菅総理が、就任して目立ったこと
「携帯電話料金を下げさせろ」
「デジタル庁を設立するぞ」
携帯電話料金は、2年前に自らの言葉から開始されたものですが、お役人の数段上を行く携帯電話会社に骨抜きにされてしまった。
実現できなかったその時の怨念というか執念の言葉だろう。
もうひとつのデジタル庁は、今回、いきなり登場してきました。
今回のIT小僧の時事放談は、
デジタル庁って なぜ今のタイミングで出てきたのだろう?
と題して、他にやるべきことがあるはずなのに なんでこのタイミングでデジタル庁が出てくるのか?
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
首相交代前の話
2020年7月17日 「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針)が閣議決定された。
其の内容は、デジタルのオンパレード
「感染症対応策のデジタル、オンライン化」
「デジタル・ガバメントの構築を、早急に対応が求められる、言わば一丁目一番地の最優先政策課題として位置付ける」
「業や社会全体のDX(デジタル変革)の推進やデジタル化推進に向けた規制改革」
閣議決定後の数カ月後、安倍総理は、病気を理由に辞任
官房長官だった菅さんが、総理大臣となった。
菅総理大臣は、デジタル庁なるものをぶち上げた。
デジタル庁
デジタル庁の目的は、ただひとつ
「行政のデジタル化を省庁横断して実現」することである。
世界電子政府ランキング14位
国連が発表している「世界電子政府ランキング」で日本は14位となっていてトップ10からダウンしている。
- デンマーク
- 韓国
- エストニア
- フィンランド
- オーストラリア
- スウェーデン
- 英国
- ニュージーランド
- 米国
- オランダ
~
14位 日本
14位までが電子政府先進国とされているが、最下位である。
世界電子政府ランキング
そりゃそうだろう
新型コロナウィルスの集計をFAXで通信して手作業で集計
厚生労働省にに集計でデータが届くのに3日間かかるという噂もでたほどだ。
厚生労働省もヤバいと思ったのか、最近は、各地方自治体が、ホームページに掲載しているのを見て集計しているということであある。
アナグロ満載
今の日本の官公庁は、アナグロ満載状態です。
そんな省庁に対して、デジタル化を推し進めようというのが、「デジタル庁」である。
既存の省庁と別にしたのは、デジタル化は、各省庁の既得権益、縦割り行政を正すためには、既存の省庁ではできないからだ。
そして、菅総理の本気度は、デジタル化に鍵を握る総務省ではなく
「行政改革・規制改革・沖縄北海道担当大臣」に河野太郎という
ある意味、自由に動けるポジションに置いている。
そして、その効果は、就任の記者会見で早速発揮されている。
「順繰りの閣僚会見(慣例)をやめたらいい」
「目安箱」
そして総務省には、武田良太・前国家公安委員長が就任している。
IT担当相には、平井卓也氏が就任
※政治記者からは、派閥での決定と言われているが、真実はどこにあるかわからない。
官公庁のデジタル化の第一歩
IT小僧は、ここに関しては、簡単なことで
ただちにFAXを廃止
ここからはじめること
「前例が・・・」なんて言っているうちは、絶対にデジタル化などできないし既得権益を守ろううとして、圧力が強まるだろう。
彼ら(公務員)は、仕事のやり方を変えるのを嫌うし、デジタル化をしたら仕事が亡くなる人が増えることは確実
とここまで記事を書いていたら 河野太郎行政改革・規制改革は、以下のような動きをみせた。
「ハンコをすぐなくしたい」。河野太郎行政改革相は23日、首相官邸で開かれた「デジタル改革関係閣僚会議」の初会合で、日本の「ハンコ文化」の見直しの必要性を訴えた。平井卓也デジタル改革相が記者団に明らかにした。
河野氏の発言をめぐり、平井氏は「本人確認のためではなく、ただ『ハンコを押した』という事実だけが必要なケースは、すぐにでもなくしてしまいたい、という趣旨だった。私も賛同する」と語った。
