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IT小僧の時事放談

「はやぶさ」だけじゃない、日の丸 宇宙ビジネスは、地味だけど凄い 小型SAR衛星は、2019年開始

2019年2月23日

月世界旅行
アポロ11号
あれから、半世紀
アパレル企業の社長が月旅行の切符の予約をしたとかしないとか・・・

一方、自分のクルマをロケットに乗せて宇宙に飛ばしてみたり
火星に自走できる探査機を飛ばしてみたり
その割には、有人ロケットが、スペースシャトル以後、途絶えている。

ところで日本のはやぶさ2 りゅうぐうタッチダウンおめでとう」

今回のIT小僧の時事放談は、
「はやぶさ」だけじゃない、日の丸 宇宙ビジネスは、地味だけど凄い 小型SAR衛星は、2019年開始
と題して、日本の宇宙ビジネスついて
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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軍事から開放され 宇宙ビジネスが開始

かつて、米国とソ連の間で競った宇宙開発は、軍事を中心に国家の競争でした。
巨大なロケット技術は、即弾道核ミサイルへの転用ができるし、スパイ衛星と呼ばれるものも地球の周りを回って はるか上級から地上を観察しているはず。

20世紀の宇宙開発は、まさに 宇宙戦争の状態でした。
しかし、ソ連が崩壊、ロシアとなり、エリツィン大統領とH.W ブッシュ大統領(パパ・ブッシュ)は、米ロの関係改善を進ませることに成功
(1993年 第二次戦略兵器削減条約 (START II))

ここから宇宙は、軍事から開放され 宇宙ビジネスが開始されました。

日本の宇宙開発

日本の宇宙開発といえば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)である。
H2ロケット、イプシロンロケットを中心に、気象衛星ひまわり、日の丸GPS みちびき、そしてはやぶさが世界ではじめて世界で初めて小惑星から試料を持ち帰った探査機となり
派手ではないけど着実に成果をあげている。

宇宙航空研究開発機構JAXAの予算は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の約10分の1、欧州宇宙機関(ESA)の2分の1以下です。
これだけの予算で地味ながらも確実に成果を上げている日本の宇宙開発は、もっと称賛されるべきであろう。

SAR衛星

衛星には、気象衛星、科学衛星、GPSなどがありますが、もっとも数多く打ち上げられたのは、軍事衛星でした。
軍事衛星の目的は、敵国の情報収集であり、数メートルいや、数十センチの精度で地上を観察しています。
その多くは、光学(つまり レンズの眼)とマイクロ波を使って地表面を観測するSAR衛星と呼ばれるものでした。
このSARというのは、“Synthetic Aperture Radar”の略語で、日本語では「合成開口レーダー」と呼ばれています。

光学衛星の場合、夜間、悪天候時は、検測できませんが、SAR衛星の場合、夜間でも悪天候でも観測できるようになります。

SARの技術が長らく「軍事機密」として扱われていたため偵察衛星など特殊な用途に限られていて民間での利用は事実上不可能でした。

ところが、2016年、米国がSAR衛星の商用利用を解禁したのです。

さぁ、地上観測のビジネス利用の開幕だ!

とは、簡単にできな問題がありました。

革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」

SAR(合成開口レーダー)に必要なマイクロ波アンテナは、大きく重く、そして精度が要求されるというコストがかかるものでした。

2007年世界初の商用SAR衛星「TerraSAR-X」(ドイツ)は、1.2tを超える重量級衛星、値段も100億円を超えるというものでした。

予算の少ない日本では、重量級を打ち上げるロケットはあるけど予算に見合わない。

そこで 政府主導で
革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の小型SAR衛星開発プログラムが開始された。
目標は、「地上分解能1m、重量100kg、コスト5億円の小型SAR衛星」の開発
先に上げたドイツのTerra SAR-Xと同等の性能を達成しながら
重量を1/10以下
コストを1/20以下

まさに革命的な小型衛星である。

開発プログラムのリーダーは、慶應義塾大学教授の白坂氏
彼は、小型SAR衛星の目標設定について

「1t級の人工衛星を打ち上げるには大型の液体ロケットが必要ですが、100kg程度なら小型の固体ロケットで打ち上げることができます。衛星打ち上げのトータルコストは格段に下がります」

