かなり前ですが、NHKスペシャルでアノマロカリスいう古生代カンブリア紀の生き物を始めてみたときは、正直驚いた!
不気味さを通り越して滑稽さを備えた絶滅した生物です。
番組では、古生代カンブリア紀(5億2500万年前~5億0500万年前)の生き物たちを紹介していましたが、アノマロカリスの他にも多種多様な生き物たちが海の中で暮らしていた。
その多くは、絶滅し、ほんの一握りの生物が現在まで生きながらえています。
今回のIT小僧のテーマは、「多様性」
フルスタックエンジニアの価値が上昇中 自然界もエンジニアも多様性が求められる時代
と題して、スペシャリストが求められてきた時代の終焉とフルスタックエンジニアと呼ばれるエンジニアについて話をしましょう。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
フルスタックエンジニア
「フルスタックエンジニア」という言葉がIT業界で目につくようになってきました。
「フルスタックエンジニア」という意味は、実は、案外曖昧なものでこれと言った定義は定まっておりません。
敢えて言えば
「幅広い知識とスキルを備えているエンジニア」
というべきでしょうか?
つまり、一分野の専門家ではなく例えば
ハードウエアからソフトウェアの知識とスキル
サーバーサイドからフロントエンドの知識とスキル
を兼ね備えた、「全部できるエンジニア」になるでしょうか?
つまり、
「Oracleだけしかわからない」
「Javaしかプログラムが書けない」
「iPhoneのプログラムしかわからない」
なんて人は、フルスタックエンジニアと呼べないのです。
一つのサービスを
「サービスの企画から実装までを1人でやってのけるエンジニア」
というような「スーパーなエンジニア」が必要とされています。
IT小僧いわく
「そんな やつ いねぇよ」
いいえ
「少し前のエンジニアは、すべてやっていた時代があったのです」
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インターネット創世記
IT小僧の個人的な話をすれば、
1995年から、金融系ネット取引を Windows Server+SQL Server+IISでシステムを構築してきました。
これらのシステム構成は、サーバー機器やソフトウェア(特にデータベース)も安価で
「お試しでサービスを開始する企業」
にとっては、好都合だったのです。
IT小僧は、このすべてのシステムを2人程度で0から構築、データベース設計から画面設計、社内システムへの連携などを3ヶ月ベースで納品してきました。
前職を止めるまで 合計20セットを構築+販売
おかげで立ち上げたばかりの会社は、かなり儲かりました。
さすがに今は、こんな無茶なプロジェクトはないと思いますが、インターネット創世記は、こんなエンジニアは、そこら中にいました。
決して「フルスタックエンジニア」は、特別な人では、ないのです。
IT小僧の場合、
「やる人がいなかったから やっただけ」
と言えるでしょう。
しかし「フルスタックエンジニア」は、時代とともに大きく変わりました。
ポートフォリオをつくれ
現在の企業は、ITに関わる事業が多くなっています。
ITに関わらない事業はないと言ってもいいかも知れません。
そのため、1つのスキルだけで仕事ができる時代ではなくなりました。
「Oracleの資格」があれば、高給を取れる時代は終わったのです。
どちらかと言えば
「新しい技術をいち早く取得、柔軟に組み合わせられるエンジニア」
が求められているのです。
つまり、フロントからバックエンドまでの知識、設計、構築できるスキルが必要になり、サービスの企画から実装までを手がける人材が必要なのです。
人材サービスシステムサポートをしてきた知識によると
給与が高い(ギャラ)募集は、AI、IoTそしてフルスタックエンジニアの案件が多く見受けられます。
ここで必要になるのは、これまでやってきた、システム構築のポートフォリオです。
ポートフォリオというと金融系でよく聞く言葉ですが、IT業界では
「自分の開発実績や開発したシステムやサービスなどを一覧にまとめたもの」
に該当します。
よく経歴書に年号順に経歴を書いているものがありますが、それとは別に
「自分の開発実績や開発したシステムやサービスなどを一覧にまとめたもの」
を提出すると企業側の採用判定に有利です。
そしてそのポートフォリオに
「なになにのサービスを企画から構築、保守担当」
というWordがあれば、採用担当は、そこに質問が集中すると想像できます。
そう、それこそが、企業が求めている「フルスタックエンジニア」なのかも知れません。
社内SEは、フルスタックエンジニアなのか?
