、大学院で情報科学を履修した修士や博士号取得者が中心です。
最低で以下の3つの能力が必要です。
- 機械学習やディープラーニングに精通していて、概念や基本的な知識があるのは、基本中の基本で
- 数学的知識、統計処理、データ解析のアナリティクス技術も併せ持ち
- 汎用的プログラミング言語である「Python(パイソン)」を中心としたプログラミングやデータベースの集積や解析
数学的知識、統計処理も高校の数学レベルでは太刀打ちできません。
だから、AIエンジニアは、高給で雇われるのです。
目的なきAIは、カネと時間の無駄
経営者の
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」
という問いに
「AIで何をやるか決めるため専任のプロジェクトチームが必要」
※兼任ではダメです。
次に
「(規模によるが)数百万~数千万の予算と半年以上の期間が必要」
そして
「AIを導入したからと言って必ずしも良い結果が出るとは限らない」
この3つの条件ができない限り手を出すべきではないでしょう。
これを経営者に伝えて本気だったら
「開始」
「そんなコストかけられないよ」
という状況だったら、
まとめ
AIは、専門の知識を持ったエンジニアが必要です。
どんなに優秀なプログラマーやシステムエンジニアが、Pythonのサンプルを見様見真似で動かしても真似事で何の効果も得られません。
数学的知識、統計処理、データ解析ができない場合、ただの「勘」で進めるしかないのです。
そして、AIエンジニアを雇ったりするには、莫大な費用がかかります。
AI専門のベンダーに発注するという手法もありますが、それも相当な費用を覚悟する必要があります。
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」
という指示があった場合、どれだけ本気なのかまず確かめることからはじめてください。
知り合いの会社で
「うちの会社も時代に乗り遅れるから AIでなにかやってくれないかな?」
と言われて困っている現状をみてブログにまとめました。
IT小僧もコンピューターエンジニアの端くれですが、AIに関しては、専門家を頼るしかありません。
ここから勉強しても特に数学の基礎知識が決定的に足りません。
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