一度振り上げた拳を収めるのは、自制心に長けた大人でしかできない。
そのまま殴ってしまうのは、子供と同じ感覚
ついに強硬手段に出る総務省
法律をつくって「端末代金と通信料金の完全分離を法制化」してしまう。
いや、正しい道ですよ
言っていることは、間違いではないですが、
しかし、これによっていろいろなところに影響が出てくることが予想されます。
今回のIT小僧の時事放談は、
「端末代金と通信料金の完全分離を義務付け」「4年縛り禁止」の法案提出か?
と題して、この法律による功罪について考えてみよう。
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただければ幸いです。
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目次
端末代金と通信料金の完全分離
今のキャリアと呼ばれる、docomo,au,SoftBankは、スマートフォンを買いやすくするために
「実質半額」というような仕組みを取り入れています。
俗に言う、2年縛り
スマートフォンを実質半額の値段で使用させるために、2年間(25ヶ月)後に選択肢を選ばせる。
- 新規機種にすることが条件
- 旧機種を回収
- 新たに2年契約を行う。
- 途中で解約したら違約金+スマートフォンの残金一括支払い、
どうです、上記の3つの条件だけで12万円以上するiPhoneが、2年間、6万円程度で使えるようになるんです。
半額だけローンにして、2年後に残金を払うか? 次の機種に乗り換えさせる。
クルマで言えば残価設定ローンのようなものです。
高価になりすぎたスマートフォンの販売のため編み出した苦肉の策です。
その毎月のローン代は、毎月の通信料に含まれる。
つまり、携帯電話料金とスマートフォンのローンがごちゃごちゃでよくわからない
簡単に言えば、こういうことです。
見かけ上、キャリアは、スマートフォン代金の補填をしているようにも見受けられます。
ここに切り込みを入れて
スマートフォンの代金と毎月の携帯電話代を完全分離して、スマートフォン代金の補填をしている分をなくせば
「携帯電話代を4割下げることができるだろう」
というのが、菅官房長官 いや 消費税増税の非難をかわしたい政府のお考えです。
功
これは、いい法案です。
そう、携帯電話の月々の料金が、わかりづらい!
割引を1年だけとか限定だけどね
何々を契約してくれたら値引きします。
光回線引いてくれたら値引きします。
「iPhone XS 64G 今なら毎月5000円でお手元に」
なんて記事がありますよね
でも よぉ-くみると
家族4人契約の場合
とか
電気を契約してくれたら
とか
光回線をひいてくれたら
などというような、諸条件をクリアーしたら
という条件がついていて、条件が揃わないと、2倍近い通信料金になるとか
あの手この手で契約させようとしています。
だから、通信料金がよくわからない。
これを明確にして
携帯電話料金 5000円
スマートフォン代 5000円(分割)
とすれば、明朗会計
というわけです。
これは、大いに賛成したい!
スマートフォン分離だったら使えないアプリいれないよね!
キャリアと呼ばれる3社は、スマートフォンをセットで販売するために
契約した会社から購入したスマートフォンを契約した会社以外で使えないようにしてきました。
これをSIMロックといいます。
このSIMロックは、現在、契約から一定期間経過後に解除することができて、どの携帯電話会社とも使えるようになっています。
このSIMロックを解除するには、自分でネットで実施するか、お店でやってもらわないといけません。
お店でやってもらうと手数料を取られるのでご注意下さい。
このSIMロック解除と共に
キャリアから販売される、iPhoneを除いたスマートフォンには、メーカーに対して自社に都合の良い特別なシステムやアプリケーションが搭載されています。
例えばdocomoだったら
dなんちゃら
というアイコンがたくさん入っていませんか?
この「dなんちゃら」docomoのサービスを使う人以外、何の役に立ちません。
しかも消せない場合が多いのです。
スマートフォン代金を分離するのだったら、これらのアプリやシステムの改造
「しないよね」(希望的観測)
キャリア独自仕様がなくなれば、セキュリティパッチもできるだろうし、OSのバージョンアップも迅速におこなわれるでしょう。
もしかしたら、これらのdなんちゃらをインストールすると
「スマートフォンのお値段 割引します」
なんてやりそうですが・・・
けど 大きな問題が
罪
「携帯電話代を4割下げることができるだろう」
菅官房長官のこのお言葉から始まった、3台キャリア vs 総務省の戦い
決戦は、法規制ということで「総務省」勝利!
ばんざーい 携帯電話代が安くなる。
はい、確かに安くなります。
携帯電話料金から4割です。
携帯電話料金から4割
携帯電話料金から4割というのがポイントです。
例えば
一月に1万円の携帯電話料金を払っているとしましょう
内容は、
携帯電話料金 5000円
スマートフォン割賦代金 2500円
※24回払でXXXX割などで実質半額
-----------------------------
合計 7500円
これを完全分離にすると
携帯電話料金 3000円
※4割安くなる
スマートフォン割賦代金 5000円
※実質半額なし
-----------------------------
合計 8000円
おや?500円高くなりそうですね?
