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IT小僧の時事放談

携帯電話料金は、思ったほど安くならないし、端末は実質値上げ 改正電気通信事業法の目論見は失敗に終わりそうだ。

官僚を動かせ 政治家の覚悟 (文藝春秋企画出版)

それは、菅官房長官のコメントから始まった。

総務省による3キャリア(docomo,au,SoftBank)に対する「値下げしろ」という圧力は、改正電気通信事業法という形になって2019年10月1日から施行されそうです。

今回のIT小僧の時事放談は、
携帯電話料金は、思ったほど安くならないし、端末は実質値上げ 改正電気通信事業法の目論見は失敗に終わりそうだ。
と題して、損するのは、消費者だけ、消費税の増税と合わせて、携帯電話業界は冷え込むだろう。

というお話です。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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4割下げろの大号令

2018年夏、菅官房長官が、「携帯電話料金は、4割下がる」という趣旨のコメントを発表しました。

当ブログでは、この件について、何度か取り上げています。
過去を振り返る意味で読んでいただけたら幸いです。

総務省 vs 3キャリア(docomo,au.SoftBank) 秋の陣が開始されました。

「今よりも4割程度下げる余地がある」 菅官房長官から飛び出した3キャリアに対する発言から始まった 総務省 vs 3キャリア(docomo,au.SoftBank) 戦いは、総務省が追い打ちをかけるよう ...

菅官房長官の「4割下げろの大号令」のもと総務省が、3キャリア(docomo,au,SoftBank)に対して以下の内容が事実上決定された。

端末代と通信料金を分離しろ
回線契約を継続することを条件にした端末の購入補助禁止
契約継続を条件にしない場合でも購入補助を「最大2万円」に制限
定期契約の違約金を「最大1000円」にして解約しやすくしろ
新ルールは携帯大手3社に加えて、新規参入の楽天、契約回線数100万件以上のMVNO(仮想移動体通信事業者)にも適用

また、新規参入予定の楽天の電話会社の「破壊的な電話料金」で「大手3社の料金値下げするだろう」もセットで考えていたはずです。

これにより

「競争原理が働き、携帯電話料金が4割下がる」

と目論見をたてていた総務省

本当にそうなるのでしょうか?

どうも雲行きが怪しくなってきました。

楽天の電話会社

楽天は、第4の携帯電話会社(MNO)として2019年10月からサービス開始の予定になっています。

総務省は、「電波帯域を許可」した責任と「契約解除料金を 最大1000円 以下に規制」を打ち出して、楽天にエールを送っています。

ところが、楽天は、2019年8月8日の決算会見で
「基地局の設置は、予定通り」「スモールスタートになる」というコメント

この会見に総務省は、ブチギレ
「何が予定通りだ! 基地局が、半端なく遅れているではないか メンツを潰しやがって(怒)」

2019年8月26日に行政指導を楽天に対して発行した。

行政指導の内容は、こんな感じです。

基地局の設置が予定通りに進んでいない。
通信料金は、2019年8月29日時点で発表になっていない。
エリアやサービス内容、サポート体制も何も発表されていない。

東京23区、名古屋、大阪以外の地域と地下街、地下鉄は、au回線を借りて運用(ローミング)するわけですが、ローミングの費用は安くはなく、ローミングでは、利益が得られないと言われている。

そうなると総務省が期待した、低価格の携帯電話料金の設定は、厳しくなります。
当初はかなりの持ち出しとなるでしょう。
結局「得意の楽天スーパーポイント」をばら撒くことで集客すると思われます。

そして、オープンしたとしても「繋がらなかったら致命的」、メイン回線を楽天に移行する人は少なく、様子見する人が多いと推測されます。

まさか
「格安SIMである楽天モバイルの契約者を強制的に新しい電話会社に移行するなんてことはしないよね!」

この件については、以下の記事で詳しく書いてあるので読んで頂くと内情がわかると思います。

第四の携帯電話事業者(MNO)「楽天」の成功の鍵は、au回線にあり

楽天モバイルのネットワーク(MVNO)は、現在、ドコモ回線とau回線を利用していますが、 2019年10月以降、順次自社回線(MNO)への移行を推奨いたします。 https://mobile.raku ...

