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IT小僧の時事放談

Nature Human Behaviourに掲載された「性格は気候の影響を受ける」という研究結果について考える。

2018年4月25日

3月から4月にかけて「暑かったり」「寒かったり」一日で最高気温が10度違うという日が続きました。
子供の頃は、このぐらいの気温の差とかあまり気にしていなかったのに、50歳後半になると
「あちこち調子が悪い」日々が続きます。

2017年11月に学術誌「Nature Human Behaviour」に興味深いレポートが掲載されました。
「Regional ambient temperature is associated with human personality」
訳すると「性格は気候の影響を受ける」とでも言うのでしょうか?

今回のIT小僧の時事放談では、
「Nature Human Behaviour」に掲載された「性格は気候の影響を受ける」
という研究結果について考える。」
と題して
「気候と性格」
について考えてみました。

今回も小難しい話をできるだけ簡単に解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

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性格は気候の影響を受けるのか?

「寒いところの出身者は、我慢強い」
とか
「暑いところの出身者は、開放的」
だとか、日本でも昔からこのようなことが言われています。
別に北海道や東北地方出身者だからとか?
九州、沖縄だとか?
「人間の性格は、気候によって影響が出るのでしょうか?」

「Nature Human Behaviour」 に掲載されたレポートは、
中国やオーストラリア、英国、米国を拠点とする心理学者たちです。

快適な気温(22℃前後)で育った人々が、極端な気温のなかで育った人々に比べて、社交性や安定性(協調性や統制性、情緒的安定性)、自己成長や可塑性(外向性や開放性)に関する性格因子で高いスコアを記録することを発見した。

なるほど
でも理由は、なんでだろう?

屋外の気温が性格に影響する理由

レポートによると

気温が快適だと人は、外出しやすくなり、他者と会ったり幅広い活動を行ったりする傾向がある。
しかし、寒かったり暑かったりする地域では、家にこもりがちになるため、社会的なやりとりや活動が限定される。

えええ! なんか こじつけのような気もするのですが・・・

直感的な発見のようなものなのです。

ケンブリッジ大学の社会心理学者
ジェーソン・レントフロウ

直感!

科学者の大事なものは

直感とイマジネーション

日本沈没の田所先生も話していましたけど


実験の結果

科学ですから実証しなければならないはずです。

実験によって検証できるようになったのは、ほんの最近のことでインターネットを利用することで研究者たちが大量のデータを集める手段ができたからです。
ケンブリッジ大学の社会心理学者
ジェーソン・レントフロウ氏によると

なるほど では、実験結果をみてみましょう

調査対象

  • 中国の大学生5,587名
  • 166万638名のアメリカ人

が選ばれました。
それぞれ

  • 性格に関する調査にオンライン上で参加
    (中国の大学生)

または

  • 性格診断と引き換えに、調査に参加
    (アメリカ人)

実験地域

  • 調査対象の出身地である59の都市の気象データを収集
    (中国の大学生)
  • 郵便番号別に12,499地点の気象データを収集
    (アメリカ人)


集まったデータを元に

年齢、性別、1人あたりGDP、湿度や風速といった要因と照らし合わせた結果

「穏やかな気候下で幼少期を過ごすこと」
「大人になったときに外向的で協調性があること」

という傾向があることを見つけ出した。

どうなのかなぁ?

国として体制が違う2国で調査を行い、同じ傾向が見つかったというものは、性格の差異を予測する理論的根拠にも説得力がある。
オハイオ州立大学の社会心理学者
ブラッド・バウシュマン

と研究に参加していない研究者もメールで回答しているので

傾向がある

ということなのでしょうか?

ニューヨーカーとテキサス野郎が同じ気質

ケンブリッジ大学の社会心理学者
ジェーソン・レントフロウ氏は、研究を続けます。
米国48州の計150万人からデータを集め、その結果をまとめたレポートを作成

2013年10月17日 アメリカ心理学会(APA)
同じ気質の米国人は、同じ地域に住む可能性が非常に高い。
米国を3つの地域に分けてマップを作成
地図は、こちらから見ることができます。
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/10/131017093459.htm

報告書は、主に3つの地域が対象になっています。

  1. グレートプレーンズからディープサウスまで広がる「友好的でクリエイティヴ」な地域
  2. 西海岸地域とロッキー山脈周辺、東海岸の一部地域からなる「リラックスしていて、クリエイティヴ」な地域
  3. ニューイングランドや中部大西洋岸地域、テキサスで構成される「気まぐれで奔放」な地域だ。

注目すべきは、3つ目
ニューヨークとテキサス地方の気質が「気まぐれで奔放」で一致している。
ニューヨーカーとテキサス野郎が同じ気質ですか???

面白いな

懐疑的な意見

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の環境人類学者であるアンドリュー・マシューズ 今回の調査結果の一部について懐疑的な意見を述べています。
以下4つの問題提起をしています。

  1. 中国と米国が広大であること
  2. 両国が文化的多様性をもつ
  3. 今回の調査でみられた性格の違いは、文化の違いに起因する可能性もある。
  4. 「快適な気温」をきっかり22℃とするのは、厳密すぎる。

まぁ、22℃も23℃も変わらないと言えば変わらない。

われわれは動物であり、気温に対する心理的な反応はあるでしょう。
しかし、われわれは環境に応じて行動や服装も変えるのです。
環境人類学者
アンドリュー・マシューズ

まぁ そりゃそうだ!

温暖化で犯罪が増える?

ウィーバー州立大学、 ミズーリ大学コロンビア校
心理学者 ブラッド・ブッシュマン(Brad J. Bushman)氏
によると
「地球温暖化によって犯罪が増える」ことを予測しています。

気温が低め、かつ四季の変化がある気候下で生活していると、人はより将来のことに注目して自制を働かせるために怒りや暴力的な行動が抑制される。

なるほど日本人が、災害になったときに

「電気屋さんの店を壊してテレビを盗んだり」

「自動車の窓ガラスを割って金品を盗んだり」
「通りがかりの人に銃を向けてお金を盗んだり」

なんてことがなく
きちんと順番を守って整然としているのは、四季があるためか

これは、気温とかの問題ではなく、倫理観の違いなんだろうけどね

まとめ

調査結果は、

気候変動によって変化が起きるとしてら、それには何世代もかかるでしょう
ケンブリッジ大学の社会心理学者
ジェーソン・レントフロウ氏

でまとめられています。

2017年にアメリカ心理学会と2つの環境NPOが発表した別の報告書

気候変動がメンタルヘルスに与える影響が説明されている。
その影響は深刻(嵐や洪水といった異常気象や環境汚染によるストレスや苦痛)
かつ慢性的な(自分のいる環境が変化することによって、自制心を失ったり喪失感を味わう)ものだという。

気候変動で人の気質が変わるかどうかについては、はっきりとした答えはでておりません。

ただ、わかるのは、これから夏に向けて

暑い気候が人々を無関心かつ受動的にする

ということは、納得できます。

最後までよんでいただきありがとうございます。

照記事:WIRED
https://wired.jp/2018/04/22/climate-change-will-not-make-us-nicer/

参照記事:Nature Human Behaviour
「Regional ambient temperature is associated with human personality」

 

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