三菱総合研究所が、2018年7月24日に発表したレポートについて
これまで2回ほどブログにしてきました。
レポートの内容は、衝撃的なもので大まかに2つの内容になっています。
1つ目は、
「2020年代前半までは少子高齢化による人材不足が深刻な状態が続くが、2020年代半ば以降はデジタル技術の普及による無人化が進み、人材余剰へと転換する」
2つ目は、
「2030年までにAI(人工知能)などのデジタル技術の進化で自動化・無人化が進む。これにより730万人の雇用が失われる。デジタル技術の開発などで新たに400万人の雇用が生まれるが、差し引き330万人の雇用が失われる」
これまでの2回のレポートについては、最後にリンクを張るので読んでいただければと思いますが、ここでは
人材余剰は、2022年から始まる あなたは、今のスキルで生き残れるか? 三菱総研調査考察 第三弾
と題して
IT人材不足の今こそ次のスキルを身につけるべきだ
についてブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
スポンサーリンク
目次
IT人材不足
経済産業省によるとIT人材の不足は、
2015年時点で約17万人の人材不足
2020年に約19万人の人材不足
2030年に約79万人の人材不足
と発表されています。
これは、労働人口が2019年にピークを迎え、以後、労働人口が減少してゆくことになります。
IT人材不足は、特に顕著で案件があってもシステムを実際に組む人がいない。
大手SIerは、下請けIT企業からエンジニアを調達してプロジェクトを組むのが通常ですが、その下請け企業も人材不足、下請け企業は、さらに下請け企業から人材を調達しようとしていますが、さらに人材がいない状況なのです。
困ったのは、元請けのSIer
「さて、案件を受注したものの システムを構築できない・・・」
という言葉が、あちこちで聞かれます。
そうなんです。
今は、IT技術者が、人手不足なんです。
ITは、儲からない
日本独自のSIerを頂点とする、ピラミッド型 人員アサイン
別名 労働集約型人月ビジネス
簡単に言うと
元請け⇒下請け⇒下請け⇒派遣
多重下請け制度のため、実際に働く一番下の派遣社員または、フリーランスのエンジニアの方が
多いと思われます。
元請けのやる仕事は、現場監督でプロジェクトマネージャーという肩書の人が、人とおカネを握っていて
スケジュール管理を行っています。
実際に手を動かす人は、元請けの金額からすると(中間マージンを差し引かれているため)
かなり安いギャラで働いています。
その、一番、厳しく、長く、辛い労働条件で働きたい人って いませんよね。
できれば、楽して稼ぎたい と思うのが人間です。
というわけで、労働人口だけではなく
「安く使えるIT技術者が、いない」
ということが多いわけです。
ITは、儲からない
そう! 儲からない仕事はやりたくないものです。
三菱総合研究所 2018年7月24日に発表したレポート
これまで2度にわかったこの調査報告をブログにしてきました。
おさらいするとこんなことが記載さえています。
人材余剰は、まず事務職に影響が及ぶ。単純なデータ入力といった作業は人の手から特化型AI(人工知能)に移り、より自動化が進むだろう。
試算結果を見ると、
2022年から事務職は人材余剰
2030年には120万人の人材余剰
オリンピックが終わった数年後、事務職という職業が無くなっていきます。
続いて
輸送業や建設業といった生産職が、AIやIoE(Internet of Everything)、ロボットによる自動化
2028年から人材余剰に陥ると試算
2030年には90万人の人材余剰
一方
専門技術職は、不足
非定型の創造的、分析的なタスクを担うような人材で、例えば、弁護士やシステムコンサルタント、研究職で
2030年には170万人不足
「なんだ IT人材は、不足しているから仕事に困らないや」
ちょっと待ってください。
「非定型の創造的、分析的なタスクを担うような人材」
AIが、発達した社会では、いままでのシステムエンジニアやプログラマーの仕事は、なさそうですよ
プログラムが書けるだけでは、仕事がなくなる可能性があるのです。
ITエンジニアの仕事が一変するかも知れない。
Javaが書けるとか
C#が書けるとか
Oracleのインストールができるとか
Linuxの知識があるとか
Networkエンジニアとか
全部、いらない時代になると思っています。
クラウドとAIとIoTが、主体になると、これまでのエンジニアの経歴とかノウハウなんてなんの役に立たない時代がやってきます。
企業の基幹系システムは、パッケージで(ERP)でカスタマイズの入る隙間もない。
SIerの御用聞き的な仕事は、壊滅でしょう。
もちろん、その下で仕事をしていた下請けIT企業も壊滅状態
残るのは、分析ができるエンジニア
そんな、プログラムができるエンジニアの仕事なくなるなんて
ちょっと待ってください。
まんざら妄想でもなさそうですよ
銀行をみてみよう
例えば、今の銀行を見て下さい。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、いわゆるメガバンクですが、数万人レベルのリストラ中です。
特に40代以上のの銀行員がターゲット
まさか、入社した時にリストラに合うとは思ってもいなかったでしょう。
地方銀行は、もっと厳しい状態です。
リストラどころか、廃業しそうなところも多いと聞いています。
彼らが入行したとき、20年後にリストラの現実が来るとは思ってもいなかったことでしょう。
原因は、長く続く低金利とFinTechとよばれる新しい金融サービスの台頭
さらに業務系をCloudとPackageによる、業務効率化
銀行の窓口、最近小さくなっていると思いませんか?
