スター・ウォーズは、最初の3部作で卒業しているIT小僧です。
三部作の中では、特に「帝国の逆襲」の出来が素晴らしい
さて、奇しくもスペルが同じJEDI(ジェダイ)が米国テック業界で話題になっています。
JEDI(ジェダイ)の正式名称は
JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)
意味は、
「アメリカ国防総省が運用している全てのデータをクラウドに移行して一元管理する計画」
つまり、ペンタゴンのクラウド化! である。
今回のIT小僧の時事放談は、
JEDI(ジェダイ)は、AmazonとMicrosoftのどっちのクラウドを選ぶのか? 軍と最新テクノロジー
と題して「軍と最新テクノロジー」について
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
愛護まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
Amazon vs Microsoft
2019年4月
米国防省は10年で100億ドル(約1.12兆円)を支出するJEDIクラウドプラットフォームの契約者決定にあたって最終候補、2社を選定したことを発表
2社とは、Amazon(AWS)とMicrosoft(Azure)である。
国防省の広報担当官であるElissa Smith氏は2社がMicrosoftとAmazon(AWS)であることを確認し、以下のように答えた。
「各社案を検討した結果、国防省はJEDI(統合エンタープライズ国防インフラストラクチャー)クラウドの調達にあたり、合衆国の法規ならびに当省の規定に合致した最終提案の提出をMicrosoftとAmazonの両社に求めた。」
TechCrunch
軍事とコンピューターは、密接なもので 古くは「大砲の弾道計算」のためにENIAC(世界最初のコンピューター)が開発
インターネットも軍からの流用だし、近代軍事は、コンピューター抜きでは成り立ちません。
そのなかで 国防総省のクラウド計画は、Amazon と Microsoftの2社が選考に残り、最終決定を待つ状態になっている。
100億ドルと言ってmすぐにキャッシュが入るわけではなく、10年と言っても契約書では、国防省はどの時点であれ計画を中断ないしキャンセルできると記されている。
※JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)
「アメリカ国防総省が運用している全てのデータをクラウドに移行して一元管理する計画」
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降りたGoogle
Googleは、2018年AIをドローンで撮影した映像の解析に活用する「Project Maven(プロジェクト・メイヴン」の契約を更新しない意向を発表
これに合わせて将来のAI利用に関するガイドラインを公表しました。
米軍への協力を示していたわけですが、従業員の抗議が大きく、米軍への協力は、限定的となってしまいました。
従業員4,000人が契約に抗議する請願書に署名したとあっては、撤退するしかなかったようです。
IBMとOracleは、文句を言っている。
Googleは、社内の猛反対で降りることになったため、競争から離脱
そして、選考から落ちた IBMとOracleは、
「選定過程が不公平だ」
と文句を言っている。
Cloudに関しては、Amazon 33%、Microsoft 13〜14%というシェアで世界の半分近くを2つのCloudで賄っている状況で圧倒的なものです。
IBMとOracleは、Cloudで言えば、5%以下で勝負にならない状況だったのですが、簡単に諦めるわけには行かない事情があるのです。
JEDIが、とっかかり
米政府は、Cloud化を進めていて、その最初のものがJEDIと言われています。
合衆国政府にとって最大の機密保持能力を求められる国防クラウド計画を首尾よく運営できるという勲章は、今後のビジネスにおいて有利になるに違いないのです。
米国では、この後に連邦政府、州政府など次々とCloud化する計画があるので、ここで主導権を得るのは大きなポイントとなるのである。
米政府とすれば、シェアのトップ2を選ぶのは、ごく自然なことと思えますが、それはそれ、どの国でもいろいろな工作があったようです。
反対はあるさ!
Microsoft CEOのサティア・ナデラ氏(英語: Satya Nadella、 1967年8月19日 - )は、
拡張現実(AR)を含む同社の技術を米軍に積極的に提供していくと表明していた。
もちろん社内からの反対も多く
「兵器開発の一線を越えた」と従業員が反発
有志が上層部に公開書簡を送り、米軍のために拡張現実(AR)テクノロジーを開発する契約を破棄するよう求めた。
公開書簡には、以下のように記載されていた。
「入社時の契約業務内容に兵器の開発は含まれていませんでした。自分たちの仕事がどのように使われるかについて発言する権利を要求します」
しかし、CEOのサティア・ナデラ氏は、この意見をはねのけて 以下のように述べている。
「わたしたちが享受している自由を守るために、民主主義に基づいてわたしたちが選んだ政府の関係機関に技術を供与することを厭わない、という原則的な意思決定を行いました」
2019年2月25日(米国時間)バルセロナで開催されているモバイル機器の国際見本市「MWC」のインタビューより
2018年11月に報道
「Microsoftは、ARシステム「HoloLens(ホロレンズ)」の開発で 4億7,900万ドル(約531億円)の契約」
内容は、
「兵士が現在および将来の敵を制圧するために不可欠な殺傷力、可動力、状況認識力を高めるために、戦闘任務、演習、訓練を行うことができる単一プラットフォームを迅速に開発、テスト、製造すること」
と書かれてある。
また社長のブラッド・スミス氏は、ブログに以下のことを記載している。
「わたしたちは米国の強力な防衛力を信じています。また、その力になっている人々に、マイクロソフトなどが提供する最高の技術を利用してもらいたいのです」
MicrosoftもAmazonもGoogleも米国の企業である。
「ビジネスとして考えれば、そこにマーケットがある以上参加するのは、当然だろうし、
どこかの国のように、「話せば分かる」なんて「甘い考え」では生きていけない現実があるのでしょう。」
Amazon
AmazonのCEOのジェフ・ベゾスは、『WIRED』US版の創刊25周年記念イヴェント「WIRED25」で、「もし大手テック企業が国防総省の仕事を受けないとなると、米国は大変な事態に陥るだろう」と発言。政府関連の事業への積極的な関与を表明
これに関しては、Amazonも同じ意見らしい。
まとめ
テクノロジーと軍事は、今後さらに進んでゆくことでしょう。
すでに米軍では、戦地から遠く離れたところでゲームでもするかのように無人戦闘機を動かし、局地的な攻撃をしています。
遠く離れたところでテレビゲームでもするように操作している人たちは、戦争という血なまぐさい現場から遠く離れています。
これが、倫理的にどうなのか
IT小僧には判断できません。
軍事とテクノロジーは、時代が進むにつれて重要な課題になっています。
米国の企業である以上、MicrosoftやAmazonの意見は、当然のことでしょう。
このままテクノロジーの進化によって何が起こるのか?
誰もわからない状態です。
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