最近の傾向としては、社内SEに開発能力を求める企業が増えています。
これまでのようにSIerに「丸投げ」する企業では、スピードが遅くてライバルに負けてしまいます。
そこで開発できる要員を社内で抱えて「システムの内製化」が推し進められています。
次世代の社内SEは、「フルスタックエンジニア」そのものなのです。
得意分野を持ちつつもそれに連携するシステムの知識が重要になります。
ここでは、資格などは、役に立ちません。
現在、企業では、このような人材を社内SEとして高給待遇で募集しています。
ある程度の「フルスタックエンジニア」的なスキルは、経験も必要なので、最前線で戦ってきたエンジニアにとって社内SEは、魅力的な転職先とも言えるでしょう。
スーパーマンじゃないから無理!
フルスタックエンジニアを目指せと言っても
「そんなの一握りだけのエンジニア」
と諦めるのは、まだ早い
自分の興味のある分野「金融」「広告」「AI」「IoT」など一つでも精通していれば、システム構築は、ある程度、パッケージ化されているため、その組み合わせを考える能力があればよいのです。
例で言えば、ブログなどは、WordPressの知識がなくても「使い方」がわかれば、後は、中身で勝負できるようなことです。
専門のことは、専門家ではなくパッケージに任せる時代になっているのです。
プログラムを書ける能力
プログラムが書ける能力は必要です。
実際にプログラムを書く場面は、それほど多くはないかも知れませんが、
「プログラムが書ける人は、システム全体を構築できる能力がある資質」
を兼ね備えているからです。
言語は、なんでも構いません。
ある程度、経験を重ねたエンジニアならば、Java、C#、COBOLやBASICでさえ
「基本 同じ」
と言い切ることができます。
語弊があるかも知れませんが、プログラムの経験を重ねると「論理的思考」と「勘」が養われてゆきます。
大事なのは言語ではなく「実現する方法」であって「プロセス(言語)」ではありません。
極論で言えば
目的が実現できるのならば、クライアントにとって
「言語なんてなんでもよいのです」
もちろん、向き不向きは考慮すべきですが、サービスがまともに運営できることが大事であるということを覚えておいて下さい。
こんなことを書くと「それぞれの言語スペシャリスト」から お叱りのコメントがあるかも知れません。
「JavaとCOBOLを一緒にするな」
なんてね
いやいや、それぞれの特性と仕組みを理解すれば、どちらもプログラムすることはできるのです。
逆に一つの言語に固執し続けることは、
エンジニアとしてのもっとも重要な「柔軟性」そして「多様性」を失うことでしょう。
次世代のエンジニア
CloudとPackageが中心になるこの先のシステムは、
「システムの組み合わせが重要視」
されてきます。
そのために幅広い知識とスキルが求められる「フルスタックエンジニア」が注目されるのです。
もう昔のように
「Oracleの資格があれば、安泰」
とか
「Javaが扱えれば メシが食える」
とか
「LAMP(古い!)使い」
などの時代は、終わろうとしています。
転職求人倍率
2019年7月現在「技術職(IT・通信)」は、すべての業種の中で求人倍率が、ずばぬけて高い。
dodaの2019年4月の情報を見ると
全体の求人倍率 2.19
技術職(IT・通信) 8.50
他の求人倍率が、1人の転職希望者に対して約2社のオファーに対して、
技術職(IT・通信)は、平均で8社以上がオファーするという状況です。
もちろんこのなかには、ただのプログラマーとしての要員もあるので、求人倍率が高いからと言って給与がいいとは限りません。
いわゆる「タコ部屋」みたいな仕事も多く含まれています。
決して「求人倍率が高いから転職は、簡単だ」
なんて思わないで下さい。
これから企業は、「2025年の崖」に対応すべく、デジタル関連のエンジニアを大量に抱え込みたいと有利な条件を出してきています。
特にAIのエンジニアは、良い条件で仕事を得ることができるでしょう。
同様にシステム構築ができる「社内SE」の人員確保も激しくなってきました。
もし転職を考えているとしたら売り市場の
「今が狙い目」
まとめ
アノマロカリスは、食物連鎖の頂点に君臨していましたが、歯が弱く、硬いものが食べられないという弱点をもっていました。
そのため、食べられる生物たちが、硬い殻をもつように進化したため絶滅したと言われています。
アノマロカリスは、硬いものを食べられるように進化できなかったのです。
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古生代カンブリア紀の生物は、爆発的に多様な生物が現れ、そして、ほんの一部を残して消えてしまいました
生物の実験場だったと言われています。
生き残ったものは、状況に対応できたものだけで、劇的に変化している今のIT業界と似ているような気がします。
IT業界で仕事を続けるのならば、フルスタックエンジニアを目指すという手段もあるでしょう。
それが、正解かどうかは、わかりませんが、アノマロカリスのように固執した進化できないエンジニアには、未来がないと予想できます。
コンピュータ屋は、死ぬまで勉強が必要だなと年を老いたエンジニアも感じています。