一帯一路(いったいいちろ)
最近、この言葉がニュースに目立つようになってきました。
意味は、中国政府が進める経済計画で
中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」
「一帯」の意味
中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」
「一路」の意味
この2角二つの経済地域で、インフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する計画で
すべてが、中国に繋がる経済発展の計画です。
どこかの国の偉い人は、この中国の野望に協力するなんて「バカな発言」をしているけれど、これが完成すると
アジア、アラビア半島、欧州そしてアフリカまで繋がる経済圏が誕生します。
そうなるともうッ誰も中国を止められない。
今回のIT小僧の時事放談は、
中国は止まらない! 次世代のネット社会は中国が支配権を得るか? 一帯一路が突き進む
と題して、ネット社会の要である、光ファイバーと5Gのインフラを中国が握る可能性について考えてみよう。
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
スポンサーリンク
目次
必要なものをすべて持っている。
中国では、スマートフォン、電気自動車などのテクノロジーに必要な希少鉱物、金属の殆どが中国産です。
例えば、バッテリーに必要な「リチウム」をはじめ、レアアース、マグネシウムなどで
英国の調査機関である「英国地質調査所」によると
「経済とライフスタイルの維持」に必要と考える41元素のうち23元素
「入手できなくなるリスクが極めて高い」と判断した10元素のうち、9元素
という重要な戦略物資を掌握しているのです。
これだけでもかなり有利なわけですが、インフラの要として 欧州、アラビア半島、ロシアと地続きで鉄道が重要地域を接続しています。
鉄道と光ファイバーケーブル
「今どき鉄道なんて古臭い」
いえいえ
鉄道と一緒に光ファイバーケーブルがセットになっていて各地域を鉄道の何十万倍以上のスピードで結び始めているのです。
中国、欧州、アラビア半島、アフリカまでこれらの光ファイバーケーブルが設置されたら
「中国のネット網は、中国が独占、米国は参加できない状況」
となるでしょう
世界の半分以上が、中国との高速大量データ通信網で接続されることは、「一帯一路」を推し進めることに大きなバックアップとなるわけです。
現在、中国は、欧州への通信は、インド洋の海底を通る光ファイバーケーブルに依存しています。
もちろん米国が監視しているので中国にとっては、避けたいところ、欧州まで光ファイバーケーブルが接続されれば、干渉されることはなくなります。
さらに中国国内の鉄道網を生かして中国政府は
「国内世帯の8割に光ファイバー接続を展開する計画」
も実施中
つまり、近い内に中国が世界で一番進んだネットワーク社会となるでしょう。
もちろん、そこには、Apple社を除いて、GoogleもMicrosoftもIBMも入り込むことが、できないかも知れません。
※Apple社だけは、中国にiCloudの鍵を渡しているので「中国で唯一ネット社会に入る込める米国企業」になるかも知れません。
第5世代移動通信(5G)もセット
大陸を横断する光ファイバーケーブルの拠点に第5世代移動通信つまり5Gの基地局を開設すれば、世界最大の5G通信網が完成する。
もちろん、機器類は、ファーウェイを中心とする中国企業になるでしょう。
欧州、アラビア半島、アフリカ
大陸を横断する光ファイバーケーブル網が実現すれば欧州の制覇も近い。
米国のファーウェイ排他戦略も英国を除いて欧州が乗り気がないのもこうした中国のネットワーク事業に乗っかろうとしているのではないかとIT小僧は、考えています。
欧州の次が、アラビア半島、そしてアフリカと光ファイバーケーブルが伸びるに連れ、5Gの基地局も設置、いくら米国がファーウェイを排斥しようとしても中国と陸続きのところでは、事実上不可能と思える。
高速通信の影響の強さと怖さ
高速なネットが繋がれば、経済、文化をはじめあらゆる情報がネットを流れ始めます。
情報は、情報を呼び、さらなる技術革新が推し進められる。
そうなってしまうと
「米国の入り込む隙間」などなくなります。
米国のIT産業がどんなに優れていても 中国が、創り上げたネットインフラを使えなければ、世界の人口の6割が、それらのサービスから離れる可能性も0ではない。
ここまで書いてくると欧州が中国に接近して、米国のIT支配からの脱出への逆転もなくはない。
もっとも中国の人権に対するGDPRなどの組織が黙っていないだろうけど、
よく考えたら、GDPRは、中国には、かかわっていないから関係なさそうです。
あれほど個人情報をしつこいようにアピールしているApple社が、iPhoneを中国で販売する条件としてiCloudの鍵を渡さないと商売できない状況だったり、一部の国の国旗が表示できなかったり、Googleも入り込めず、中国国内では、ネットの書き込みでさえもNGワードが国によって削除されている。
そして、中国国内から 決して見ることのできない海外サイトも多数あるのです。
中国は、西側諸国からすれば治外法権状態なのです。
そういう国が、ネット社会を制圧しようとするのは、確かに怖い!
米国が、力任せに押さえつけようとしているのもこうした背景があると思っています。
遅れている米国の光ファイバーケーブル
米国はネットワークが意外と貧弱です。
家庭や企業の「ラストマイル」を光ファイバーにアップグレードしていないところも多く、アジアにさえ遅れをとっている。
原因は、米国の都市部でのケーブル会社による市場独占である。
光ケーブルの入る隙間もなく、ケーブル会社間の連携もない。
自由経済の行き着いた結果である。
インフラ事業は、ある程度、国家戦略的なものが必要で統制をとらないと、混乱を招く
残念ながら、ネットに関しては、国や自治体が「なんとかしよう」とする気配もない。
こうしたなかで期待が持たれるのが、5Gなのです。
米国は、すでにサービスを一部ではじめていますが、それは、スマートフォン主体ではなく固定回線の変わりに使おうという試みである。
5Gならば、光ファイバーケーブル並のスピードと容量が確保できそうなので、5Gのルーターをオフィスや家庭内に設置すれば、いちいちケーブル工事などを行う必要はなくなります。
スマートフォンばかり注目される5Gですが、本当に使えそうなのは、固定回線の代わりのような気もします。
まとめ
一帯一路の計画のもと中国は、光ファイバーケーブルと5Gを拡大してゆくことでしょう。
米国が本当に恐れていることは、スマートフォンなどではなく、「ネットインフラ事業」でこちらが本命です。
前回のブログでファーウェイを恐れている米国についてブログを書きましたが、いろいろなニュースをみていると
米国が恐れているのは、中国によるネットインフラの拡大による経済圏の拡大だと感じます。
もし来年の米国大統領選挙で「親中派」と言われているバイデン候補が、大統領になったら、中国のネット支配が一気に推し進められるでしょう。
米国の圧力に対して中国が静観しているのは、
「一年ぐらいは、耐えられる状況なので、あえてここは、静かに対応」
「その間に着実に事を進めよう」
「政権が変わったら一気に拡大路線」
こんなところではないでしょうか?
今回、5Gについていろいろと調べてみたのですが、一個前の規格の4Gとは、比べ物にならないほど
国家間の駆け引き
利権
経済
イデオロギー
などが複雑に絡み合っているようです。
ファーウェイのスマートフォン販売停止騒動だけで騒いでいる日本と違って、米国が今後どのような対応をしてゆくか注目です。
スポンサーリンク