大雑把な計算なので反論があると思いますが、今支払っている毎月の携帯電話代金の総額から4割安くなるのではないと思われます。
4割安くしろというのは、携帯電話料金(通信料)です。
この通信料が、いくらになるのか?
キャリアの設定の腕の見せ所です。
4割下がっているようにしたけど、スマートフォン代を合わせたら、高くなっているかも知れないのです。
スマートフォンになってデータ通信量というのが大事になってきました。
月々の通信料金 例えば 3ギガとか7ギガとか20ギガとかありますよね
これは、スマートフォンが使用する通信データ量なのです。
この通信料金の値上げもありえます。
総務省は、「4割値下げしろ」
と言っていますが、「分離した通信料の値段」については、言及していません。
そもそも「通信料金が、明確ではないのだから」
2割値上げして4割値下げしても文句が言えないのではないでしょうか?
キャリアと1Gのデータ通信量で契約してPocket WiFiで運用するというのもありです。
スマートフォンが売れなくなる。
毎月支払う携帯電話代が、トータルで変わらないとしても
iPhone XS 12万円
と値札が下がっていたら、買いづらくありませんか?
これまで
iPhone XS 12万円
でも、実質6万円だよ
とあったら なんか 買えそうな気がしてきます。
トータルな金額が変わらなくても「お得感」を刺激さえると
「買えるんじゃないか」
という心理が働くと思います。
10万円超えのスマートフォンをアナタは、2年毎に買い替えしますか?
結果、安いスマートフォンが売れて、高級機種しか出してこなかったメーカーは、厳しくなると思います。
今だって、iPhoneの売れ行きは、旧機種が中心で iPhone XRなどは、売れないためにバーゲンセールになりそうな状況です。
ソニーモバイルのエクスペリア(Xperia)は、キャリア販売だよりで
10万円近いスマートフォンしか提供していません。
これ! 生き残れるのでしょうか?
キャリア販売だから一定数売れていたスマートフォンは、定価になっても売れるのでしょうか?
すでにHuawei P20 Lightなどのように数万円レベルの高コストパフォーマンススマートフォンが売れている状況を考えると、キャリアが金額を補填しない高額スマートフォンは、売れないと想像できます。
格安SIM(MVNO)が、潰れる
格安SIM(MVNO)は、月々の携帯電話料金が、1000円前後から用意されています。
基本、市販のスマートフォンを購入
格安SIM(MVNO)のSIMカードという、通信に必須なカードをセットして使います。
でも、月々の携帯電話料金が安いかわりに
docomo,au,SoftBankのような快適な通信環境と言えない部分もあります。
あきらかにデータのやり取りが、docomo,au,SoftBankに比べると遅いのです。
これを問題なしとして電話を中心として使うならば
お得になると思います。
ところが、docomo,au,SoftBankの料金が4割安くなると格安SIM(MVNO)の料金に近づいてしまい。
安いというメリットが下がります。
少しぐらい高くても快適につかいたい
とおもうかも知れません。
安さを武器にしてきた格安SIM(MVNO)会社は、一部を除いて消えると想像できます。
IIJmioは、MVNOでも一番信頼がおけるのでここは大丈夫だろうな。
携帯電話料金を抑えたい
今でも携帯電話料金を抑えたいならば
派手なアクションゲームをしたいとかでないかぎり
格安SIM(MVNO)+ 数万円のアンドロイド端末
で十分です。
2千円もあれば、なんとかなるでしょう。
docomo,au,SoftBankの通信料金を4割下げることもなく
スマートフォンを賢く使う方法が、すでにあるのです。
なのに「4割値下げしろ」と強硬手段に出るのは、消費税増税の非難を軽減する人気取りとしか思えません。
反対しているんじゃないよ
「端末代金と通信料金の完全分離を義務付け」を反対しているわけではありません。
すごくまっとうな話で個人的には、賛成です。
しかし、iPhoneなどのような高価なスマートフォンを比較的低価格で使えるという状況は、今後、ないと思います。
なぜ、日本が、高価なiPhoneを高校生が所有できたか?
考えてみて下さい。
SoftBankをはじめ、キャリアのiPhoneを優先して買いやすくした施策の結果でしたが、それは、この法律と共に消え去ります。
これからは、低価格なAndroidが売れて、高価なiPhoneが、売れない時代になるでしょう。
そう、世界のスマートフォン事情となる「ガラパゴス状態」からの離脱です。
まとめ
「4割値下げしろ」は、消費税増税対策から登場
または、スマートフォンにおカネを吸い上げられて、売上が落ちた 自動車業界やサービス産業からの圧力があったかも知れません。
新聞の宅配は、消費税増税の対象から外れています。
これに対して異を唱える新聞は、ありません。
なぜでしょうか?
外国人労働者の導入を急いでいるのは、本当に人手不足からなのでしょうか?
賃金が高い日本人を使いたくない企業が、圧力をかけているのかも知れません。
もう、おわかりですよね。
週末に「IT小僧のブラック時事放談」で記事にするような内容なのでここでは、割愛します。
総務省の強硬手段にdocomo,au,SoftBankは、どのように対応するのでしょうか
事態の進展があったら、このブログでご報告します。
最後まで読んでいただきありがとうございます。