IT小僧は、前職では、経営者層に近いところで仕事をしているプログラマーでした。
プログラマーと言っても「スタートアップ企業」のため「営業」「企画」「システム設計」「構築」「保守」「人員コントロール」まで手がけていて、24/365に近い状況が1年以上続きました。
数年後その企業は、運も味方したこともあって、顧客も増え、従業員も10倍近くなりスタートアップに成功しました。
しかし、リーマンショックの波に飲み込まれ、早期退職社精度を発表
100名以上いた会社は、半分以下、新しいオフィスの半分は、人がおらず、電気も消されているという状況になりました。
今回の日本のIT屋に一言では、
「45歳以上リストラ」と「2025年の崖」は、連携している
と題して、
人手不足なのに「45歳以上リストラ」が、昨年から続いている現象について、スタートアップ企業で見てきたことを中心にブログに纏めました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
経営の目的は、「利益追求」
経営の目的は、「利益追求」です。
「社会貢献」とか(表では)言っている人もいますが、本音を言えば
「儲けること」
これだけです。
「収益を上げること」こそ経営の本質であり、どんなに社会的に善良な企業でも
「儲からなければ、消滅します」
経営者は、常に「おカネの出入りをチェック」し、「どの分野が儲かりそうか」考えています。
儲からない分野は、バッサリと切り落とし、儲かる分野に資金を投入する。
「できる経営者って 儲かる儲からないと言う判断が、論理的に判断できる人であり、直感的な感覚を持っている人」
だと思っています。
そのためには、時には「非常な決断」も行います。
「45歳以上のリストラ」は、無能な経営社の後始末
最近の「45歳以上のリストラ」は、無能な流行だと思います。
「45歳以上」
「終身雇用は、無理」
という経団連あたりの発言から始まった「45歳以上のリストラ」は、ブームのように広がっていった。
人員削減で一時的に数字は、よくなりますが、そのリストラで有能な社員が流失しているのを気が付かない企業が多いのです。
「早期退職社精度は、企業に有能な社員から辞めてゆく」
というのは、昔から言われていたことであり、自分も経験しているのでよくわかります。
そして、日本の社会では、企業イメージが、悪くなります。
長期的に考えれば、有能な新人は、敬遠するでしょう。
最近、
「研究者 初任給 1000万円」
なんてお題目を唱えても「将来的にはアテにならない」企業と判断されてしまうかも知れません。
若い人は、企業が思っている以上に冷静に判断しています。
バブル経済の後始末
バブル経済と言われた 1988年~1992年あたりに企業は、大量採用を行いました。
結果的ですが
「景気が良いからと多く人を雇った」
という過去の経営層の「短絡的な視点」がこうした結果を招いているような気がします。
さらに
「45歳以上の人員が膨らんでいるままに ほったらかしにしておいた」
歴代の経営層が無能だったということになるかも知れません。
企業の人員構成で膨らんでいる人員は、もっと早く対応すべきでした。
そうすれば、次の仕事も見つけやすいし、ダメージも大きくない。
「45歳以上の転職」が、どれほど大変なことか、経営者層は知らないであろう。
労働者から言えば
「45歳以上になってから言うなよ」
と言う心境でしょう。
年功序列の給与制度
日本独自の企業風土で
年功序列でしか給与が上がらないシステム
役職がつかないと給与が上がらないシステム
にドップリと浸かってしまった企業が、「45歳以上」を切ろうとしています。
先に述べたように「非常な決断」で決めた経営者もいると思いますが、
「単なる安い労働力」を求めるだけで「45歳以上リストラ」を決めた経営者がいるとしたら
その企業に未来はない
「経団連が言ったから、あそこがやっているから うちがやっても大丈夫」
的な感覚で短期的な数字を良く見せようとしていたら
なんてことはないですよね
2025年の崖
「2025年の崖」などという経済産業省の「曖昧なキーワード」でプロのコンサルタント業の人がたくさんの書籍や講演を開いています。
これは、同じく、2018年に施行された「GDPR」と同じように「コンサルタントを生業にしている人」にとっては、大きなスマッシュヒットとなるでしょう。
でも「曖昧なキーワード」は、すぐに忘れ去られます。
そもそも「2025年の崖」とは、何でしょうか?
経済産業省によると
2018年9月に発表した「DX(デジタル変革)レポート」では、複雑化やブラックボックス化した企業のITシステムが「デジタル変革」を失敗させ、2025年から毎年12兆円の経済損失をもたらすと提言
それを「2025年の崖」と言っている。
こんな意味合いです。
どうですか?
曖昧でしょう。
そもそも DX(デジタル変革:デジタルトランスフォーメーション)てなんだよ!
