世界的に景気が下降線に入っています。
米国では、大手テック企業(IT)やスタートアップ企業で人員削減を開始しました。
同時にオフィスの縮小、集約、撤退、移転を始めています。
一方、日本は、次々とオフィスビルを建築していますが、それって大丈夫ですか?
今回のIT小僧の時事放談は、
忍び寄る不況の影 オフィスビル新築ラッシュの日本とオフィスの縮小化が進む海外企業
と題して、世界経済の下降に対していち早く対応している企業について考えてみよう。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
オフィスビル新築ラッシュの日本
最初にこの記事を見ていただきたい
2018年から3年間続いたオフィスビルの大量供給は終わり、2021年、2022年とも2020年の供給量の半分以下となる供給抑制期を迎える。
コロナ禍は2年目となり、縮小移転や部分解約などで空室率の上昇が続いている。今年9月期の調査ではグレードAマイナスにおいて7年ぶりに4%台となった。今後、コスト意識の高まりから、空室率はなだらかに上昇し、賃料も下落基調が続くことが予想される。
昨年、「虎ノ門ヒルズ」駅や「高輪ゲートウェイ」駅など新駅が開業し、東京の都市構造に変化の兆しをもたらすであろうエリア周辺において、2023年以降、大型の竣工ラッシュが控えている。今後、ニューノーマルの働き方を模索し、移転を予定する企業にとって、オフィス戦略は難しさを増すことが予想される。
東京オフィスビル竣工マップ|2022年版
https://www.cbre-propertysearch.jp/article/tokyo_development_map-2022-index/
さすが、不動産関係者は冷静な目で見ている。
建ててしまったけど 今後は厳しきなるだろうと予見しています。
一方、現在の東京の状況はこんな感じである。
2021年 東京オフィスビル竣工予定MAP|2022年版
老巧化したビルも増えているので再開発に着手していると思います。
しかし、そんなにオフィスを作っても肝心の借りてはどうなるんでしょうか?
オフィスで仕事しないと非効率?
新型コロナの影響もあり「テレワークという 働き方改革の実験」がおこなれてきました。
そして、空室率の増加、シェアオフィス市場の拡大と言われているようですが、通勤電車は、混み始め、オフィスに人が帰ってきました。
働き方改革など 所詮、サボる人間が増えるだけで効率的でない
まぁ 多くの経営者は、そう考えているのではないでしょうか?
別の観点から言うと
「オフィスを借りているのに使わないなんでばかみたい」
「リモートワークは、非効率的」
「社員は、顔を合わせていないとチームで仕事ができない」
頭の古臭い経営者は、こんなレベルで狭いオフィスに人を集め、それによって感染者が増えて、休みの人が増えて 業務を圧迫しているのが現状です。
欧米では、オフィス圧縮、撤退が続いている
ツイッターが従業員に向けて7月27日に送った通達によると、同社はサンフランシスコにあるオフィスのひとつを閉鎖し、カリフォルニア州オークランドにおけるオフィス新設計画を断念することを明らかにした。さらにコスト削減の一環として、7カ所のオフィスの今後について慎重に検討しているという。
米国のYahoo!
