日本郵便が情報システムで使うハードウエアに関する保守契約の方針を刷新する意向を固めたと報道がありました。
「過剰なサービスを減らして現在の2割程度に減らしたい。」
ハード屋さんにとっては、保守料は死活問題になりかねません。
今回の「日本のIT屋に一言」では、「日本郵便がハード保守契約を全面見直し ベンダー死活問題」と題して保守料について考えてみました。
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目次
相手が悪い
今回の話は、
「そんなにサービスしなくてもいいよ」
「冗長化や仮想化が進んでいるから24時間保守は、必要なくなった」
天下り的なお偉いさんが言っているなら「ただのコストカット」の一言で済みますが、今回の執行役員CIO(最高情報責任者)は、NTTデータ出身ということでハード屋さんの「相手が専門外なのでなんとか丸め込もう作戦」は通用しないようです。
以下内容
鈴木義伯専務執行役員CIO(最高情報責任者)は「現行の保守契約はITの技術変化を反映していない。サービス過剰でコストが高止まりしている」と話す。NTTデータ出身の鈴木CIOは日本取引所グループのCIOを経て2017年4月に日本郵便のCIOに就任して以来、見直しを模索してきた。
2017年後半の3カ月間、ハードが故障した際に1週間放置してみた。「それでも業務に全く支障が出なかった」
実験済みかい
そりゃ説得は厳しいな
そもそもハードウェア保守とは、
ハードウェア機器の販売では、ハードウェアの20%ほど年間保守料と考えてください。
ハードウェアの値段が仮に1億円だったら
保守料は、
年2000万
月166万円程度
故障した部品代は、別料金と言うのが通常と推測されます。
そのかわり、24時間365日体制でシフトを組んで何があってもすぐ対応というスタンバイ体制を取ります。
今の保守料の2割程度
自分がまだ汎用機という1フロアーを独占するようなシステムで仕事をしていたころと違い、機器の信頼性、バックアップ機器は、世界が違うくらい信頼度が上がっているはずなのでこのような保守体制は、必要ない。
というわけで今回の保守の提案が、24時間365日ではなくて
「スポット保守」
「日中週1保守」
「日中保守」
「24時間保守」
4つの保守体制に移行して
ハードが故障したら1週間以内の修理完了を契約先のITベンダーに求める「日中週1保守」を標準にして保守料を現状の2割程度にする。
ハードウェアの値段が仮に1億円だったら
保守料は、
年400万
月33万円程度
年間で1600万円ものコストダウン
ハードウェア会社からするとこれは、大きな問題です。
まとめ
ある意味、聖域とされてきた保守料がこうして崩されると他の契約している企業も同じことを提案してくるはずです。
そうなると「ハードウェアメーカー」は、大幅な減収となります。
もし、このハードウェアが大型コンピュータだったら
まず「やっていけない状況」に追いこまれます。
コンピュータ屋さんの多くは、「保守料」で成り立っているわけですから厳しいね。
さらに言えば開発屋さんも同じ道をたどるかも知れません。
もっと極端になったら
「社内で保守するから保守は、いらないよ・・・」
「ついでに?開発もしちゃうぞ」
SI屋さんが危機感を持つわけです。
※私は、最終的に、ゲーム会社、ITサービス業などは、この「内製&保守」に向かうと思っています。
この方針は、現在揉めているらしいです。
「2018年夏以降の新規入札案件から新方針を適用する。既存の保守契約は既に条件を見直す交渉中」
どうなることやら、経過を見守りたいと思っています。
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