みなさんのところに10万円の特別定額特別給付金は、支給されましたでしょうか?
IT小僧が住んでいる自治体は、6月9日に郵送で申込書が届き、6月10日に投函しました。
2020年4月20日 特別定額特別給付金が閣議決定
2020年4月30日 補正予算
おや、あれから2ヶ月?
実際に口座に振り込まれるのが、10日~20日後で7月近くになってしまうようです。
早いところは早いらしいけど、このあたりは、自治体の能力差が出ているようです。
今回のIT小僧の時事放談は、
マイナンバーと銀行口座が紐付けされても特別定額特別が早く振り込まれない理由
というお話です。
定額特別給付金の遅れを解消するはずの「マイナンバーと銀行口座が紐付け」ですが、どうやらうまく行かないかも知れません。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
特別定額特別給付金の遅れ
特別定額特別給付金は、冒頭で書いたように、5月には、オンラインで受付を開始しました。
マイナンバーを持っている人が、申込みできるわけですが、申込みができなくて、役所に詰めかけるという3密が発生するという現象が生じました。
いくつかの自治体では、早々にネットでの申込みを取りやめ 郵送だけに切り替えたわけですが、あるいみ正解です。
なにせ 2重申し込みなど簡単にできてしまうシステムなど「いかにも急ごしらえ」です。
しかもネットでの申込みというのに、実際にやっていたことは
- 申し込みデータを印刷
- 印刷されたものを読み上げ、別に人が確認
などという、昭和の時代かよ! という人海戦術だったところが多いという。
品川区役所でのオンライン申請の確認作業
これは、自治体の責任ではなく 総務省の頭の悪さ似原因があった。
政府が急ごしらえで構築したシステムには、大きな落とし穴があった。
ネットでの申込みで自治体に送られてきた宛名番号が正しければ、住民基本台帳と照らし合わせることで世帯主が確認できたはずなのに、実際に届いた番号は、
番号が空欄、16進数で10進数に変換しても数字が合わない。
などメチャクチャな状況、その後 システムに不備があることを総務省が認め、「総務省や内閣府から氏名や生年月日で突合を求める通知」が来たという。
自治体は、この時点でネットでの申込みを手作業に切り替えた。
そのために
- 申し込みデータを印刷
- 印刷されたものを読み上げ、別に人が確認
になったわけです。
これは、自治体が可愛そうなレベル、ネットでの申込みなのに郵送で目視するのとまったく同じというわけで早々とネットの申込みを停止した自治体は、賢い判断をしたというわけである。
マイナンバーとマイナポータルの罠
政府が運営するマイナンバー制度の個人向けWebサイトである「マイナポータル」
今回、給付金のオンライン申請に使わ絵rたデータですが、ここに大きな罠があった。
マイナポータルは、不正確なデータをチェックできない
マイナポータルで入力されているものと、地方自治体が持っている 住民基本台帳は、整合性がとれていないのです。
マイナポータルで入力されたものは、地方自治体にデータとして流れますが、そのなかに世帯主、世帯員の人数、口座番号が、誰の名義なにか、そもそも正しいのかというチェックがされていない(というかできない)
正しいのは、地方自治体が管理している「住民基本台帳」なのでマイナポータル自体の存在は、危うい
これは、2008年の「住基ネット最高裁判決」で
「個人情報を一元的に管理することができる機関又は主体は存在しないこと」
という判決に基づいたもので国が世帯情報をもつことができないのである。
マイナポータルで地方自治体と紐付けができるのは、せいぜい 申請者の氏名と番号ぐらいで世帯主などは、「住民基本台帳」とたらし合わせてはじめてチェックできるという仕組みになっている。
金融機関口座とマイナンバー
「マイナンバーカードと銀行口座が既に結び付いていれば、これはかなりスピード感を持って対応することができたのだろうと、こう思います」
安倍晋三首相は2020年5月25日、緊急事態宣言を全面解除した記者会見で、国内に住む住民1人当たりに一律10万円を給付する「定額特別給付金」の遅れについて見解を示しました。
それにあわせて、政府・与党は金融機関の口座にマイナンバーをひも付ける法案を相次いで提出
さらに
2020年6月8日に議員立法で、国が希望者の申請に基づいてマイナンバーと金融機関の口座をひも付けた「給付名簿」を作成する法案を国会に提出
続いて
2021年1月からの通常国会にマイナンバー法改正案
全口座番号を紐付けようとしたが、強硬に反対する勢力に屈して、1口座だけ、でも必須ではない。
というような曖昧な状況になっている。
自治体が管理する口座番号
マイナンバー以前に自治体では、年金や児童手当の給付や税金の還付のために住民の口座番号を管理しています。
しかし、この口座番号は、口座情報を法令に基づいて業務ごとに分けて管理という、複数の部署で複数管理している状況になっています。
こえrって
無駄の極み
そのものです。
今回の特別定額特別給付金で集めた世帯主と口座番号を保管しておけば、マイナンバーなど必要ないわけですが、どうもうまく行かないらしい。
その理由は、法律にあった。
給付作業が終わると法令上破棄
今回集めた特別定額特別給付金の申込みのデータは、給付作業が終わると法令上破棄する必要があるのです。
つまり、次回、特別定額特別給付金があっても、今回と同じような工程を行わなければならないという
なんともくだらない法律のために 無駄な作業をするわけです。
これは、自治体の責任でもなく
「自治体が住民の口座を個人単位で管理して給付手続きなどを一本化できる法律」
があれば解決するわけです。
誰が悪いのか?
個人情報を一元化すれば、すべてが解決するわけです。
つまり、地方自治体が持っているデータを中心にしてデータの構築を行い、マイナンバーを紐付ければ問題が解決するはずです。
しかし、「個人情報がぁ」「国に管理されたくない」という反対の声が大きく、法改正もできないままです。
結局、地方自治体は、印刷された(手書き)情報を住民基本台帳と垂らし合わせる作業が延々と続くわけです。
まとめ
印刷、FAX、目視、ハンコ
これが、日本のITの現状です。
令和の時代になっても半世紀前と同じ仕組みでしか動けない役人
コスト削減どころの話ではない。
こんな状況で「IT立国ニッポン」なんて 妄想もいい加減にしてもらいたい。
少なくてもITについて理解の有るまともな人材(政治家)を選んで対応してほしいと願っている。
次回、機会があったら、マイナポイントについて考えてみようと思います。
お楽しみに
参考記事:日経クロステック
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おまけ
2021年1月 金融機関が預貯金者からマイナンバーの提供を受ける方策である、マイナンバー法改正案が予定されています。
そして、マイナンバーを申し込もうとしても2ヶ月以上かかるということです。
最後に、お役所の皆様、毎日 手作業ご苦労さまです。
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