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日本のIT屋に一言

AI技術者が足りない 横並びと減点主義からの脱出について考えよう

2018年6月27日

タクシーの中で作詞したり
トイレの中で曲がおりてきたり
トレーニングをしていないのに7オクターブの声を出せたり
10万行のプログラムコードからバグを5分以内で探し出したり

世の中には、特殊な才能や技能や専門知識を持っている人がいます。
その特殊な才能や技術が企業内で生かせないのはなぜか?

今回の「日本のIT屋にひとこと」では
「AI技術者が足りない 横並びと減点主義からの脱出について考えよう」
について考えてみました。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。

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横並び

「AI技術者が足りない」
足りない足りないの大号令 
そりゃ「2000万年収」と「500万円」の初任給じゃ、AIの人材など集まりません。
簡単な理由です。

おっと! これだとブログも終わってしまうのでもう少し問題点を考えてみましょう。

企業の新入社員で入社したAI専門の学生さん
いろいろな事情があって、大手家電メーカーに入社
給与は、一般職と同じ
そして、
「一般職と同じ社内研修を3ヶ月」
受けさせられてしまいました。

彼は、企業を退職し大学の研究室に戻りました。

どうですか?

これが、現在の日本企業の典型的な状況です。
専門職も一般職も同じ研修を受けさせるのがあたりまえ。

このブログを読んでいる経営者の皆さん
(そんなにいないと思いますが・・・)

「そんなの社内規定で決められているから」
「何いってんの あたりまえじゃない」

申し訳ありません。
残念ながらその企業は、先がありません。

「経営も知らないくせに」とお怒りの声もあると思いますが、この「横並び」とも言える変な平等意識が日本企業をダメにしてきた部分なのです。

なぜ「横並び」がいけないか?
考えてみました。

横並びの弊害

企業の給与は、業績とか関係なく、基本横並びです。
差が出るとしたら残業代ぐらい。
給与を上げるためには、昇級しか方法がなく、責任者は、一般社員より給与が高いという仕組みになっています。
特殊技能を持っている人に職能手当のようなものが、支給される場合もありますが、多くて数万円程度。

多くの企業は、こんな感じではないでしょうか?
良くも悪くも横並び
給与を多くもらうためには、残業をすればよいのです。
そう、残業です。
仕事の能率が悪くても残業すればお金がたくさんもらえます。
仕事の効率が良い人は、就業時間内で終わるので残業代がもらえません。

どう思いますか?
経営者もわかっていると思いますが、対策がありません。

AI技術者も天才的な頭脳を持っている人もこの「横並びの枠」に嵌められてしまいます。
これぞ! 典型的な日本企業です。

AI技術者

AI技術者は、線形代数とか統計学とか身につけた上にプログラムをかけるような論理的志向をもつ特殊技能を持っている人たちです。

実態はともかく、一般的に
そこいらのプログラマーやシステムエンジニアとは、わけが違います。

ですから、世界中で人材の取り合いになっているわけです。
申し訳ないのですが、後から線形代数とか統計学とか勉強しても基礎部分ができていないエンジニアは、太刀打ちできません。

ですから、欧米企業では、数千万円単位の給与を出すのです。
一方、日本企業は、先に上げたような「くだらない平等主義」のもと、社員研修や横並びの給与体系にしようとしています。

以前のブログでも書いたのですが、これで人が来るわけありません。

では、なぜ日本の企業が横並びになってしまったのでしょうか?

減点主義と秀才

日本企業は、減点主義のところが多いわけです。
失敗しては、いけない、一度失敗したら二度と日の目をみない。

よくある話ですよね。

学校も減点主義です。
学校で大事なのは、100点をとること。
どんなに頭脳が優秀でも100点以上は、ないのです。

絵が上手くて美術の先生より凄い絵を書いても他の成績が悪いと

「できの悪い生徒」

とレッテルを貼られてしまいます。
遅刻が多いと「学校では低評価」です。

企業でも「遅刻する人」は低評価です。
彼が、どんなに企業に貢献しても「低評価」となるでしょう。
よく言う「社会人としてなっていない」という決まり文句です。

企業は、「100点満点」の社員を評価するので
・まじめで
・こつこつと
・残業もいとわない
・企業のために犠牲を払い
そして
・失敗をしない

社員を望む傾向があります。

つまり、失敗しない教育を受けて社会人になり失敗しないで定年を迎えるのが「良し」とする社会になっているのです。

この減点主義が、戦後の経済成長を支えてきたのも事実です。
いわゆる、秀才の大量生産です。

経済成長期なら、秀才でよかったのですが、ある程度経済成長が発展したら、この「秀才」では、新たな道をつくり出すことができません。
過去のものを維持するには、秀才は優秀ですが、秀才は、新しいことを生み出すことができないのです。

