2019年11月23日(土)の朝から クレジットカードの楽天カードやスマホQR決済の楽天ペイが使えなくなりました。
原因は、九州電力の通信子会社QTnet(福岡市)のデータセンターで障害が発生
https://www.qtnet.co.jp/info/2019/img/20191125.pdf
原因は、人為的ミス
「電源設備の更新作業中に通常時の電源が遮断したことで予備電源に切り替わったが、電源の切り替え時に作動する無停電機能を外して作業」
2019年11月26日(火)
NTTコムの岐阜県データセンターで電源故障、「無瞬断切替装置の切り替え作業中にUPSが停止」
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/06550/
「無瞬断切替装置の切り替え作業中に過大な電流が流れたためUPS(無停電電源装置)が停止し、電源断になった」
連続して続いた国内のクラウド、データセンターの障害で大きな被害が発生した。
そして大手クラウドが、パブリッククラウドから撤退するという。
今回のIT小僧の時事放談は、
国産パブリッククラウドは、終わってしまうのか? メリットが、「おもてなし」ってジョークでしょ
と題して、国内データセンター、パブリッククラウドについて
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
Cloudn(クラウド・エヌ)
NTTコミュニケーションズはパブリッククラウドサービス「Cloudn(クラウド・エヌ)」の新規受け付けを2019年12月1日に停止
2020年12月31日で終了と発表
Cloudn サービス終了のお知らせ
https://www.cloudn-service.com/close
終了する要因としては、ユーザーの伸び悩み
個人と法人を合わせて約5000件という情報があるのですが、この件数では、サービスでの利益確保が厳しいと思えます。
Cloudn は、大企業向けのハイブリッドクラウドなどに集中、パブリッククラウドからは事実上撤退
NTTコミュニケーションズは、Cloudnを「海外勢に対抗する国産パブリッククラウド」と位置づけて開始したわけですが、残念ながら終了となってしまいました。
海外勢に敗北
AWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azure、Googl Cloud、IBM Cloudなど世界的に事業展開をしているCloudを
「ハイパースケールクラウド事業者」と呼んでいます。
先に上げた4社と中国のAlibaba(ありばば)の5社が、世界の市場の4分の3を寡占しています。
クラウド事業が急成長している中で、この5社をひっくり返すことは不可能に近い状況になっています。
また、昨年あたりから 特にAWS、Microsoft Azureは、日本国内で積極的にセールスと開始しています。
そして
「政府共通プラットフォームAWS決定」
という方針が発表されるにいたっては、国内のクラウド事業が成り立つかどうか厳しい状況に陥っています。
国内クラウドの弱点
国内クラウドは、自社のSI屋さんとの連携という側面もありましたが、なにより 乱立しすぎています。
例えば NTTグループをみると
NTT コミュニケーションズ
「Enterprise Cloud」
「Cloudn」NTTコミュニケーションズ
NTT PCコミュニケーションズ
「WebARENA」
NTT データ
「法人向けクラウド事業」
同じグループ内に4つも展開している。
富士通も似たようなもので
「FUJITSU Cloud Service」
「ニフクラ」
と2つを運営している。
これは、人的リソース、経営リソースの分散でコスト高に陥るのは当然だと思います。
銀行も海外クラウドへ
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)
米Google「Google Cloud Platform」を採用
マイクロサービスとの親和性の高さやデータベース関連機能を評価
ふくおかFGは2019年9月24日、2021年3月までに開業する予定のネット専業銀行で使う勘定系システムのITインフラストラクチャーに、米グーグルのパブリッククラウド「Google Cloud Platform(GCP)」を採用すると発表した。邦銀が勘定系のインフラにGCPを採用するのはこれが初めて。
新銀行の勘定系システムはふくおかFGの子会社であるゼロバンク・デザインファクトリー(ZDF)が開発し、アクセンチュアが支援する。新銀行はコンテナの運用管理サービス「Google Kubernetes Engine(GKE)」などを使って、マイクロサービスアーキテクチャーでアプリケーションを実装する。
