株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、2020年春に商用サービスを開始する5GやAI、IoTなどの最新技術を活用した
「DOCOMO Open House 2020」
を2020年1月23日(木)から1月24日(金)に東京ビッグサイトで開催した。
http://docomo-openhouse.jp/2020/
その中で発表されたことや語られたことについて考えてみた。
今回のIT小僧の時事放談は、
中身の空っぽな5G狂想曲 DOCOMO Open House 2020をみて感じたこと スマートフォンで5Gの必要性について考える。
と題して、5Gってこれからどうなるのか?
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
スマートフォン買い控え
スマートフォン買い控えで悩む人が多くなりそうな2020年
「5Gのスマートフォンが、出てくるまで待つ」
という人が多くなりそうです。
でもちょっと待って下さい。
5Gに夢物語をみていませんか?
5Gってまだサービスが開始していないので料金も何もわからない状況です。
そして5Gにしたからと言って体感するスピードが速くなるとは限らないという話をします。
日経クロステックの記事
日経の記者さんは、しっかりと 5Gの現状について語っている。
第1に、5Gで無線通信部分が低遅延化されても、その前後の映像処理部分での遅延は新しい技術を導入しないと削減されない。映像を高速にやり取りするためには映像圧縮や伝送システムにおける遅延を短縮する必要があり、映像符号化(エンコード)や復号化(デコード)部分の新たな処理技術が重要になる。4K/8Kのような高画質映像をやり取りするならなおさらだ。もしリアルタイムに送受信するなら、5G以外の部分での技術進化が求められる。
第2に、5Gはインターネット上の遅延には関与できないこと。5Gは無線通信部分のみで、世界中をめぐるインターネット網の遅延時間は、実は無視できない。工場などでの活用が期待されるローカル5Gでは、サーバーなどを配置した自社ネットワーク内に限定して5Gを運用する場合も多くなるだろう。
第3に、商用化したばかりの5Gは、その性能をフルに生かせる「スタンドアローン(SA)」形式ではないこと。初めは4Gの設備を使用してアドオンで5Gエリアを構築するノンスタンドアローン(NSA)形式で整備が進められるが、この段階ではスペック通りの低遅延や高速化は実現できない。
日経クロステックより
簡単な例を上げて説明しよう。
蛇口が広くても水道施設が貧弱
水道を考えて下さい。
(5G)で蛇口を大きくしました。
これで大量の水を短時間で使うことができる!
一方、給水地点(サーバー)が水不足だったり、途中の水道管(インターネット)が細かったらどうでしょう。
そんな状態で
蛇口全開 しても
「あれ? 水が ちょろちょろしか出ない」
5Gは、電波を出す基地局とスマートフォンなどのデバイスの間の規格です。
いくら5Gが、速くて、低遅延で、速くて大量データのやり取りができたとしても接続先のサーバーが遅かったり 途中のインターネット回線が遅かったら
高速、大容量、低遅延など 期待できません。
また、ライブ配信などでリアルタイムな体験をしようとしてもリアルタイムに処理をするサーバーが超高速で大量アクセスに耐えられなければ、遅延するし遅くなるし、途中で切断されるかも知れません。
結局、5Gの高速、大容量、低遅延を実現するためには、サーバー、インターネット回線も含めたインフラが、整備されなければならないのです。
そのためには、サービスの提供企業が、どれだけ、おカネをかけられるかで勝負が決まります。
ユーザー数によりますが、最低でも数千万~億単位以上のコストを準備する必要があるでしょう。
5Gになったからと言って、映画が数秒でダウンロードできるようになるためには、配信側の仕組みを今以上に増強することが必要になるのです。
AmazonやNetflix、DMM.comのような半端なく投資ができる企業以外で儲かるかどうかわからない博打に手を出すでしょうか?
iPhone 5G対応
スマートフォン本体に関しては、秋に登場する次のiPhoneに搭載されるとか言われています。
間違いなく5GのiPhoneは登場するでしょう。
「5Gで先行している中国向けにiPhoneの5G対応は、必須」
「5Gを搭載しなければ、20%近くある中国市場を失う可能性が大きい」
そんな売上を減らすことをやるApple社ではないので 次世代iPhoneの5G化は確実というわけです。
5Gが繋がろうと繋がらないなど関係ないのです。
重要なのは、「5G対応だよ!」という事実なのです。
5Gを契約していなくても それだけで買い替えが進むことでしょう。
Android 5G対応
Android端末の多くは、中国メーカーから、5G対応端末が出てくるでしょう。
iPhoneと違い、Androidに搭載されるチップセットは、Qualcomm社のSnapdragonというシリーズが搭載されているものが多いです。
このSnapdragonシリーズは、アンテナとセットで5G対応版が出てきているので、これを搭載した端末が多く登場します。
※ファーウェイなどは、自前でチップセットまで制作していますが・・・
低価格(1万5千円程度)で5G対応端末が登場するだろうと言われています。
日本で販売される端末は、OppOなどの中国メーカーになりそうです。
国産メーカーからは、SHARPや京セラ(ちょっと意外ですが、米国ガテン系で人気)ソニーなどから登場しそうです。
こちらもiPhoneと同じように「5G対応」というキーワードで5Gを契約していなくても「将来使うかも」という理由で買い換える人が増えると思います。
お寒い5Gコンテンツ
DOCOMO Open House 2020の展示を見て
「目新しいものがない」
どこもかしこも VR/ARばかり、しかもそのほとんどが、5GではなくWi-Fiで接続
「AIでなんちゃら」も大盛況!
「ロボットでなんちゃら」も大盛況!
でもそれって 5Gとは、何の関係もありません。
今の所 スマートフォンの5Gは、「中身がスッカラカン」です。
スポーツ観戦とかVRとか言われていますが、そのためだけに (高価と思われる)5Gの通信料金を払いますか?
ということです。
昨今の5G騒ぎは
「キャリアの端末を売るため」
であって、実際に使ったら
「なんだ こんなものか・・・」
という可能性もあるのです。
5Gが生きる場所
5Gは、主に工場などで活躍する可能性があります。
低遅延の無線通信ですから、機会制御、モニターなどに使われると思います。
監視カメラも期待されていますが、公共のインターネット網では、データ通信量の増大で遅延が発生する可能性もあるので、ローカルで閉じた環境で利用されるかも知れません。
スマートフォンでどこでも5Gが使えるようになるには、まだ少し時間がかかるでしょう。
通信料金も含めて、しばらくは様子をみてもよいと思います。
すべては、料金次第
2000円使い放題だったら、契約してみようかな・・・
まとめ
5Gで未来が変わるとか、夢の社会とか、騒いでいますが、2020年は、低迷している携帯電話会社やスマートフォンメーカーが、回線契約やスマートフォンを販売するための戦略だと思っています。
サーバー(クラウド)、回線などのインフラが整ってはじめて5Gが活躍できると考えています。
自動運転、遠隔地治療などは、社会インフラが整ってはじめて実現するものなので
「5Gが、あるだけで実現できるものではない」のです。
スマートフォンで言えば、あと数年は、「5Gってたいしたことない」状況が続くと予想しているので
これからスマートフォンを購入する人は、ご自身の用途を考えて端末を選ぶことをオススメします。
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