『ハンコを押した』という事実だけが必要なケース というのは、たしかにそうであり、ハンコを誰が押したかという意味にならない。
ならば、いらない。
紙の書類ならば、サイン、電子書類なら、電子サインであれば「誰が確認してOKを出した」というのが明確である。
税金の無駄遣い
デジタル庁の発表で富士通と日本電気の株価が上昇しました。
官公庁と繋がりの深い、大手SIerの株式が買われたというわけである。
莫大な税金を突っ込んでも彼ら(SIer)の懐を潤すだけで、できるものは、満足なものはできないでしょう。
マイナンバーですらまもとも稼働していないことを考えれば結論はみえています。
e-Japan戦略
2001年1月にe-Japan戦略というものが、発表されました。
森喜朗内閣は、
「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す」
と大体的に発表したのですが、同年4月に森首相は退陣、小泉純一郎内閣となり、e-Japan戦略は立ち往生
結局、e-Japan戦略は、何もできずに、事実上立ち消え状態
方向を間違った産業形態
日本は、2000年前後に欧州の環境、エコに重点を置いたためにデジタル産業どころか、工業もライバルたちに追い越されてしまいました。
家電は、すでに中国と韓国が世界を席巻しています。
携帯電話も国内メーカーは、数社となりました。
クラウド、OS、アプリケーションのほとんどが米国企業
ハードウェアは、ほぼ中国製となっています。
日本に残ったのは、中国企業の部品メーカーとして残るぐらいです。
一方、ソフトウェア産業は、中間搾取が横行、エンジニアの多くは、下請けで低賃金で長時間労働が、常態化したため、技術者も減り、レベルも落ちていった。
そんなところでデジタル庁とか立ち上げても、御用企業が、中間搾取で儲かるだけで、突っ込んだ税金の大半は、技術者の手元には行かないだろう。
独立したプロジェクトチーム
デジタル庁を立ち上げても、実働部隊が、御用企業だったら失敗するだろう。
既得権益の塊である、官公庁の縦割り行政を崩すのは、かなり辛い戦いになる。
もちろんそこに切り込むには、いろいろなの犠牲が生じるだろう。
そこまでの覚悟があるかどうか疑問です。
どこかの企業に税金をはらうのではなく、
各企業から人材を出して独立したプロジェクトチームを組まない限り、実現は不可能だ
とIT小僧は、断言します。
なぜ 今のタイミング?
しかし、ここで疑問があります。
政治の世界では、デジタルでは、票にならない
そんな票にもならないもの いまごろ立ち上げてどうするんだ?
もしかしたら、来年の今頃は、デジタル庁など「なかったこと」担っている可能性もあるのです。
今の日本というより世界は、新型コロナウィルス、その影響による景気悪化、雇用問題、オリンピック、米中問題など解決すべき問題が山積みである。
デジタル庁なんて、そもそも 必要なのか?
ここまで書いてきて 一つの疑問が出てきた。
米国主導それともファイブ・ アイズ
いきなり「デジタル庁」という発想がでてくるのは、ちょっと不自然な気もします。
米国が中国との防衛のために日本に対して
情報漏えいの防止をしなさいと圧力
ということも十分考えられます。
となると、「デジタル庁」は、米国主導という線も十分ありえる
さらに 最近、囁かれている 「ファイブ・
ま! これは、想像ですけどね
まとめ
デジタル庁 どうもネーミングのセンスがない。
お役者のデジタル化ならば、行政改革・規制改革庁 でも よかったのではないか?
もっとも菅総理が、総務大臣経験者ということもあり、
デジタル庁 = 総務省のステルス省庁
ということも十分ありえる。
そこに米国からの指示があった。
とすれば、菅総理誕生のこのタイミングで出てくるのも納得できる。
IT小僧からすれば、そんなことより、
ITエンジニアの待遇改善が先だろう
と思っています。
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