その窓口の人、派遣の人が多いんです。
窓口どころは、支店も閉鎖、ATMも減らしています。
そうです。銀行は、生き残りをかけている状況なのです。
不況がやってくる。
世界的に株式市場が不安定になってきました。
原因は、米国の購買能力が落ちてきたためです。
もう、米国市民のクレジットカードの枠がいっぱいになってこれ以上ものが買えない状態が近づいています。
これは、大きな変動の前触れかも知れません。
そして日本でも
今は、IT技術者が、人手不足です。
でも来年の消費税、2020年のオリンピックが終わったらどうなるでしょうか?
最近のオリンピック後の不況は、深刻です。
ブラジル、リオのオリンピックのあとは、悲惨な状況です。
経済危機に陥っているリオデジャネイロは、厳しい現状です。
失業者は1350万人、ホワイトカラーもホームレスになるほどだという。
日本は、違うと言えますか?
日本は、そんなことないよ
本当でしょうか?
数兆円も使って数週間のお祭りの後
どうなると思います?
追い打ちで前年に「消費税 増税」
企業は、業績悪化のときに真っ先にIT予算を削ります。
賢い企業は、その前に
「お金のかからないシステムに切り替えようとしています」
それは、CloudとERPというパッケージソフトウェア
ハード、ソフトウェアもメンテナンスは、パッケージ供給企業が行います。
業務にシステムを合わせて構築する時代ではないのです。
コストを削減するためにパッケージソフトに業務を合わせます。
企業は、生き残るためになんでもやる生き物と思って下さい。
IT技術者はどうすればいいの?
今、自分が置かれている会社をよく考えてください。
特別なテクノロジー
特定業務の専門家集団
自社で開発販売しているシェアを持っているパッケージがある。
AIが専門で何社もの企業と契約している。
なんてところは、生き残れるかも知れないけど
- SIerの下請けで人月仕事
- 特定の業種ではなく、受けたプロジェクトをなんでもやっている。
- 数ヶ月の長さのプロジェクトを渡り歩いている。
- 殆どの社員が、客先常駐
- 派遣社員ばかり
- 自分が派遣社員
- 長く客先常駐している
- 仕事が忙しいのに業績が伸びない
- 経営者がITに詳しくない。
- 社内で幅を効かせている年長者がえばっている。
- プログラムしか書いていない。
- Javaしかできない。
- C#しかできない。
- Linuxの環境しか知らない
- プロマネしかできない。
- プログラムが書けない。
- 仕様書とか書いたことがない。
このような項目に当てはまる人は、5年後、いや数年後の自分を想像してみて下さい。
これからは、スキルの持っている人が生き残る時代です。
そして
スキルは、現場でしか養うことはできません。
IT企業の求人が多いいまこそ動くべき
今、IT業界は、空前の人手不足です。
しかし、その多くの募集は
- 派遣
- 現場のエンジニア
- ギャラが安くても文句を言わないエンジニア
なのです。
しかし、未来を見据えて優秀なエンジニアを探している企業もあるのです。
もし、自分の将来を真剣に考えて
「この場所では、未来がない」
と感じたならば、すぐにでも動くべきです。
IT専門の転職サービスを検討しよう
転職活動の第一歩として
IT専門の転職サービスを検討しましょう。
リクルートさん、Indeedさんなど多くの求人を扱っているサービスがあります。
その対極にあるのが専門分野に限定された求人サービスです。
例えば 看護師さん、介護士さん、変わったところで競馬の厩務員募集など、通常の求人サイトでは取り扱っていない専門分野の求人サイトもあります。
専門分野の求人サイトは、業界に特別なつながりがあるため特別な求人案件があったり、応募者に対してそれぞれのエキスパートが対応、個人に合った求人の紹介など多くのサポートを受けることができます。
IT業界も一般職とは、かなり特殊な専門的知識が必要な求人案件が多いため、サービス担当者も専門の知識が必要になります。
また、他の業種よりもさらに特別な求人案件を持っている場合があるというのも特徴です。
ご照会する 【レバテックキャリア】
では、専門スタッフが、求人の提案から、面接、入社後のサポートを受けることができるサービスです。
あなたに合った仕事、企業、入社までの対策、入社後のサポートがある求人サービスは、そうあるものではありません。
これもIT業界に精通しているスタッフさんがいるという大きなアドバンテージになります。
まずは、以下のリンクからレ【レバテックキャリア】
とは、どのようなサービスなのか確認して下さい。
優良なサービスを使って自分のスキルを積み上げてIT業界で勝ち上がってほしいと願っています。
まとめ
自分は、34年ほどIT業界で仕事をしています。
6社くらい転職経験があります。
幸運なことにこの年令でも自分を必要としてくれる企業で仕事をしています。
それは、これまでのキャリアと積み重ねてきたスキルだと思っています。
失敗もありましたが、いい会社に出会えたのは、転職サービスを効果的に利用したからです。
今の会社で数年前に人材サービスのプロジェクトにかかわりました。
そこで学んだことは、
「専門職の転職サービスは、独自の情報をたくさん持っている。」
ということです。
よき企業、仕事に出会えることを願っています。
-
人材余剰は、2022年から始まる 三菱総研調査考察 第二弾
以前、このブログで AIと外国人に仕事を奪われる日 三菱総研が2030年を試算 最後に残るのは、コミュニケーション と題して、人材余剰時代についてブログに書いたわけですが、 三菱総研の調査報告を調べた ...