銀座の片隅にひっそりと身を隠すようにその店はあった。
秘密めいた「大人の隠れ家」には、一人でふらりと立ち寄るのがちょうどいい
気さくな店主と美味いワイン、そして、店主の息子がつくる気の利いた料理
静かに時を過ごし、いざお会計!
「クレジットで一括でお願いします。え! 取り扱ってない、先月は、支払いできましたよね・・・」
こんな会話が、数ヶ月後に交わされるかも知れません。
今回の「IT小僧の時事放談」は、
「カード決済加盟店が、激減するかもしれない日 2018年6月30日 割賦販売法(割販法)改正」
と題して
「カード決済できる店が減るかも知れない」
について考えてみました。
今回も小難しい話をできるだけ簡単に解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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携帯電話では、クレジット決済ができなくなります。
携帯電話向けサイトでクレジット決済ができなくなりつつあります。
スマートフォン主流、数年先には、携帯電話の電波が停波するという話もあります。
また、携帯電話向けサイトは、需用が落ちてきているので、メンテナンスもしないだろう。
それなら、仕方がないだろう。
と自分も思っていました。
実は、もっと大きな問題になりそうです。
割賦販売法(割販法)改正
2018年6月30日、改正割賦販売法(割販法)が施行されます。
いくつか項目がありますが、今回問題になりそうなのが、
「割賦販売法の改正に基づくクレジットカード取引のセキュリティ強化」
という項目です。
内容は、こんな感じです。
カード会社及び、カード加盟店に代わって決済事務を代行する決済代行事業者(PSP:Payment Service Provider)も、カード業界のセキュリティ国際基準「PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」に準拠せよ
要は、カード会社に合わせたセキュリティをカードを実際に決済する店舗もやりなさい
ということです。
もう少し、細かく説明します。
携帯電話(ガラ携)非対応
Amazonや楽天で買物をする時にカード番号や暗証番号を入力します。
カード会社(決済接続会社)と購入サイトは、ネットで接続されています。
その通信は、暗号化されていて外部から読み取れないようになっています。
これまでは、SSL(Secure Sockets Layer)というセキュリティをかけていたのですが、このSSLという規格、2014年に脆弱性が見つかりました。
カード会社は、セキュリティ強化のため、よりセキュリティに強化されたTLS(Transport Layer Security)1.2以降を採用しています。
改正割賦販売法(割販法)では、このTLS1.2以降を使用しなさい。
ということになりました。
携帯電話(ガラ携)では、TLS対応になっていないので事実上、携帯電話からクレジット決済はできなくなってしまいます。
実店舗は?
携帯電話(ガラ携)は、終焉に向かっているので仕方がないとして、実店舗は、どうなんだろう。
現在、クレジットカードの加盟店は、625万を超えると言われています。
この店舗すべてに
「カード情報の非保持化」
「PCI DSS準拠」
という規準をクリアさせなければならないのです。
「カード情報の非保持化」というのは、
加盟店自らが保有する機器・ネットワークでカード情報を「保存」「処理」「通過」をしてはいけないということで
具体的には、カード番号、会員名、有効期限、セキュリティコードを持ってはいけないよ
という規準です。
カードの磁気カードを通して認証させるという古いタイプの機器は、使えなくなります。
「PCI DSS準拠」というのは、
PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の略称で
VISA、 MasterCard、JCB、American Express、Discoverの5大カードブランドによって 2006年9月に設立された米国PCIデータセキュリティ基準審議会(PCI SSC)が制定した事実上の国際標準基準
国際マネジメントシステム認証機構
https://www.icms.co.jp/pcidss.html
詳しくは、上記のリンクで見ていただくとして以下のような規準を満たしなさいと決められている。
・安全なネットワークとシステムの構築・維持
・カード会員データの保護
・脆弱性管理プログラムの整備
・強固なアクセス制御手法の導入
・定期的なネットワークの監視及びテスト
・情報セキュリティーポリシーの整備
これらの規準を満たしている店舗がどれだけあるのか?
調査も含めてかなり大きな課題になりそうです。
クレジット使えないの?
大手、通販サイト、大手店舗などは、対応が進んでいますが、街の小さな居酒屋などの店舗では、対応が遅れているらしい。
また、磁気カード認証ではなくIC対応の決済機器に切り替えが必要なため、それなりのコストが発生します。
一応まだ猶予期間もあるため、いますぐダメというわけでもなさそうです。
しかし、小さな店舗では、これを機に
「クレジットだと手数料も取られるのし、現金のみにする」
というところも増えることでしょう。
となるとですよ 経済産業省が困るわけです。
なぜって?
経済産業省は、現金決済をなくしたいからです。
キャッシュレス化推進
経済産業省は、キャッシュレス化を推進しています。
キャッシュレス決済比率40%の目標達成時期を、2025年万博の大阪誘致に合わせて2年前倒すとともに将来的に80%を目指すと宣言
2017年の未来投資戦略
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2017_t.pdf
要約すると
「国民に 現金を使わずにクレジットとかデビットカードなどを使うように仕向けよ」
と有識者(学者先生)を中心に「キャッシュレス決済」を目指すと「未来投資戦略 2017」で発表しています。
と宣言しているわけですが、
しかし、割賦販売法(割販法)改正で
「クレジットだと手数料も取られるのし、現金のみにする」
「それは、困る」と必死になって対策をしているところらしいです。
まとめ
日本は、キャッシュレス化されていないランキングで上位だそうです。
現金至上主義とも言われています。
これは、日本円が、信頼おける通貨であると「自慢」できるところです。
偽札などが横行する経済では、怖くて現金など使えません。
道端で財布を開けたら、銃で脅されることもないのです。
では、なぜ、政府(お役人)は、キャッシュレス化を目指したいのでしょうか?
「隠してある現金を吐き出して 税金をもっと納めろ ごらぁ・・・」
と言って・・・ ジョークです ジョーク!
よりよい経済発展を目指しているということなんでしょう。
理由はともかく
クレジットカードのセキュリティが上がるのは、使用者からすれば大歓迎です。
偽造カード再発行は、面倒ですからね(経験者は、語る)
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