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IT小僧の時事放談

みずほ銀行システム統合 16年目の春を迎えられるか?

2018年2月28日

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

みずほ銀行が誕生したのは、2002年

みずほホールディングス傘下であった
第一勧業銀行
富士銀行
日本興業銀行の分割・合併
みずほ銀行
みずほコーポレート銀行が誕生しました。

2013年
みずほコーポレート銀行が旧みずほ銀行を吸収合併して
「みずほ銀行」が誕生しました。

最初の3行の合併から16年
一時は、絶望とも言われた
勘定系のシステムが、2018年6月に統合が開始されました。

ATM正常稼働中
だったのですが、2021年2月28日 再びトラブルが発生しました。

ついに完了です。
関係者の皆様おつかれさまでした。

「みずほ銀行システム統合 16年目の春を迎えられるか?」
と題してこれまでの経緯とこれからについて考えてみました。

今回も小難しいことをなるべく簡単にして記事にします。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

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ATMトラブル発生 2021年2月28日

2021年2月28日

みずほ銀行で28日に起きたシステム障害は、ATMに挿入したキャッシュカードや預金通帳が出てこなくなり、預金者の間に不安と困惑が広がった。被害は全国の店舗内ATMの過半数に及んだ。同行は過去にも大規模なシステム障害を起こしており、金融という重要な社会インフラの担い手として厳しい視線が注がれている。

日本経済新聞より抜粋

やらかしましたね

このブログを書いた2019年のシステム全面移行後 大きなトラブルが発生しました。

ATM異常発生 現在は正常稼働中です。

これまでのシステム障害の意志欄です。

日本経済新聞 2021年2月28日 掲載

以下の記事は、2019年のみずほ銀行の世界的にも大きなシステム移行のお話です。

その後も

3月3日 水曜日夜間に発生したATMの停止

3月7日  ATM・みずほダイレクトにおける定期預金取引の一部停止

連続して2度トラブルを発生させてしまった。

連続して発生するのは、システムのトラブルもそうですが、システムにかける費用などケチってないだろうか?
安い委託先を変えたとかだったら 致命的だな

みずほFGが6800億円の損失計上

東証1部上場の金融大手「みずほフィナンシャルグループ」は、構造改革に係る一連の費用として、2019年3月期決算において約6800億円の損失を計上すると発表しました。

収益改善を目的とする店舗閉鎖などを理由に、国内リテール部門のソフトウェアや閉鎖予定店舗について、固定資産の減損損失として約5000億円の特別損失を計上する予定です。

2018年年度決算報告のお知らせ
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20190306release_jp.pdf

最大の支出は、改変費用の4600億円越えなのでょう。

銀行再編

1999年当時の都市銀行とよばれた銀行名と開発ベンダー

三菱銀行 IBM
富士銀行 IBM

住友銀行 NEC

第一勧業銀行 富士通
さくら銀行 富士通
東京銀行 富士通

三和銀行 日立
東海銀行 日立
日本興業銀行 日立

4社が担当していました、富士通日立が最大勢力です。

都市銀行再編(メガバンク誕生)
三菱銀行+東京銀行
⇒東京三菱銀行
IBM

さくら銀行+住友銀行
⇒三井住友銀行
NEC

第一勧業銀行+富士銀行+日本興業銀行
⇒みずほフィナンシャル・グループ
富士通/IBM/日立

東海銀行+三和銀行
⇒UFJ銀行
日立
⇒東京三菱UFJ銀行
IBM

こうしたシステムの合併では、力関係で統合システムの取捨選択が行われます。
そのため、富士通と日立は、最終的に銀行のシステムのメインストリームから去ってゆくことになります。

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2002年04月01日のトラブル

第一勧業銀行+富士銀行+日本興業銀行
⇒みずほフィナンシャル・グループ
富士通/IBM/日立

3銀行合併でシステムが3つ
通常だったら1つのシステムに口座をコンバートするのが通常のやり方
ところが、3つのシステムを活かしたまま、接続するという、非常にリスクのある方法が選ばれました。

2002年04月01日合併初日 それは、発生しました。

  • 現金自動預入払出機(ATM)の障害が発生
  • 公共料金の自動引き落としなどの口座振替に遅延
  • 約3万件の二重引き落とし発覚

遅延は
遅延口座振替に遅延は4月1日だけで105,000件に達し、翌日以降の積み残しとなり、連鎖的に大量の未処理が発生、4月5日には遅延数は250万件にまで増加し混乱が続きます。

復旧するまで約1ヶ月かかりました。

原因

  • 3つのシステムを残したいという3行の主導権争いによる方針決定の遅れ
  • 方針決定の遅れによるスケジュールが厳しくなり、十分な試験ができないまま、本番実行
  • 経営陣が、試験が充分でないことを把握していたのに実行した。
  • 統合時期が、4月1日という 一年でもかなり取引量の多い時期を選んだ

細かな技術的な問題は、取り上げませんが、「経営陣の主導権争い」が根本原因です。
なんとかなるだろう?
と考えるシステムに対する認識の甘さが露呈しました。

なんとかなるだろう?

