「人手不足」
うんざりするほどこのキーワードがニュースで流れています。
ワイドショー化しているニュース番組で人手不足が話題になることがよくあります。
ゲストコメンテーターと呼ばれる「芸能人」、「文化人」と呼ばれる人たちがコメントしているんですが
「まともに会社で仕事をしたことのない人」
に聞く方もおかしいだろ
ニュースキャスターや記者も「もっともらしい発言」をしていますが、所詮、他人事
困った時は「街の声を聞いてみましょう」
と番組の都合の良いコメントを話す素人(さくらもいると言われています)の映像を流して
「主張したいことを自分で言わずに街の声」で代弁させようとしています。
さて、バカなマスコミの話は、ここまでとして
今回の「日本のIT屋仁ひとこと」では、
「人あまりの時代」
と題して
「経済発展から考える人手不足から人あまりの時代」
というお話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
目次
高度経済成長
日本は、第二次世界大戦で負けました。
大都市は、廃墟、労働人口減少、食糧不足、インフラの壊滅とゼロスタートどころか マイナス状態からのスタートです。
そんな逆境の中、1955年から. 1973年まで、日本の実質経済成長率は年平均10%を超えていました。
奇跡的な復興です。
その原動力は、明治生まれの人々の力でした。
政財界のあちこちに「突出した人物」が登場して、皆を引っ張ってきた結果です。
経営者も労働者も必死になって戦ってきた結果です。
日本を復興させたいという願いがこの国を経済成長させてきたわけです。
当時は、就職したら定年まで同じ会社というのが、当たり前の状況でした。
人手不足は、一人で何人分も働いて補ってきました。
バブル崩壊
奇跡的な、成長をしてきた日本は、1973年に原油の価格が、4倍になるという「石油ショック」を経験します。
経済成長は、ブレーキがかかります。
倒産する企業が増え、就職難が発生、転職があまり一般的でなかった時代、大変な苦労をして家族を支えてきたと思います。
その後、1979年に「第二次石油ショック」を経験しますが、先の「石油ショック」の経験を活かし大事には、至りませんでした。
お役所も企業もきちんと経験を学んで対処していたわけです。
1986年から1991年にかけて金融、不動産を中心にバブル期に突入
きっかけは、
「テレビ等のマスメディアの必要以上に毎日繰り返された不動産価値の宣伝」
が発端と言われています。
頭のイカレタ連中が、借りたお金を自分のお金のように湯水のように使い、土地、マンション、株などを買いあさり、企業も海外物件を買い漁るという醜い時代になりました。
例えばこんな状況でした。
「東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるという資産価値」
「38,957円44銭」の日経平均株価
(1989年(平成元年)12月29日の大納会)
金融機関からお金を借りて土地やマンションを購入し、それを転売して儲ける。
簡単に言えば「メルカリが巨大化」したようなものです。
しかし、こんなゼロサムゲーム、いつかは、終焉を迎えます。
土地の高騰で成り立っていたバブル経済は、財務省の総量規制と、日銀の公定歩合引き上げが原因といわれていますが、実際には、これらが原因ではなく、熱が冷めたように冷えて行きました。
1991年2月 突如バブルが崩壊します。
上がり続けたものは、いつか下ります。
バブル時代、有効求人倍率は、1991年に1.40倍
リクルートの調査によると、同年の大卒最高値は、2.86倍の数字が残っています。
一人の学生を3社弱の企業が取り合いする
という、今では、信じられない状況でした。
学生をよそに採られないために、海外旅行に連れてゆくという企業がたくさんありました。
学生は、接待の毎日だったそうです。
今では、信じられませんが、この超売り手市場は
「公務員はバカがなるもの」と言われていました。
今の45~50歳前後の人が、このバルブ時代に社会人となっています。
自分は、このバブル2年前に就職したので、恩恵?に預かれなく、就職難という時代でした。
IT企業(当時は、コンピュータ業界)は、よそで仕事に着けなかったやつがなる業界でした。
銀行、商社に比べれば、仕事内容の割に給与が安かったことと
「仕事内容がよくわからないために敬遠」されていた職種でした。
遅れてきたITバブル
ここまで、日本経済の「非常にざっくり」とした話を書いてきたわけですが、有効求人倍率は、1年違っただけでこれほど大きく変動しています。
その後、インターネットという世界的なインフラが発生し、ITバブルが発生します。
バブル崩壊後の就職氷河期と呼ばれる時代、IT企業は、大量に人を募集しました。
このころは、専門の教育を受けていなくても、大量入社させたのです。
「人が集まれば金になる」
人月ビジネスが主流だったからです。
例えば
「一人一ヶ月 90万円」
で企業に人を派遣するだけで儲かるという 単純な錬金術が成立していました。
そのため、
「優秀なIT企業は、多く人を集めることができる企業」
ということになっていたのです。
こうなると、技術者のレベルなんて関係ありません。
人があつまればいいのです。
今の40歳前後の人が、この時代に業界に入ってきました。
リストラ世代
銀行がリストラを開始しました。
やがて一般企業も後を続くことでしょう。
企業成績がよくて人手不足なのになぜ リストラ?