数千万円のAI技術者

欧米が数千万で人材を得ようとしている人たちは、「大学で勉強しました」というレベルではありません。
きちんと論文などを発表して学術的に認められた人たちです。
こういうスペシャリストを抱えるために企業は、高額な給与を支払うのです。

解決方法として

「AI技術者が足りない」
という企業は、超スペシャリストなAI技術者とその他のAI技術者を集めた子会社をつくり
プロジェクト単位で仕事をさせる環境を用意してそれをアピールして下さい。

そして、給与、企業規約などを一般職と分離、社員研修などやらないように。
いきなりプロジェクトに参加、もしくは、新しいプロジェクトを作成して研究機関として完全に独立させる。
Googleをはじめ米国IT企業の多くは、このような手順で新しいテクノロジーを生産しているのです。

このぐらいしないと、世界で通用するようなものは、絶対にできません。

天賦の才

特別な待遇は、「AI技術者」だけではありません。
「プログラマー」でも「システムエンジニア」でも特別な技術を持っている人は、それなりに優遇されるべきだと思っています。
「デザイナー」「企画立案」「営業職」についても同様です。
人並み外れた能力を持っている人を優遇すべきです。

残念ながら人には、天賦の才というものがあります。
持って生まれた才能は、努力しても絶対に追いつけないのです。

別に差別しているわけではありませんよ。

「人並み外れた能力を持っている人」は、それなりの報酬を得るべきだと言うことです。
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100の失敗1の成功

ワールドカップのサッカーを観てください。
何度も何度も失敗して、そのなかでやっとゴールが決まるのです。
ビジネスも同じです。

Appleも何度失敗したことか! 最近のAppleしか知らない人は、わからないと思いますが、1990年代、Appleは、倒産寸前でした。
製品に品質は、悪くなり、そのためにさらに売れないという悪循環
救ったのは、スティーブ・ジョブズでした。
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Microsoftも2010年ごろ大きな問題をかかえていました。
コストカッターと呼ばれる人物が、コスト削減をしたため技術者が流失したのです。
救ったのは、次のCEO サティア・ナデラでした。
クローズなMicrosoftをオープン化、AI、Cloudを中心に展開しています。
単なるOSとOffice販売業者から脱出して業績が回復してきました。
サティア・ナデラCEOならば、面白いことができそうだ
才能の持った人が、Microsoftに集結し再生をしようとしています。

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そうなんです。どこも失敗を経験しているのです。

Appleは、Macintoshで失敗したスティーブ・ジョブズを解雇しました。
その解雇したスティーブ・ジョブズが、Appleを再生したのです。
スティーブ・ジョブズを呼び戻した人物は、すごい決断をしましたね。

そこから這い上がってきているのです。
そのためには、特殊な才能を持った人と彼らを使いこなせる頭脳を持った人物がいなければなりません。

まとめ

企業は、大きな方向転換が必要だと考えています。

社員教育をみんなで受けさせるとか、社員旅行とか、社内の飲み会とか一切必要ありません。
愛社精神のような昭和の残骸を捨ててください。
「(会社名)人になろう」とか、
「時間を有効に使おう」とか
「報連相を徹底しよう」とか
「社訓を額縁に入れて飾っている」
そんなもの貼っているのは、経営陣の自己満足です。
社員のモチベーションは、そんなものでは上がらないのです。

極端な話をしましたが、横並び、減点主義を改めない限り、能力のある人は、外部へと出ていってしまいます。
社員一人一人に給与格差をつけるのではないのです。
特別な才能を持った人を例外として優遇しなさい。
ということです。

・スマートフォンは、完全敗北
・自動車は、電気自動車の爆発的普及でひっくり返される可能性あり
・家電も危ういかも知れません
・コンピュータ技術は、特にAIは、絶望的に遅れてしまいました。

かつての日本産業は、海外に研究されて置いてきぼりです。
そして、国内の優秀な技術は、経営悪化で海外の企業に買収されています。
「ニッポンは凄いんだ」とTVで言っている間に取り残されているかも知れません。

能力を持った人がその能力を最大限に発揮できる環境をつくることから始めましょう。

AIを学びたいのならば、きちんとしたカリキュラムで習得しよう。



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