機能ごとにサービスを切り出すことで、新しい商品やサービスを素早く投入したり、システムの運用コストを抑制したりする狙いだ。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で各種機能やサービスを外部事業者に開放する取り組みも視野に入れる。
勘定系の心臓部であるトランザクション処理にはグーグルのデータベースサービスである「Cloud Spanner」を使う。「離れたリージョン(データセンター群)間でも瞬時にデータを連携可能であり、耐障害性を高められる」(ふくおかFGの事業戦略部)。GKEやCloud Spanner、データ分析の「BigQuery」などグーグル独自技術が決め手になり、GCPの採用を決めたという。
日経BP
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00139/103000056/
北國銀行が2021年にクラウド勘定系を稼働、体制強化へ新会社も設立
北國銀行、日本ユニシス、日本マイクロソフトの3社は2019年11月21日、「Microsoft Azure」を採用した勘定系システムを2021年に稼働させると発表した。日本ユニシスのオープン勘定系システム「BankVision」をAzure上で動作させる。北國銀行は東京に拠点を置くシステム子会社を新設し、開発体制の強化を図る。
銀行は、マイナス金利の影響が大きく、ITにかかる費用のコスト削減を急いでいます。
そこで選ばれたのは、クラウド&オープン系という選択でした。
特にふくおかFGのマイクロサービスアーキテクチャーは、これまで銀行のシステムでは、取り上げられなかった手法となると思われます。
金融業でもGoogleやMicrosoftのクラウドが選ばれるとなると、他社も後追いをする可能性があり、今後日本のクラウド業者の行く末が厳しくなると思います。
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日本のクラウドは、「おもてなし」
日本データセンター協会(JDCC)のホームページを見てみよう
http://www.jdcc.or.jp/activity/subject.html
この記事では、日本のデータセンターを利用するメリットが記載されています。
全文掲載すると長くなるので省略しますが、要点は3つ
日本人ならではの「おもてなし」「真面目」の精神を備えながら、技術力を持った品質の高い運用管理者を行なう優秀な人材が豊富であり、データセキュリティの観点からも企業がクラウドサービスを受けるにふさわしい環境にあります。
と前置きの後
1.治安
日本の治安は世界トップクラスであり、かつ民族・宗教闘争など政情不安のリスクも少ないため、テロや紛争などの脅威にさらされることは今後もほとんど考えられないため、事業継続の観点で優位にあります。
日本国内の電力・通信インフラは世界でもトップクラスの高信頼・高品質を実現しており、安心して企業の重要なデータを預けることが可能です。
2.電力・通信インフラ
日本国内の電力・通信インフラは世界でもトップクラスの高信頼・高品質を実現しており、安心して企業の重要なデータを預けることが可能です。
3.「おもてなし」「真面目」
日本人ならではの「おもてなし」「真面目」の精神を備えながら、技術力を持った品質の高い運用管理者を行なう優秀な人材が豊富であり、データセキュリティの観点からも企業がクラウドサービスを受けるにふさわしい環境にあります。
「治安」と「電力・通信インフラ」はよく分かるし日本の素晴らしいところだと思います。
「電力・通信インフラ」は、平常時はともかく、災害が多い日本で説得力があるかどうか疑問
「おもてなし」「真面目」ってなんだろう?と個人的に感じます。
センター見学に行くと丁寧に案内してくれる?
お茶でも出るのだろうか?
「おもてなし」「真面目」をメリットとして喜ぶのは、
「ITどころかパソコンもまともに扱えない経営者」
ぐらいだろう。
確かに「おもてなし」はともかく「真面目」は、大事ですよ
でもそこをメリットとして選ぶかどうかは別の話です。
こんなコメントを出しているような協会など必要がないと思うのは自分だけだろうか?
まとめ
「2番じゃダメなんですか?」なんて政治家もいましたが、
IT立国とかいいつつ、
「海外で量子コンピュータの話」が出てきたからあわてて予算をつけるような政府では、この先もITに関しては、米国、そして中国がリードし続けるでしょう。
「桜を見るなんちゃら」を国会そっちのけで追っかけてシュレッダー現場にどうのこうの?
なんて やっている政治家がいる間は、ITだけではなく、研究者もいなくなってしまうのではないか?
ITで日本が生き残るには、中国がやってきたように 海外に留学や企業に就職して呼び戻すという「ウミガメ政策」が手っ取り早い。
将来を見据えて若いエンジニアは、海外を目指したほうがいいんじゃないのか?
なんて思う今日このごろです。
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