三国志は、魏呉蜀という3つの国が勢力を争っていました。
後に魏の後継の普という国が統一を実現します。
クラウドの世界も勢力図に大きな変化が出てきました。
圧倒的な勢力を保っていたアマゾン・ウェブ・サービス(AWS:Amazon web Service)が、マイクロソフトのAzure(アジュール)を含むクラウド事業にシェアNo1の座を譲ってしまいました。
今回のIT小僧の時事放談は、
仁義なきクラウド戦争 三国時代から 二強時代へ 米マイクロソフトが首位奪還 時代はAzureを選んだのか?
と愛して、2019年夏のクラウド(Cloud)について考えてみました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
マイクロソフト売上高ベースNo1
2018年売上高ベースのクラウド市場シェア
マイクロソフト
前年比2.4ポイント増の13.8%
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
前年比1.1ポイント増の13.2%
わずかながらマイクロソフトが首位に立ちました。
※英IHSマークイット(調査会社) 2018年の売上高ベースのクラウド市場査
https://ec-orange.jp/ec-media/?p=18343
ついに売上高とはいえ、AWSから首位の座を奪ったマイクロソフト
でも内容を見るとチュッと偏りが見られます。
マイクロソフト躍進の原動力
マイクロソフトのクラウドに関する売上の内容をみてみよう
特徴
マイクロソフト
[アプリケーション]
・SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)
85億ドル
[インフラストラクチャー]
・IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)
・PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)
・ホステッド・プライベート・クラウド
183億1300万ドル
合計 268億1400万ドル
一方
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
[アプリケーション]
・SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)
3200万ドル
[インフラストラクチャー]
・IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)
・PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)
・ホステッド・プライベート・クラウド
256億2400万ドル
合計 256億5600万ドル
[アプリケーション]では、マイクロソフト
[インフラストラクチャー]では、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
と言えるでしょう。
マイクロソフトの特徴
マイクロソフトの[アプリケーション]の成功は、主にSaaSの「Office 365」と言えよう。
「Office 365」は、電子メールやオフィスソフトの機能を提供でサブスクリプションモデルで
ExcelやWordなどのOfficeソフトウェアを月数千円で使えるようになるサービスです。
自分もこのサービスを使っていて、最新のOfficeと1テラバイトのOneDriveというオンラインストレージが使えます。
年間 ¥12,744 月 ¥1,274の金額で以下のアプリが使い放題
Word,Excel,PowerPoint,Outlook,Publisher,AccessそしてOneDrive(1テラバイト)が使えます。
しかも常に最新版がインストールされます。
買い切り版の場合、バージョンが新しいものは買い直しとなるので、いろいろと考えるとこのサービスは魅力
それは、契約が増えるはずです。
特に大企業にとって、再インストールなどの手間もかからず、常に全PCが、最新のOfficeに揃えられるのは効率的
マイクロソフトの躍進の大きな原動力は、この「Office 365」にあるのです。
「Microsoft Azure」のIaaSやPaaSも順調に伸びています。
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の特徴
アプリケーションが3200万ドルに対してインフラストラクチャーが256億2400万ドル圧倒的に[インフラストラクチャー]が強い。
個別のシェアでみるとAWSはIaaSでのシェアが45%
「IaaSに限れば圧倒的」
ただし、「Office365」のようなアプリケーションサービスが、ないのでマイクロソフトに僅差で負けてしまいました。
ただし、サーバーのレンタルとも言うべき部門では、圧倒的にシェアを保持しています。
PaaS,IaaS,SaaSってなんだ
ここまでクラウドの中で登場してきたPaaS,IaaS,SaaSという用語について超簡単に説明します。
PaaS,IaaS,SaaSの違いですが、「どこまでサービスするか?」という違いです。
ひとつずつ見ていきましょう。
PaaS
Platform as a Serviceの略で、読み方は「パース」と呼ばれています。
意味は、「サービスとしてのプラットフォーム」で、開発に必要なネットワークなどのインフラや
OSなどのプラットフォームと呼ばれるものが揃っているサービスです。
契約して、すぐにアプリの開発ができます。
時間によるカウントで従量制の料金体系が多いのが特徴です。
IaaS
Infrastructure as a Serviceの略で「イァース」「アイアース」と呼ばれています。
意味は「サービスとしてのインフラ」で仮想サーバ、ハードディスク、ファイアーウォール
などのインフラのみの提供でPaaSと違って最低限の環境しか提供されません。
場所を貸すからあとは、ご自由に という感じです。
SaaS
”Software as a Service”の略で「サース」と呼ばれています。
Gmail、Yahoo!メール、Google Photo、無料ブログサービス、「Office365」もここに属します。
アプリのサービスを準備してあってあとは、それを使ってください。
という感じです。
開発とかカスタマイズとかは、ほぼありません。
インフラとアプリ・サービスがセットです。
※マイクロソフトのクラウドサービスのAzure(アジュール)は、PaaSやIaaSのサービスなので当ブログでは、マイクロソフトのクラウド=Azure(アジュール)とは記載しませんでした。
マイクロソフトのクラウド=Azure(アジュール)+SaaS(「Office365」)+その他といったところでしょうか?
その他のクラウド
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフト以外では、3位 IBMクラウド、4位グーグル(Google)です
IBM
IBMクラウドは、シェアは前年比1.4ポイント減の8.8%。IBMはアプリケーション分野で首位
ビジネス分野では、圧倒的にIBMクラウドが強い。
171億4400万ドルの売上のうち、132億7000万ドルが、アプリケーションでここだけを比べれば圧倒的にシェアNo1です。
IBMの方針は、あくまでビジネス、インフラ単体のクラウドは、積極的ではない。
グーグル(Google)
グーグルは、シェアは前年比0.5ポイント増の5.6%だった。
残念ながら3橋とならず、マイクロソフトとアマゾン・ウェブ・サービス(AWS:Amazon web Service)に差をつけられてしまったようです。
まとめ
マイクロソフトの強みは、ビジネスで使うアプリをガッチリ握っているところでこれからExcelやWordに勝てる見込みはない。
そのマイクロソフトが、クラウドとビジネスツールを連携させるとしたらかなり強力になるであろう。
モバイルで敗北したマイクロソフトがクラウドを目指したのは、大正解だったと言えよう。
クラウドサービスは、モバイルの根幹を握ったとも言えるもので、AIを含めてすべてのものがクラウドに構築されてゆくと思われる。
社内にサーバーを置いておくとか、データセンターにサーバーを置いておくという時代は、すぐになくなるだろう。
すべてがクラウドになる日も近い、米国では、クラウドファーストを開始、日本でも追随すると思う。
すべてがクラウドに集まったとき何が起こるのか?
2強時代になったクラウド戦国期は、今後どうなるか、大きな出来事があったら、またブログに取り上げたいと思っている。
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