携帯端末 実質値上げ

3キャリア(docomo,au,SoftBank)を中心に携帯電話の2年契約などを条件に大幅な携帯端末の値下げを行ってきました。
そのため、(携帯電話会社の)補填という形で10万円を越えるiPhoneも「実質半額」で購入できてわけです。

今回、総務省は、この仕組を禁止しました。

携帯端末は、最大2万円までという条件を付けたために、13万円以上するiPhone XSは、10万円以上の金額で購入せざる得ません。
また、日本で一番売れているiPhone 8も大幅な値下げができず、定価に近い販売価格となります。

つまり、総務省の施策によって

「携帯端末は、実質値上げ」

となります。

その分通信料金が下がれば相殺されると言われますが、「多くの条件をクリアしないと下がらない携帯電話料金体系」のため、条件をクリアしない人は、通信料金があまり変わらない。という仕組み

競争相手の楽天が、スタートラインに立てるかどうかも微妙な状態ですから、3キャリア(docomo,au,SoftBank)にとって驚異ではなくなりつつあります。

3キャリア(docomo,au,SoftBank)にしてみれば、端末を補填することもなくなるため、収益は上がるかも知れません。

利用者側からすると2年毎に買い替えができていたiPhoneは、次回から高額の炒め購入するのが厳しくなります。

SIMフリーの3万円台のファーウェイやシャープのスマートフォンが売れている理由は、ここにあると思います。

確かに P30 liteやSHARP AQUOS sense2は、コスパがいいですね。
SHARP AQUOS sense2は、実売価格で3万円以下なのに 防水・防塵 おサイフケータイ付きですから、売れる理由もわかります。

IT小僧の家族も使っていますが、液晶も綺麗で端末の仕上がりもよく、ストレスのない快適さを持っています。
日本で使うならば、2018年夏現在で最高のコストパフォーマンスだとオススメです。

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と話は、ずれてきたので本題に戻します。

消費税増税

菅官房長官の「4割下げろの大号令」は、消費税増税による消費の落ち込みを軽減するための政治的な意味が込められています。

毎月支払う携帯電話料金が4割下がれば、消費税が上がってもその分補填できる。

いかにもお役人的な考えです。

今回の消費税増は、駆け込み需要が少ないと思います。
駆け込み需要で高価な家電やクルマなどを買う時代は終わり、モノを買わない時代へ突入しています。

年金がどうなるかわからないとか?
老後に2000万必要とか?

低賃金でしかビジネスが成り立たないので低賃金で働く人が減ったために
人手不足倒産も増えてきました。

人手不足と呼ばれている割には、45歳リストラが流行しているかのように増大しています。

こんな社会情勢の中で「ものを買う行為」が増えるとは思えない。

スマートフォンも2年毎に買い替えが多かったものが、3年以上使うことが普通になっています。
ゲームなどを頻繁にやる人以外は、数万円のAndroid端末で十分に使えるようになってきました。

そんな中、10万円を越えるスマートフォンが本当に必要なのかどうか?
考えている人が多いでしょう。

これまでは、iPhoneでも実質半額で購入できたので3キャリア(docomo,au,SoftBank)と契約している人が多かったと思います。
実質半額でiPhoneが買えなければ3キャリア(docomo,au,SoftBank)で契約する意味もなくなります。

これからは、格安SIMでさらに節約する人も増えるかも知れません。

まとめ

改正電気通信事業法によって、月々の通信量が安くなって、消費税が増税になってもあまり影響がない

という目論見は、失敗しそうだと個人的には思っています。
そもそも契約解除料金を1000円にするからと言って、他の携帯電話会社に移るでしょうか?
よほどのメリットがなければ、移らないかも知れないし、SoftBankのようにサブブランドに流れる程度だと思います。

月々の通信量を気にしている人は、すでに格安SIM(MVNO)に移っているので変動が少ない気もします。

まぁ、楽天の電話事業が10月のオープンに奇跡的に成功したら話は別ですが・・・

基地局設置は、地道な継続が必要なので楽天が、docomoのように接続できるまえに資金ショートすると思います。

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