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IT小僧の時事放談

AWSがIBM メインフレームの顧客に手を伸ばす AWSメインフレーム・モダナイゼーション

2022年2月2日

AWSエンジニア入門講座――学習ロードマップで体系的に学ぶ

メインフレーム、日本では、汎用機と呼ばれていて まだパソコンも普及していなかった昭和30年代~ 世界の金融を中心に経済を支えてきました。

かつては、タンスのようなものが、ビルのフロアーを埋め尽くしていましたが、いまや そんなものはない

IT小僧も昭和59年(1984年)にはじめて触ったのがメインフレーム(バローズ)であった。
今でも金融関連企業、役所の一部で現役として使われています。

今回のIT小僧の時事放談は、
AWSがIBM メインフレームの顧客に手を伸ばす AWSメインフレーム・モダナイゼーション
と題して AWS(Amazon Web Services)が、IBMに対して顧客を奪おうとしている
というお話です。

小難しい話をわかりやすく解説しながら記事にまとめました。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

メインフレーム

メインフレーム(汎用機)について

メインフレーム(英: mainframe)は、主に企業など巨大な組織の基幹情報システムなどに使用される、大型コンピュータを指す用語[1]。汎用コンピュータ、汎用機、大型汎用コンピュータ、ホストコンピュータ、大型汎用機 などとも称される[2][3]。

ウィキペディア

メインフレームの多くは、COBOLで動作していて、主に事務所理で使われています。
特徴は、多くのトランザクションを短時間で処理することが目的でリアルタイムで処理することにはあまりつかわれておりません。
かつては、メインフレームでオンラインプログラムが動作していた時代もありましたが、ネットの普及によって、それもなくなりました。

IT小僧は、COBOLでオンラインプログラムを構築したことがありますが、ものによっては、数万行~数十万行という途方も無い代物です。

メインフレームのプログラムは、前述したようにCOBOLで書かれたプログラムが遺産のように稼働している場合が多く、技術者不足のためメンテナンスもままならにことも多い。
そのため オープン系のシステムに切り替えたくてもこれまた技術者不足と資料の多くが手書き、最大の問題が、当時のエンジニア達の多くが引退しているということである。

COBOLのプログラム自体は、プログラム言語として非常に簡単で覚えやすいものですが、ネットが中心の時代では、カネにならないので敢えてこの言語を学ぶひとはいないし、学ぶ必要もないだろう。

そんな状況のメインフレームですが、多くの場所で現役で動いています。
例えば、京都市などは、何度かメインフレームを置き換えようとして失敗しています。

京都市が117億円投じた30年もの基幹システム刷新を中断 | 京都市 税額通知書の金額を誤記載 プログラム作成でミス

京都市が、NEC製メインフレーム上で約30年稼働する基幹系システムのバッチ処理をオープンシステムに刷新するプロジェクトの入札結果を発表しました。 2018年3月27日発表 落札価格 15億2990万 ...

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時代遅れなものは消えてしまえ

そんなメインフレームに対して米アマゾン・ウエブ・サービス(AWS)は、メインフレームをAWSに載せ替えようと発表した

「メインフレームは高価だ。複雑だ。COBOLのプログラミングを学ぶ人は少なくなっている。顧客の多くはできるだけ早くメインフレームから離れ、クラウドの俊敏性と弾力性を手に入れようとする」

2021年11月29日 米ラスベガスで開催したカンファレンス「re:Invent」の基調講演
アダム・セリプスキーCEO(最高経営責任者)

これは、メインフレームの顧客を多く抱えているIBMへの宣戦布告と言われている。

IBMのメインフレームの顧客は、5000件と言われています。

たった 5000件? なの?

と言っても

1件1件のメンテナンス費用は、オープン系と桁が違うのでIBMにとっては大きな利益を生み出しています。
その収益は、年間 70億ドル(約8000億円)とも言われています。

その 5000件の顧客に対してAWSへのリプレースという宣戦布告を開始しました。

AWSメインフレーム・モダナイゼーション

「re:Invent」でAWSは、「AWSメインフレーム・モダナイゼーション」を発表
内容は、IBM zの複雑なアプリケーションをAWSに移行するための多くの作業をリファクタリングとリプラットフォームの形で提供し、古臭くて金のかかるメインフレームをAWS上に置き換えよう というものである。
※IBM zとは、IBMのメインフレームのブランド名である。

AWSに顧客を奪われることに対抗してIBMは、2021年12月8日に

「IBM zアンド・クラウド・モダナイゼーション・センター(IBM Z and Cloud Modernization Center)」

の新設を発表

モダナイゼーションとは、「ITシステムを刷新して現代に合わせた業務体制を整える」と言う意味合いで
IBMのセンターでは、幅広いツールや研修、リソース、エコシステムパートナーへの窓口を提供という目的になっている。

記事を読むと

「メインフレームの時代は終わりに近づいているので システムの刷新もIBMにおまかせ」

つまり

「AWSに顧客を奪われるぐらいなら 自社(IBM)にお任せください」
「IBMは、長年のノウハウとお客様のシステムを熟知しているので IBM Zをハイブリッドクラウドに統合もスムーズにできますよ」

「AWSのように クラウドだけの実績とはわけが違う」

と言いたいようである。

クラウドへ

多くのシステムがクラウドに移行している。
クラウド上のパッケージを使用することでシステム開発のコストが下がり、トラブルも減ってゆく

例えば、自社で決済システムなどを持ってメンテナンス費用を考えるならば、決済システムを外部にまかせて本業に力を注ぐわけでる。

どう考えても自社でメインフレームを抱えて巨大なメンテナンス費用を払い続けることなど 無駄と言っていいだろう。

AWSは、年間 70億ドル(約8000億円)というIBMの顧客に目をつけたわけである。

JALもメインフレームを廃止

航空産業も基幹系のクラウドの時代「JALCOM」&「JALPAS/I」を「Altea」に完全移行

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銀行もクラウドへ移行しはじめている。

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銀行も変えようとしている
※みずほ銀行の現システムは、違うようですが・・・

「みずほ銀行」「ダイソー」は、AWSの「Amazon QuickSight」を選択 クラウドにあらずんば企業は、生き残れない。

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「昔のような大型コンピューターをデータセンターに置いて、オペレーターが24時間体制で運用する時代ではない」

ということが、はっきりしています。

まとめ

各企業が、大型コンピューターを所有していた昭和の時代 IT小僧は、その真っ只中からコンピュータ屋のキャリアを開始しました。
数年後、チップ開発、UNIX、ネット関連の開発企業に転職しました。

それからの30年間は、コンピュータとネットワークは、ポケットに(30年前の)メインフレームを遥かに凌駕するスマートフォンというデバイスが入っている。

その未来のデバイスが、数万円で裏荒れている時代になっています。

そして、2022年ついにメインフレームに止めを刺そうとしてAWSが動き始めました。

一方 IBMは、2022年春にz16というメインフレームを発表しようとしています。

勘定系のクラウド移行は、難しいと言われる中、この戦いは、どのように決着するのでしょうか?

答えは、数年後に出ることでしょう。

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