なんともなりません。

2011年03月15日のトラブル

2011年03月15日 それは、発生しました。

  • 融資や振り込みなど一部のオンライン・サービスを始めることができない。
  • 16日午前8時、店舗に設置したATMが止まったまま
  • 未処理が積み残り、振り込み処理の完了は3月24日まで続く

原因

  • 震災義援金の振込依頼が殺到
  • 夜間処理で処理すべきデータの量が多すぎてシステムダウン
  • 未処理のまま翌日に持ち越し
  • 更に振込依頼が殺到、処理しきれずにシステムダウン
  • システムダウンのため手動でシステム処理を実行
  • ATMの起動処理を失念したためATMが稼働しない。

これは、震災直後の義援金の多さによる夜間処理のトラブルに人為的ミスが重なった例です。
夜間処理で処理しきれなかった場合の想定ができていなかったことが問題です。

銀行は、日中は、オンラインシステムを稼働
夜間は、夜間バッチ処理と言って日中の取引などを一気に処理をします。
この夜間バッチが、翌営業日までに終わっていないと ATMなどが動作できません。

ただ、他の銀行も振込が増えていたはずなのですが、なぜ ここだけトラブルが起こるのか?

なぜ2回目が発生したか?
・1988年に稼働したシステムに追加してきたため、システムが複雑化してブラックボックスのようになっていた。
そして
・2002年04月01日の大規模障害で失敗を恐れるために旧いシステムを使い続けていた。
つまり「システムの先送り」が原因だった。

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新システムは「MINORI(実り)」

みずほ銀行は経営主導で勘定系システムの全面刷新と完全統合を決定

3つのシステムの機能を満たす巨大システムを一から作り直すという大規模な開発は、なかなか進まない。
・2016年3月末の開発完了が延期

開発にかかる投資額は、4600億円オーバー
開発工数は推定で20万人月

これほど大きなシステム構築は、世界でもなかなかありません。

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切り替え時期

みずほ銀行は2018年2月15日、勘定系システムの統合に向けた最終移行スケジュールを発表した。2018年6月11日から9回に分けて、約450のみずほ銀行店舗などの口座データとATMを現在の勘定系から新たに構築したシステムにつなぎ替え、2019年上期に全ての移行作業を完了させる。みずほ銀行の誕生から16年、二度の大規模システム障害を教訓に4000億円を超える資金を投じ進めてきた世界最大級のシステム刷新・統合プロジェクトが最後にして最大の正念場を迎える。
日経XTEC

切り替え時期は、2018年6月9日から 2019年7月13日 開始して一年ほどの時間をかけてシステムの切り替えを行う。
最終以降が、7月になったのは、年号の切り替えが影響しているとされています。

すでに昨年7月には、試験完了
50回以上の切り替えリハーサルを実施
しかも、経営陣も巻き込んでのリハーサル

準備万端のはず・・・

今後の移行についての話

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まとめ

これだけのシステムを0から構築するとは、凄い

部外者なので勝手なことを言えるのですが
銀行系のパッケージ(IBM)があるのにそれを使ったほうがよかったんじゃないのかな?
ネット銀行系は、オープン系勘定システムを使っているところが多いのですが、メガバンクは難しいのでしょうか?

開発開始から完成までに6年以上かかっているので、初期の設計とか、改変が多そうだけど大丈夫???かな?
初期開発のシステムやデータベースがバージョンアップしているはずですが、初期に作られたプログラムは、大丈夫なんでしょうか?

無事に完成したシステム、関係者の皆様、お疲れ様でした。

システムは、完成したと同時にリストラが開始されるようです。
「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」の導入で「1万9000人の人員削減」が開始されるようです。

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参照資料
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00053/?P=1
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/020800015/022200002/
日経XTEC

http://biz-journal.jp/2015/01/post_8709_2.html
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