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IT小僧の時事放談

「年齢確認の義務化」が生んだ副作用?イギリスでVPN利用1400%増、その理由とは

イギリスで2025年7月25日、「すべてのネット利用者」に年齢確認が義務づけられた。

顔認証、銀行照会、個人データの提出…。その日から、Proton VPNの新規登録数はなんと14倍に急増。

ユーザーたちは何から逃げ、何を守ろうとしているのか?
今、ネットの自由と監視社会の境界線が、大きく揺れている――

イギリスで「オンライン安全法」施行、VPN登録者数が急増

2025年7月25日、イギリスで「オンライン安全法(Online Safety Act)」が正式に施行され、すべてのネットサービスに対してユーザーの年齢確認が義務化されました。

この新法の目的は、未成年者がアダルトコンテンツや出会い系サービスなど「不適切」とされるコンテンツに触れるのを防ぐこと。しかし、その裏で起きたのは、VPNサービスの登録者数がわずか数日で1400%増加</strongするという驚きの現象でした。

この数字を公表したのは、スイス発のプライバシー重視型VPNプロバイダー「Proton VPN」。彼らによれば、新たな規制が始まった当日から爆発的に利用が拡大し、特に朝9時以降のピークは「前代未聞」と語っています。


Proton VPN Observatory (2025) | Proton VPN
https://protonvpn.com/internet-censorship-observatory

顔認証や銀行照会で年齢確認…?プライバシーへの懸念

年齢確認の方法には、顔認証・IDスキャン・銀行情報照会などがあり、ユーザーからは「やりすぎだ」「監視されているようだ」との声が多く上がっています。

特に、顔認識AIを用いた判別は「個人情報の一部として顔データを蓄積される可能性」があり、プライバシー意識の高いユーザーほど強く反応しています。

その結果、「何かに監視されるくらいなら、VPNを使って身元を隠した方がマシ」という心理が働き、VPN登録が爆増したと考えられています。

フランスでも同様の動き、Pornhubがアクセス遮断

イギリスに先駆けてフランスでも同様の法律が導入され、2025年6月にはアダルトサイト大手「Pornhub」がフランスからのアクセスを全面的に遮断。

このときもVPNの登録者数は1000%増と爆発的に伸びており、年齢確認義務化がVPN利用を加速させている明確な証拠といえます。

 

Proton VPNの新規登録者数を示していて、だいたい連日、昼にピークがあって緩く下がっていくグラフを描いていたものが、7月25日に跳ね上がっているのがわかります。

Proton VPNの声明:「この現象は社会的不安の証」

Proton VPNは公式声明でこう述べています:

「このサービスは、検閲やプライバシーの懸念を乗り越えるために設計されています。今回のような急増は、市民の間でプライバシーに対する不安や不信が高まっていることを表しています」

つまり、ただ「不適切なコンテンツを隠す」ためではなく、国による監視社会化への抵抗としてVPN利用が増加している側面もあるというわけです。

今後、日本でも起こり得る?プライバシーと監視のジレンマ

日本でも近い将来、青少年保護やコンテンツ健全化のために、年齢確認義務の法整備が進む可能性はあります。

そのとき、イギリスやフランスと同じように「監視への抵抗」としてVPNの普及が急増することも予想されます。

いま一度、「子どもを守る正義」と「市民のプライバシーを守る自由」の両立について、真剣に考える時期が来ているのではないでしょうか?




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