東京ゴミ戦争(とうきょうゴミせんそう)
または、杉並ゴミ戦争とも言われています。
若い人には、わからないと思いますが、1970年代に勃発したゴミ戦争である。
高度経済成長時の日本は、公害、ゴミ問題など「環境破壊 お構いなし」で経済最優先で突っ走っていました。
そして勃発した東京ゴミ戦争
都内のゴミを一手に引き受けていた江東区(夢の島他)が、全部のゴミを持ってくるなと都に苦情を呈した。
(持ってこられたらたまらないです。)
そして都内に焼却炉をつくれと主張
東京都は「全ての特別区に清掃工場の建設を決定」しかし工事が、なかなか進まない中、杉並区が焼却場建設の反対運動を行う。
これに対して怒った江東区が、杉並区のゴミの搬入阻止を実行
1972年12月6日のことであった・・・
このような事件が過去にあったわけですが、ゴミ問題、特にプラスチックゴミは、今でも大問題となっています。
今回のIT小僧の時事放談は、
海は、魚よりもプラスティックのほうが多くなってしまうかも バイオセレクション(Biocellection)社の挑戦
と題して
カナダのバイオセレクション(Biocellection)という企業がこの問題に立ち向かおうとしていることについて
まとめました。
小難しい話をできる限りわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
魚よりもプラスティックのほうが多くなってしまうかも
先日、タピオカドリンクを飲むストローをプラスチックを止めて紙製にしようとニュースで報道されていました。
人魚で有名なコーヒー屋さんは、ストローを止めるとか止めないとか・・・
この運動は、海洋生物の保護のためで カメの鼻にストローが刺さっている動画がマスコミで取り上げられました。
しかし、海洋生物どころか、
2050年までにこのままゴミが増え続ければ
海は、魚よりもプラスティックのほうが多くなってしまうかも
報告書が2016年1月、ダボス会議で発表されました。
詳しくは、このリンク先を見てください。
https://www.gizmodo.jp/2016/01/2050_has_more_plastic_than_fish_in_ocean.html
バイオセレクション(Biocellection)
大学生だった2015年に、ミランダ・ワン(Miranda Wang)とジニー・ヤオ(Jeanny Yao)という二人が、
バイオセレクション(Biocellection)社(カナダ)を立ち上げました。
https://www.biocellection.com/what-we-do/
バイオセレクション(Biocellection)社の目的は、二人が発見したプラスティックを食べるバクテリア(細菌)を研究し、実用化することでした。
しかし、このバクテリア どうもプラスチックよりプラスチックに付着している食べ物ばかり食べて肝心のプラスチックを食べてくれないことがわかってきました。
これでは、実用化できない・・・
とここで普通は、終わってしまうのですが、二人は、バクテリアではなく別の方法で実現することを実験し始めます。
ターゲットは、レジ袋
スーパーマーケットで冷凍食品とか入れるためのレジ袋ってありますよね。
あの原料は、ポリエチレンという石油から作られた製品です。
二人は、最初にこのレジ袋に対して挑戦をはじめました。
というのは、ペットボトルなどは、リサイクルができているので「ゴミになったらそれ以外のやっかいなもの」をターゲットにしたのです。
このレジ袋、
「重さはほとんどないのですが、ごみ箱の中でさまざまなごみに絡みつき、あらゆる液体や脂分を捕まえてしまうのです」
この食品や液体が付着しやすいものこそ、リサイクルの天敵となり、燃やす以外手段がなかったのです。
ミランダ・ワンさんは、この「やっかいなレジ袋」に対して
裁断、フラスコに入れ、液体触媒 投入
120℃に加熱したところ 崩壊をはじめ、液化させることに成功しました。
また、分解に使った触媒は、沸騰させて、分離することで再び使用可能となることもわかったのです。
液体触媒は、何度も使えるのです。
これによって「やっかいなレジ袋」は、化学処理で白い粉状のものに変化しました。
そして、この白い粉状のものは、ある原料となることがわかったのです。
石油に代わる原料を生み出す。
化学処理で白い粉状のものにアジピン酸というものが含まれていました。
アジピン酸、adipic acid)は示性式 HOOC–(CH2)4–COOH、分子量146.14 のジカルボン酸。IUPAC命名法ではヘキサン二酸 (hexanedioic acid) と表される。無臭の無色結晶性粉末で、融点は 152 ℃、沸点は 338 ℃
ナイロンの合成原料として重要ということです。
「わたしたちのヴィジョンはこうです。ポリエチレンはひとたびそれが消費され、使い終わって製品としての寿命がなくなれば、市場価値もなくなります。そんなポリエチレンを、石油から直接つくられるアジピン酸と同じ品質のものに変えようとしているのです」
ミランダ・ワン
誰も見向きもしなかったレジ袋を原料として蘇らせることに成功したのです。
実験から本格稼働
実験だけでは、企業としてなりたたちません。
生産ラインの試験を開始しています。
カリフォルニア州サンレアンドロにある工場で今年10月には実証実験を行い、3カ月間で17メートルトンのプラスティックフィルムごみを、6メートルトンの有機化合物に変える計画
また、レジ袋(ポリエチレン)だけではなく、ポリプロピレンも可能性があると計画中だそうです。
ポリプロピレンは、主に
包装材料、繊維、文具、プラスチック部品、種々の再利用可能な容器、自動車部品に使われていて水に浮く性質があります。
企業としての成否
処理の生産ラインができれば、プラスチックゴミから原料が生成されるわけで
おカネになります。
となれば
海に浮かんでいるプラスチックゴミを回収する仕事が発生するはずです。
現在、海で回収したプラスチックゴミは、別の場所に埋めるなどの処理しかしていません。
回収したプラスチックゴミを引き取る業者がないわけです。
まとめ
世界では1950年代以降、83億トンのプラスティックが製造されました。
おもちゃや自動車部品などが作られ、そして海に漂っています。
分解されるのに数百年を要するので、ほとんどが残ったままです。
計算したひとによると
つくられた83億トンのうち、実に63億トンがゴミとなっているそうです。
このゴミは、どうなるのでしょうか?
海という 人間の住処ではないので 東京ゴミ戦争おようなことはないでしょう。
誰も何もやらなかったら
海は、魚よりもプラスティックのほうが多くなってしまう
かも知れません。
それもあと30年ほどで・・・
そしてもっとも大事なことは、
自然保護は、寄付主体ではなく、ビジネスとして成り立たないと成功はありえない。
と自分は、思っています。
最後にミランダ・ワンさんの言葉で締めくくります。
「わたしたちが必要とするテクノロジーは、理論的に興味深いプロジェクトというのではなく、現実の社会に存在する物質を扱えるほど強固なものでなければなりません。なぜなら、50年までに実のある変化をなし遂げないと、海には魚よりもプラスティックのほうが多くなってしまいますから」
ミランダ・ワン
バイオセレクション(Biocellection)社の成功を応援します。
バイオセレクション(Biocellection)社
https://www.biocellection.com/
記事参考、引用先
プラスティックごみを分解する新しい化学的手法が、汚染された海を救う
https://wired.jp/2018/08/08/plastic-pollution-chemical-process/