2018年 経済産業省が発表した「DXレポート」に書かれていた「2025年の崖」は、キーワードとしてあちこちに取り上げられています。
経産省は、調子に乗って(失礼)「DX推進ガイドライン」の発表、そして今回
「DX推進指標」
というものを発表しました。
今回のIT小僧の時事放談は、
経産省がご熱心な「2025年の崖」問題 今度は「DX推進指標」を発表 あなたの会社は、レベルいくつですか?
と題して、DX指標とはどんなものなのか みてみよう。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
DXと2025年の崖についてのおさらい
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した
「デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation; DX)」
過去にこのブログでも説明してきましたが、あいまいなので 一言で説明できそうな言葉が見つかりました。
「デジタル技術を活用したビジネスや業務を推進」
付け加えると
「IoT、AI、VR/AR/MR、3Dプリンター、マイクロサービスなどの流行り物のITを使った多様なテクノロジーを、新製品やサービスの開発しよう」
そのためには、
「古くカビの生えた業務システムを一掃して、来たるべきDXに対応せよ」
そうしないと
「2025年には、崖から転げ落ちるように会社が取り残されてしまいますよ」
こんなところでしょうか?
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DX推進指標
2019年7月31日に経産省が、企業のDXの進展度合いを判別する「DX推進指標」です。
公開資料
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf
内容は、
「35問の質問に回答することで、自社のDX推進レベルを自己診断」
するものです。
レベル0~レベル5
今、会社が、DXについて、どこまでできているか? 客観的に数値化しようという試みで全部で5つのレベルに分かれている。
以下、レベル表です。
レベル0「未着手」
経営者は無関心か、関心があっても具体的な取組に至っていない
レベル1「一部での散発的実施」
全社戦略が明確でない中、部門単位での試行・実施にとどまっている
レベル2「一部での戦略的実施」
全社戦略に基づく一部の部門での推進
レベル3「全社戦略に基づく部門横断的推進」
全社戦略に基づく部門横断的推進
レベル4「全社戦略に基づく持続的実施」
定量的な指標などによる持続的な実施
レベル5「グローバル市場におけるデジタル企業」
デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル
資料には、ご丁寧にもそれぞれレベルについての参考意見などが事細かに掲載されています。
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企業の優劣をつけるものではない。
レベル0であるからと言って悲観するものでもないことを強調している。
「DX推進指標は企業に優劣を付けるためのものではない。経営者や事業部門、IT部門など異なる立場の人が、それぞれ各項目についてどう考えているか、認識を合わせるためのコミュニケーションツールとして使ってもらいたい」(成田内閣審議官)
日経XTECHより抜粋
集めた診断結果の公表も考えている。
企業から収集した自己診断結果については、中立組織に委託して分析させる。例えば、各指標間の相関関係や業種ごとの特徴などを調べる。そのデータを経産省は2019年度中にも公表する予定だ。このデータが開示されれば、各社は自社の立ち位置を知ることができる。分析を担当する中立組織は公募で選ばれ、2019年9月にも決まる。自己診断結果は数百社分のデータを集めるという。
日経XTECHより抜粋
詳しくは、公開資料をみてください。
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf
企業はそれどころじゃない
DX推進指標については、大手企業を相手にしていると思われますが、
大手どころか、中小企業はそれどころではないと思われます。
「人手不足」による「収益悪化」
「消費税増税」による「景気の冷え込み」
これらの対策で一杯一杯でDXどころじゃないと思います。
特に「消費税増税」のインパクトは、想像以上に大きくなると予想しています。
「お金が大事にしよう、だから、ものを買わないでください」
とお上から言われるようなもので
確実に世の中におカネが回らなくなります。
それを見越して、大企業を中心に「45歳以上のリストラ」でスリム化していることをみるとかなりの「危機感」を抱いていると想像できます。
世界経済が、下降気味となった今、消費税増税は、自殺行為と世界中のいろいろな学者やアナリストが言っています。
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まとめ
「DX推進指標」などでDXを煽って、一番儲かるのは「ITコンサルタント」でしょう。
IT業界は、DXに対応できるエンジニアの取り合いをしています。
でも考えてみてください。
どこかの金融機関のように数千億のし捨て身構築をかけて、「万単位のリストラ」を実施しなければならないこの状況で
DXを推進できる企業がどのぐらいあるのかを・・・
「2025年の崖」から落ちるのは、身動きの取れない大企業で
案外、新しいスタートアップ企業が、それにとって変わるのだとIT小僧は予想しています。
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