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日本のIT屋に一言

エイジズムとか言っている場合じゃないぞ 40歳を超えてからのエンジニア事情

2018年4月12日

日本映画にみるエイジズム: 高齢者ステレオタイプとその変遷
募集をかけても人が来ない。
人が来ないので仕事が受けられなくて事業閉鎖へ

人材関係の誰に聞いても「人がいなくてね」のボヤキばかり
IT業界も相変わらず「人がいない」の繰り返し
ならば、外国に仕事を出す・・・

でも年金機構で海外に「丸投げするリスク」が問題にになりましたよね。

今回の
日本のIT屋にひとことでは
エイジズムとか言っている場合じゃないぞ
と題して
エイジズムに負けるな
について考えてみよう。

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30年前

自分が、コンピューター業界(当時は、ITという言葉がなかった)では、「35歳定年説」というのが根強く残っていました。
まだ、パソコンが「8ビット」から「16ビット」になるかならないかでコンピューターといえば、1フロアを占領した大型汎用機が全盛の時代です。

「35歳定年説」を聞いて当時思ったこと

「カネ儲けて35歳で引退して遊ぶ」

だったかな?
良くも悪くも、コンピュータエンジニアは、世間では、「高給取り」と呼ばれた時代です。
※実際には、他の業界より 少しだけよかった程度ですが・・・

会社では、最高年齢でも40歳ぐらいで消耗が激しいコンピュータ屋さんは、長く続かないと言われていました。

エイジズムなんて言葉もないし、自分が50歳を過ぎても現役でいられるとは、想像もできませんでした。

エイジズム(ageism)

エイジズムとは、広い意味ではすべての年齢における、年齢による偏見や差別を指しますが、狭い意味では、高齢者に対する年齢による差別(年齢差別)のことを指します。

簡単に言えば「年寄りは、いらない」ということです。

「高齢者雇用促進」
「生涯現役」
とか、掛け声なんて「ただの理想論」お役者が言っているだけで実態は、悲惨なものです。

特に日本は海外に比べ、狭義の意味でのエイジズムが多く
「全ての高齢者は若者よりも仕事が遅い」
「おじさんは遅いからやらなくていいよ。若手にやってもらった方が早いから」
といわれます。

自分も言われてきましたのでこのあたりは、よくわかります。

逆に
「高齢者は若者より知識も経験も豊かである」
と落ち上げられたりしますが、そんなのは、ただのお世辞

こんなステレオタイプの人間が多い。
ということになります。

エイジズム―優遇と偏見・差別 (りぶらりあ選書)

就職の壁

米国では
定年制度を高齢者差別といて、1986年に年齢による雇用差別禁止法を徹底

日本では
2007年10月に雇用対策法を改訂し、事業主は労働者の募集と採用について年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととなり、年齢制限の禁止を義務化しました。

現在は、「求人票に年齢制限を設けるのは禁止」されています。
人材の仕事を手伝ってきたこともあってこのあたりは、求人票を造る時に、お上(お役所)から厳しく言われていました。

しかし、実際には
求人票に、「年齢問わず」と書かれていますが、「40歳以上」は、応募段階で個人の内容も見ないで切り捨ててしまうところが多いようです。

「中高年は仕事の覚えが悪い」
「仕事が遅いから避けたい」
という本音が見え隠れしているような気がしました。

ITエンジニアの40歳以上の現実

エンジニア派遣で顧客に向かった時
エンジニアの学歴・職歴欄を見て「いいですね!」と最初は、言っていたのですが、生年月日欄に目が行くと
「え? 50歳を過ぎていますね…」
と結局は、採用なし

また、「人件費が高い」「技術が古い」とステレオタイプの担当者がいることも事実です。

また、高齢化を嫌う理由として以下の項目があります。

  • 顧客が「若い人」を要望する
  • 年齢制限付き案件がある
  • 新人を採用できない
  • 新規技術への積極的な取り組みが不足している
  • 派遣先がユーザーの高齢者を敬遠する程度が拡大している
  • シニアエンジニアの能力が低下してきた。昔の方が優秀だった

と言いつつ「人がいない」の大合唱が続いています。


そもそも若い人がIT業界に来ない。

これは、日本のIT業界の闇です。
人月派遣と多重下請け制度でこの日本のIT業界は、諸外国に比べて大きく遅れを取ってしまいました。
法律では、多重下請け制度は、禁止されていますが、実態はどうなんでしょうか?
年功序列、エンジニアも他の業種と同じ給与体型

これでは、なり手がいません。

できる人が多く報酬を得ることができる制度に変えない限り
「若いIT技術者」など出てきません。
報酬が安ければ、他の儲かる仕事を目指しますよ

介護とかの問題と同じ構図です。

開発会社も年々高年齢化して そのうち仕事がなくなります。

すべては、エンジニアを安くこき使っている企業体質にあります。
この意識改革がない限り、問題解決はありません。

老いを受け入れる。

はっきり、言います。

若い人の吸収力には、勝てません。

これは、仕方がないことです。

無視して「若返り」するのではなく
「老いを受け入れる」
「加齢を成熟と考える」
という姿勢に切り替えて仕事を続ける意識が大切です。

新しくものを覚える「流動性能力」は、衰えますが
判断力、理解力といった「結晶性能力」は、伸びる可能性もあります。

そして、これらが重要視される分野があります。

社内SEを狙え

40歳以上のITエンジニアも仕事内容によっては、需要があります。

例えば、
社内SE
社内SEの仕事は、多種多様です。
PCのセットアップもやらなければならないし、既存システムの面倒もみなければならない。
突発的な事故に対応しなければなりません。
つまり、臨機応変に課題に対応できなければなりません。

これは、経験が必要です。

若い技術者は、なかなか難しい職種です。

もちろん、給与は下ることがありますが、最前線でプロジェクトを回すわけではないので、その分、時間があります。

そこで もし、転職を考えているのでしたら
社内SEを目指すという選択肢を広げてはいかがでしょうか?


まとめ

自分は、もうすぐ56歳になろうとしています。

まだ、C#,Java,Swiftなどを使ってアプリを組む場合もあります。
AccessやExcelのマクロを組んだりプログラムを書いたりしています。
さすがにゲームなどは作れませんが、培った技術と勉強することでなんとかやっています。
また、業者からの見積もりチェックや開発会社へのアドバイスなども行っています。

これらは、すべて、経験から得たものを生かしています。

自分を必要としてくれる企業がある限り、希望はあると思っています。

どうか、エイジズムに負けないでください。

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