勘の良い人ならわかるでしょう
・一般企業の45~50歳前後
・IT企業の40歳前後
この世代の人が余っているのです。
・一般企業は、ポスト不足
・IT企業なら、人月ビジネスの崩壊と高齢化
企業は、調子の良い時に人を採用したくせに、少し調子が悪くなるとリストラという名前の退職勧告を実行します。
企業という組織なんてそんなものです。
経営者は、保身のためにコストを削減して
「見かけ上の利益をあげようとします」
収益が減る中で、利益率を上げる一番の近道が
「リストラ」なのです。
AIによる大量失業時代
AIの急速な発展のため
「単純作業」
「事務処理」
「接客業(特に案内)」
「AIによるプログラミング」
でこの先、もっと人が必要なくなります。
金融のディーラーの人たちは、すでにAI取引の監視役になってしましました。
AIの方が優秀だからです。
事務処理もやがてAIがやることになります。
お役所仕事もAIで十分です。
工場もやがてAIが取り仕切ることとなり、AI+ロボットが成り代わる日も近いわけです。
ITの仕事もやがてAIが自分自身をプログラミングする日がやってきます。
そうなったら、今の人月商売のSierと呼ばれる人月ビジネスは、崩壊します。
街に大量の失業者があふれる日も近いかも知れません。
そして、失業する人は、高年齢層、若い人は、企業の取り合いになります。
リストラされた人の就職先は、厳しい状態です。
希望
人は、これまでも何度かの大失業時代を経験しています。
古くは、産業革命
近くは、バブル崩壊やリーマン・ショック
そのたびに企業がリストラ、あるいは、倒産でそれまでの経済基盤をなくしてしまいました。
しかし、人々は、新しい仕事を起こし、暮らしてきました。
それは、国の政策などではなく、自分自身で乗り越えてきたのです。
そもそも政治など当てになりません。
最近の政治をみれば「日本のことを考えない、人の足を引っ張るだけの野党」や「権力を保持するための与党」でしかなく
「国民のことを考える政治家は、いません」
(いるかも知れないけど)
今の政治は、「ガキの喧嘩」です。
そうなると自分で考えるしかないのです。
そのためにも、自分をアピールする武器を場所が必要です。
IT業界に絞って言えば、英語です。
システムに詳しく、英語が堪能な人材は、そう数がいません。
翻訳が高性能になっても、海外のエンジニアと直接話せることは大きな利点です。
さらに、最新のテクノロジーは、欧米か中国です。
ドキュメントは、英語が標準です。
そのためにも、英語を習得すべきです。
年齢は、あまり関係ありません。
続ければなんとかなります。
自分を活かせる仕事
・一般企業の45~50歳前後
・IT企業の40歳前後
この2つの世代が「リストラのターゲット」にされています。
50歳を前にしてリストラされるのは、大変厳しいです。
収入も減るだろうし、そもそも再就職はかなり困難です。
これは、自分も経験しているのでよくわかります。
もし、今いる会社で定年までここで務めるのでしたら問題ないでしょう。
しかし、居心地がわるかったり、自分のポストがなかったり、もっと収入とお考えの方、さらには、仕事に対する向上心がまだある方
年齢的に最後のチャンスです。
登録して、自分に合った案件が送られてくるのを待つのもよいでしょう。
エージェントに任せて、自分を売り込める企業が出てくるのを待つのもよいでしょう。
最前線ではなく、後方支援の社内SEで自分の経験を活かすのも方法だと思います。
登録することで自分の市場価値がわかります。
チャンスを逃さないように複数登録するのが良いと思います。
ITエンジニアのための転職エージェントサービス
大手転職エージェントサービス
人不足は、主に飲食関連やサービス業です、
拘束時間が長く、給与が安い。
IT業界も同じようなものです。
米国のITエンジニアは、オーバー1000万円当たり前の世界
せめて日本でもオーバー800万円でなければと思っています。
まとめ
戦後の日本では、先輩達が必死になってこの国を世界のトップクラスまで持ち上げてくれました。
何度もピンチはありましたが、乗り越えてきました。
日本人の底力は、凄いものです。
そしてそれらの時代のほとんどは、人手不足でした。
何もいまさら騒ぎ立てることではないのです。
時代は、流れ 人手不足から、人あまりの時代へと確実に入ります。。
そのとき、自分は、何の仕事をするのか?
どうやって生活をしてゆくのか?
お休みの日にじっくり考えるのも良いかも知れません。