米国のYahoo!が、2021年末に完成したばかりの65万平方フィート(約60,000平方メートル)もあるサンノゼキャンパスを手放すのではないかという噂が、6月上旬に流れたのだ。
レビューサイトのYelpは業務が完全なリモート化に近づいていることを理由に、全米各地にある延べ45万平方フィート(約42,000平方メートル)のオフィススペースを閉鎖予定であると6月末に発表している。
レビューサイトのYelp
レビューサイトのYelpは業務が完全なリモート化に近づいていることを理由に、全米各地にある延べ45万平方フィート(約42,000平方メートル)のオフィススペースを閉鎖予定であると6月末に発表している。
ネットフリックス
ネットフリックスが会社全体の事業縮小の一環として、カリフォルニアにある約18万平方フィート(約17,000平方メートル)の物件をサブリースする予定であることを明らかにした。
セールスフォース
セールスフォースもサンフランシスコにある自社名を冠する超高層ビル内のオフィススペースの半分をサブリース物件として7月中旬に貸し出している。
インスタグラム
インスタグラムの代表であるアダム・モセリがカリフォルニア州にあるメタ本社から離れ、ロンドンに拠点を移す予定だと報じた。
テック産業だからできると言うわけですが、この先はどうなるかわかりません。
不動産調査会社Green Streetのシニアアナリストのダニエル・イスマイル
不動産調査会社Green Streetのシニアアナリストのダニエル・イスマイルは指摘する。「テクノロジー企業は世界的に見ても最も収益性が高く、価値のある企業と言えます。そうした企業であっても、オフィスは依然としてコストのかかるものです。しかし、それは将来的にそれほど重要ではなくなるかもしれません」
ここまでの資料
WIRED
https://wired.jp/article/twitter-cuts-spell-trouble-for-big-office-boom/
巨大な利益を生み続けているテック産業ですが、経済の動きをいちはやく察知して豪華でカネのかかるオフィスのコストを削減しようとしています。
移転が意味すること
巨大テック産業がある地域は、それだけで大きな雇用を生み出してきました。
それは、社員だけではなく
清掃員、警備員、ケータリング業者など、オフィスワーカーを支えるあらゆる人々が関連の仕事をしています。
しかし、オフィスが去ってしまったら 彼らは職を失い、地元の経済も圧迫します。
日本でも「自動車工場の撤退で街が寂れてしまった。」なんてニュースになります。
さらに、オフィスに入っている飲食店や近隣の飲食店や居酒屋さん、コンビニなども消えてしまうかもしれません。
IT小僧の努めているオフィスの周りでも閉まっている店舗が増えているので実感しています。
こうなると地域経済に大きな影響が出ることが必須です。
忍び寄る不況の影
アメリカでは、高インフレや積極的な利上げの影響で景気は減速していく見通しである。政策金利は、2022年秋までに中立金利を上回り、2023年序盤には4%に達すると予想している。これにより需要が抑えられる一方、労働力不足や生産・物流面の供給制約が緩和されることが下支えとなり、2023年の成長率は潜在成長率並みの1%台後半を維持する見込みである。
需要項目別では、個人消費は、過剰貯蓄の取り崩しに支えられ、高インフレ下でも増勢を維持する見込みである。住宅投資は、金利上昇の影響を受けながらも、供給制約の緩和や潜在需要に支えられて底堅く推移すると予想する。設備投資は、人手不足や賃金高騰を受けた省力化投資などを中心に底堅い伸びを維持する見込みである。
また
景気悪化の懸念増すが…米国株は「絶好の投資チャンス」といえるワケ
という記事も見かけるが、本当であろうか?
米国I大手テック企業の急なコスト削減を見る限り 持ち直すという楽観論は危険だ
もっとも経済屋さんが、これから「景気が暴落しますよ 株をって話なさい」なんて言うわけはない。
豪華なオフィスなど必要ない
日本の場合、経済界、権利団体の圧力が強いため 欧米のように極端にオフィスが縮小するなんてことはないと考えられます。
なぁなぁ、持ちつ持たれつ、変革を好まない経営者、ルールを捻じ曲げて忖度する人たちなどが権力を持っている限り、都会から巨大企業が引っ越ししてしまうなんてことはないでしょう。
テック産業も世界的に影響のある企業などありませんから、米国のような状況にはならないです。
しかし、一部のスタートアップ企業とか個人事業主が増えてくるとなるとオフィスにかけるコストを削ってくるはずで 新しい産業、サービスの出現とともに
新しい働き方も増えてくるはずである。
リモートワークが使い物になることがわかれば、広く(世界中)有能な人材を登用できることを知っているはずです。
そうなると豪華なオフィスなど必要なくなりあます
オフィスレンタル
バーチャルオフィスも増えてくるだろう
まとめ
日本の場合
新型コロナに対して 国も経営者も無策
というところでしょうか?
じっとしていれば感染者が下がり もとに戻るのを待つだけ
あるいは、
ルールを変えて、感染者と濃厚接触者の待機日数を変えてしまえ
と言うところでしょうか?
積極的にオフィスを手放したり、閉鎖したりして、やがてやってくるだろう不況時代を見越して先手を打っている欧米のテック企業
一方、再開発で次々とオフィスを建築している日本
生き残るのは、どっちだろう?
その結果は、数年後にわかると思います。