そして

「SAR衛星のデータが現実の問題の解決に役立たなければ意味がない」

と説明する。
つまり、日本の役に立たなければ「意味がない」
なかなかハードルが高そうですが、日本の衛星のスペシャリストが一同にあつまりプロジェクトが開始される。

衛星のスペシャリスト達

困難なハードルに挑んだのが、国内のスペシャリスト達です。

東京大学教授の中須賀真一氏
・小型衛星の自律と自動化 目標は、小型SAR衛星の運用を「カーナビ並」にすること

JAXA宇宙科学研究所教授の齋藤宏文氏
・JAXA初の小型衛星「れいめい」の開発者でシステムの小型・軽量化担当

東京工業大学教授の廣川二郎氏
・齋藤と組んでシステムの小型・軽量化担当
・SAR計測技術の中核である「平面スロットアレーアンテナ」担当
平面スロットアレーアンテナは、打ち上げ時には小さく折り畳まれています。
衛星が周回軌道に載った時にアンテナは自動的に展開、約5mの大型パネルアンテナ「変身」するという
まさに折り紙的発想

その他にも多くの研究者たちが集結
日の丸 宇宙ビジネスの実現を推し進めています。

小型SAR衛星の役割は?

災害対策

現在は、ドローンなどで状況把握を進めようとしていますが、ドローンは、範囲が限定されていて全体の被害状況を掴みづらい。
そこで宇宙の眼で現実に起こっている状況を把握できるのではないか?

資源探査

資源探査にも衛星が使われています。
まだ知られていない資源を探すのに有効活用さえっると見られています。

金融系

すでに光学衛星ビジネスで
石油タンクの備蓄量の推測などが行わえていますが、
農産物の作付け状況なども空から把握できることでしょう。

しかし、小型SAR衛星の成功時には、もっと大きなプロジェクトがスタートしようとしていました。

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株式会社Synspective

2018年12月 こんなニュースが飛び込んできました。

東大関連ベンチャーで小型SAR衛星のコンステレーションによる地球観測を目指す株式会社Synspectiveに
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が、約3億円の出資

株式会社Synspective
https://startup-db.com/companies/5700/synspective
https://synspective.com/

都市の強靭化に貢献すべく、世界初の「高頻度、高分解能、応答性能」を備えたSynthetic Aperture Radar(SAR)衛星コンステレーションシステムを構築し、同システムから取得したデータと多様なデータを統合し、機械学習等を活用して情報抽出することで、顧客の課題に対するソリューションを提供する。
株式会社Synspectiveのページより抜粋
https://startup-db.com/companies/5700/synspective

会社の目的は、
「小型SAR衛星の社会実装」

SAR衛星が取得したデータを他のビッグデータと組み合わせて機械学習で分析
さまざまな問題を解決するための情報を抽出・提供

主なターゲット分野
再生可能エネルギーの開発
物流・資産管理
鉱物資源の探査
スマートシティのインフラ開発
防災・減災、環境の保全・監視

顧客も幅広く
一般企業
政府・行政機関
NGO・市民団

新しい考え方

小型SAR衛星の開発とそれを利用してビジネスを展開しようとするスタートアップ企業
日本では、あまり見られないやり方です。

Synspectiveの最高経営責任者(CEO)新井元行氏は、ターゲットは日本だけではなく世界規模で考えているようです。

「以前、社会ビジネスに携わっていたころ、アフリカの各地をバイクで走り回ったことがあります。当時はまともな地図もなく、どこに村があるのかも、そこにどれだけの人が住んでいるのかも、ほとんどわかりませんでした。人工衛星のデータから人口動態の情報を取り出せれば、その地域に最適な生活インフラを効率的に設計できるようになるはずです」
WIREDより抜粋

 

「雨季の多い東南アジアは、雲に遮られることなくいつでも地表を見ることができるSAR衛星には格好の場所です。将来的には衛星を25機まで増やし、全世界のデータを提供したいと考えています」
WIREDより抜粋

革命的なSAR衛星で新しいビジネスを世界規模で実現しようとしています。

まとめ

商用SAR衛星は、
2019年に実証機
2020年に商用SAR衛星の初号機
2021年には6機体制 アジア全域をモニタリングする計画になっています。

日の丸宇宙開発は、「はやぶさ」だけでは、ないのです。
地味ながら非常に内容の濃いプロジェクトが進んでいます。

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