大手携帯電話会社は、2年毎の買い替えを前提にローンを組み、最近では、2年後に端末を返却することで毎月の支払額を抑えるという「残価設定ローン」が主流となっています。
つまり、2年毎に大量の中古端末が、積み重なるということを意味します。
今回のIT小僧の時事放談は
スマートフォンのリサイクルと修理について考えてみよう
と題して スマートフォンをはじめ電子デバイスのリサイクル事情について欧州の取り組みと修理して長く使うということについて
小難しい話をわかりやすく解説しながら記事にしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
毎年およそ4,540万トン
スマートフォンだけではなく、あらゆる電子デバイスのゴミは、
毎年 およそ4,540万トン
と言われています。
※国連訓練調査研究所(UNITAR)Global E-Waste Statistics Partnership(GESP)試算による
そして、そのゴミの中から 20%がリサイクルされています。
残りの80%は、最終的に地中に埋められてしまいます。
もちろん、その中には、有害物質も多く含まれているので化学汚染という問題は発生する可能性があります。
しかし、80%廃棄される電子デバイスにも資源が眠っているはずである。
これらをどうすればよいのか?
欧州では、通信会社とClosing the Loop(CTL)という団体が活動をはじめました。
Closing the Loop(CTL) オランダ
本拠地がオランダにある Closing the Loop(CTL)という団体は、ドイツ
ボーダフォンとドイツ市場で携帯電話(スマートフォン)において
「ドイツの個人客向けに携帯電話1台を販売するたびに、中古の携帯電話1台を再利用に回す」
2022年6月21日 発表
という活動を開始しました。
具体的には、
寿命が尽きて使用も修理も不可能となった携帯電話を、ガーナやナイジェリア、カメルーンを中心とする回収ネットワークを使ってClosing the Loop(CTL)が買い取る。
という取り組みで「One for One」という名称が付けられています。
この「One for One」によって買い取られた携帯電話は、、専門業者の手によって金、銀、銅、コバルトが抽出され リサイクルされ 再び携帯電話をはじめとする電子デバイスに利用されるという仕組みになっています。
ここで IT小僧がこの記事で少し疑問に思ったのが
「ガーナやナイジェリア、カメルーンを中心とする回収ネットワーク」というところでコストの問題と推測できますが、ガーナやナイジェリア、カメルーンで実際にどのように処理されているかは、今回 調べきれなかった。
一応、Closing the Loop(CTL)は、リサイクルに必要なインフラ構築のための直接的な支援をしているらしい
と発表しています。
GigaGreen Re-Trade
ボーダフォンは、Closing the Loop(CTL)と共同でGigaGreen Re-Tradeと題して 家の中に眠っている古いスマートフォンを
下取り価格を簡単に算出して 送料無料で引き取ってくれる仕組み
を開始しています。
つまり、眠っているスマートフォンを無駄にしないように資源として扱おう
という運動です。
IT小僧の家にも携帯電話(ガラ携)やルーターなどたくさん眠っています。
日本ではどうなっているのか?
日本でも中古市場が盛り上がっていますが、それは、中古販売ということで、Closing the Loop(CTL)とは意味が違っています。
そのため、転売屋が横行し、携帯電話会社も対応に知恵を絞っているようです。
例えば、株式会社ギアという会社では、スマホデータ消去サービス「ZAURUS(ザウルス)」という事業を開始しています。
スマートフォンのデータ消去だけでは、消しきれないデータを完全に物理的に破壊するためにリチウムイオンバッテリーを取り外し、欧米世界規格準拠の専用シュレッダーで完全物理破砕して、リチウムイオンバッテリー、破砕物ともにすべて有用金属資源として再資源化という試みを行っています。
この株式会社ギアという企業は、スマホデータ消去サービス以外にiPhoneの修理も展開しています。
iPhone修理アイサポ
iPhone修理アイサポの全国運営も行っていて
全国300店舗以上の店舗網にてiPhoneを中心に最短30分、即日修理サービスを展開中です。
iPhoneは、修理、バッテリーの交換などで長く使えるので大切にしましょう。
捨てるより修理して使おう
ここまでの話は、廃棄に伴う資源の再利用ですが、そもそもなるべく廃棄しないという試みも多くなってきました。
先にあげた iPhone修理アイサポ もそうですが、バッテリーの交換をすることで修理して使うということが、お財布にも自然にもやさしい ということが見直されると思います。
iPhoneの場合、長期間(最低3年以上)セキュリティを含めOSTのアップデートが行われているので 長期間使用することができますが、Android端末というと 長くて3年 ひどいところになると1年後には、まともにアップデートされないというものもあります。
長期間利用の問題点
iPhoneは、Appleという1社が、提供しているので可能だと思いますが、Androidの場合、多くの企業が独自に行っているために アップデートが、されたりされなかったりが起こっています。
例えば、自分が使用している SONY Xperia 1 II は、キャリア版は、アップデートされるのにSIM FREE版は、アップデートされない なんてことが行われています。
これでは、10万円近いおカネを出して購入しても安心して使うことができません。
売りっぱなしということは、次回 購入するときに対象から外れることになるでしょう。
Android端末で積極的にアップデートを行っているのは、SHARP AQUOSシリーズです。セキュリティアップデートもきちんとやってきています。
ここは、SONYさん 見習ってほしいと思います。
また、Android OSの開発元のGoogleが、販売している Pixelシリーズは、セキュリティアップデートも毎月行われるし、OSTのアップデートも以下のようになっていて安心です。
「米国の Google ストアで対象デバイスの販売が開始されてから少なくとも 5 年間、Google Pixel のアップデートが提供されます。」
IT小僧的には、カメラとか特殊な機能にこだわらない限り、長期間利用することを考慮するならば、
Google Pixelシリーズ一択しかないと思います。
まとめ
使われなくなったスマートフォンの回収は、日本の企業も積極的に開始するでしょう。
「地球にやさしい」なんて言葉は、IT小僧はあまり好きではないのですが、金銭的なこともふくめて、スマートフォンを2年ごとに買い替えるなんてことは、今後 見直されてくるものと思います。
そのためにも修理することも含めて、スマートフォンを選ぶという考え方が多くなると感じています。