簡単に言うと
AI、IoT、5Gなどの(今想像できる)最先端な技術の取り組みが欧米に比べて日本は遅れている。
こんなことじゃ、2025年あたりに日本は、落ち込むぞ!
だから、
「早めに古いシステムをリニューアルしてIT企業にカネを落とせ!
そうしないと大手SIerが潰れちまう・・・」
というところです。
最後の「早めに古いシステム・・・」というのは、IT小僧の「付け足し」ですが、まんざら間違っていない気もします。
単なる経済産業省のレポートでしたが、これはインパクトが大きい、
合わせて経団連の「終身雇用制は、無理」という発言で、多くの企業が一斉に
「45歳以上のリストラ」に走ったと思います。
そもそも「2025年の崖」の前に「2019年の消費税増税で崖から転落」しそうですが・・・
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2025年の崖から落ちないために
経営の基本は、以下の3つだと思います。
「新規事業開発」
「既存事業のビジネスモデル改革」
「コスト削減と生産性向上」
新規事業開発
新規事業は、平凡な人間では、実現が難しいので
スーパープロデューサー
スーパーデザイナー
スーパーITエンジニア
という3つの人材を「高い金を払って来てもらう」のが手っ取り早い。
だから米国のIT企業では、多額の報酬で他社の人材を引き抜いている。
企業の概念に囚われている社員のアイデアなどでは、スマッシュヒットが出ればラッキー程度で新しい事業を起こすことはできない。
もっとも「企業の概念に囚われていない社員」は、大企業では居心地が悪いのでとっくにいなくなっているはず。
既存事業のビジネスモデル改革
これは、外部から新しい人材の登用でもない限り実現は難しいような気がします。
生え抜きの社員では、企業の常識に囚われていて改革は難しく経営層の気に食わない改革は、絶対にできない。
コスト削減と生産性向上
これは、生え抜きの社員でなければ対応できません。
有名なのは、トヨタ自動車の「改善」です。
トヨタ自動車のすごいところは、徹底的なコスト管理であって、クルマの性能云々だけではないと思っています。
と言っても、最近は、「挑戦的」な企業で面白いクルマが出てきているのも事実
トップに立つ人が、テストドライバーという「クルマ好き」から 改革が始まったような気もします。
ちょっとそれましたが、ここの最も手っ取り早い改革方法は、
デジタルに詳しい経営者層が、社内の反対を押し切って一気に業務変革をすればできるかも知れない。
つまり、社内業務をすべてクラウドとパッケージに合わせるということです。
もう、高い金を払ってIT企業に頼む必要がなくなります。
空いたコストで「新規事業開発」にカネを突っ込むことができるはず。
変わるIT業界
IT業界は、ものすごい人手不足、もっともこの業界も若い人目当てなのは、同じこと
年寄りが働けるところが少なくなっている。
確かに同業者でも自分と同じように一線で働いている人は少ない。
みんな、廃業してしまった。
IT小僧がまだ生き残って仕事ができるのは、「運」と「多様性」だと思う。
専門バカにはならずに、案件がある毎にその分野の勉強をしてきた。
最近は、忘れやすくなった年寄りでも「次の候補を教えてくれる便利な開発環境」があるし「即時に調べられるGoogle検索がある」この2つがあれば、大抵なことはできるし、新しい環境でも仕事ができる。
分厚い英語のマニュアルを広げていた時代を経験してきたIT小僧の世代には、こんな便利なありがたい世界になったものだ。
まとめ
「2025年の崖」と「45歳以上リストラ」が主流になってきた現在、企業で働く多くの人は、
「ある年齢まで行ったらリストラ」という現実が待っています。
いくらお役所で70歳まで仕事しろと言っていても「カジュアルフライデー」のように「企業にとっては、関係ない話」になるであろう。
仕事がなければ、働けないわけで、能力があっても年齢だけで切られてしまう現実があります。
今でこそ、大企業が話題になっていますが、今後、中小企業でも同じことが起るでしょう。
企業からおカネをもらっている政治家に解決方法などなく、お役人も自分の利権を守るので忙しい様子
誰も助けてくれなさそうです。
自分の仕事は、自分で作るしかなく、自分の価値も自分で作るしかない。
今後、増えてくる高年齢に対するネットサービスは、高年齢のエンジニアがプロデュースしなけえば、使えるものは出てこない。
そこに気がついていない企業は、「2025年の崖」に対応しても「45歳以上リストラ」を実行しても衰退するであろう。
というぐらい、高齢化社会が迫っていることを知ってほしいと思っている。
高年齢層向けのサービスを実現できたら
「儲かりそうなんだけどな」
と思う今日このごろである。