10年以上前にモルディブに向かう飛行機の中
隣の席になった、やたらと騒ぐ人たち
酒を飲んでいないようだけど前や後ろの席に人と盛んに話している。
と 突然、IT小僧に話しかけてきた。
「あんた! 日本人?」
ちょっとなまりがあったけど、英語であると理解できたので会話することに
「あんたは、どこの国の人?」
「ネシア、ネシア」
ここで疑問
「ネシアってどこ?」
IT小僧の英語力では聞き取れなかったけど
ふふん! インドネシア! だろうと推測
結果正解だった!
彼らは、ドバイに出稼ぎにゆく途中だったことがわかった。
それにしても とくしゃべる人たちだ!
今回のIT小僧の時事放談は、
首都移転計画の理由は、地盤沈下? インドネシアの首都ジャカルタの水事情
と題して、インドネシアの首都 ジャカルタの首都移転計画を政府が発表しました。
その背景には、かなり逼迫した問題があったようです。
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
溢れれる水
2019年4月 豪雨がインドネシアの首都ジャカルタに襲った。
市内に水が溢れ大混乱
同年4月末 スマトラ島でも洪水が発生、原因は同じく豪雨によるものだった。
度重なる年水害が原因でインドネシア政府は、首都をジャカルタから、ジャワ島以外に移転する計画があることを表明した。
首都移転計画ははじめてではない。
インドネシアの初代スカルノ大統領は、1957年に検討事項として首都移転を計画
当時の課題は、水害ではなく、交通渋滞
人口、1000万人超という 東京並の巨大都市は、交通渋滞ではなく、水害という危機に面していた。
このまま、ほっておくと2025年には、ジャカルタ北部は、ほとんど海に沈むというレポートも出ている。
これは、かなり深刻な話
度重なる水害
よく言う海面上昇ではない。
あるかも知れないけど、最大の原因は、地盤沈下が原因とされている。
ジャカルタの一部地域では、10年間で最大 約25cmも地盤が沈下、建物や道路が歪み、ビルの1階は、道路より下に沈むところもある。
驚くことにジャカルタの市街地の半分が、海抜ゼロメートル以下という状況
これで、雨が降れば、水害も起こるし、高潮などの危険も大きくなっている。
被害は、増大し続ける中で結局、移転という計画を発表
と言っても1000万都市の移転は、半端な事業じゃない
地盤沈下の原因
地盤沈下の原因は、地下水の違法な利用によるもの
つまり、水を汲み上げすぎたことが原因とされています。
日本では、真水ありがたさはあまり実感できないが、世界の多くでは、真水が足りないのです。
飲み水や生活に使う水のことを淡水(真水)といい、淡水は地球の水全体の2.5%しかありません。つまり、地球の水のうち 97.5%が、海水なのです。
日本は、大変恵まれた国であるということがわかると思います。
サンフランシスコ
米国、サンフランシスコでも地盤沈下が続いている。
と言ってもベイエリアの埋立地がヤバイ
年間0.07インチ(0.18cm)降下しているという論文が発表された。
「世界の沿岸部の都市はほぼすべてが、軟弱な地盤の上に形成されています。そして、地下水の汲み上げの有無にかかわらず、どこも地盤沈下に悩んでいます」
「地盤が上下することは海面上昇と同じくらい大きな問題ですが、プロセスがゆっくりであるため注目されません」
アリゾナ州立大学で地盤沈下を研究する地球物理学者のマヌチェフル・シルザエイ博士
サンフランシスコのベイエリアの地盤沈下は、地下水の減少ではなく、土壌の経年定着と言われています。
つまり、埋立地が沈んでいる。
メキシコシティ
同じように地盤沈下で悩んでいるのは、メキシコシティ
こちらは、年間 約30cmの沈下が続いています。
1997年にメキシコ旅行に行ったIT小僧は、巨大な教会が斜めになっていたり、崩れないように内部に鉄骨で補強してあったりしていたことを目撃した。
メキシコシティは、アステカ文明時代、大きな湖だったところ 埋め立ててピラミッドなどの都市を建築
スペイン人による侵略後に石を大量に使った教会などを建築
もともと埋め立て地、しかも近代工事ではなく、ほぼ手作業で埋め立てられた土地は、そもそもが軟弱な土地
そこに石組みの建造物をつくりまくった結果地盤沈下が加速している。
対策は、引っ越し
「地面から水分を取り去れば多孔質な構造が崩れます。地盤沈下は昔から続いていることなのです」
「問題は、これだけ地下水を使ってしまったあとでは、大きく沈んでしまった地面を元の高さに戻すのは不可能だという点です」
オレゴン大学の地球科学者エステル・ショサード博士
地下水汲み上げによる地盤沈下は、世界中の都市で発見されていて問題になりつつあるそうです。
対策は不可能という結論が、出てしまっている以上
問題が起きたら移転するしかないわけです。
場所は計測できるようになっているけど
人工衛星から地表にレーダー波を照射、地盤沈下の速度を観測することも可能になっている。
といって、これは調査だけで何の解決にもならないけど
高潮や豪雨が発生したときの避難について参考になるかもしれない。
その程度である。
では、地下水の汲み上げをやめればいいじゃないか?
真水を取得するために地下水を組み上げた結果、地盤沈下が発生したわけです。
でも、それを攻めることは難しい
ジャカルタでは人口の半分が水道水を利用できないと言われている。
家に水道がない人は、井戸を使うか水を買わなければ生活ができない。
そして、店先で売られている水もその源は地下水であることが多い。
こうなると 誰が悪いとかという問題ではない気がします。
テクノロジーでなんとかならないのか?
水不足で悩む国のなかで中東のお金持ち国家は、海水の淡水化という手段があります。
ドバイでは、砂漠の中に芝のゴルフ場とか、競馬場とかあって、どれだけ豊かなんだろうと思います。
また、イスラエルでは、同じく海水淡水化施設の建設に力を入れた結果、需要を上回る量の水をつくり出すことに成功した。
ジャカルタもそうすればいいではないか!
海水淡水化施設は、カネがかかります。
どこの国でも設置できるとは、限らないのです。
結局、首都移転、でも同じように地下水の利用は、なくならないこともありえます。
東京は、大丈夫?
東京都建設局から報告書が出ています。
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/tech/start/03-jyouhou/chinka/chinka.html
近年の地盤沈下状況をみると、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動の影響で地盤沈下
量が不明だった平成23年を除く22年間にわたって、1年間に2cm以上沈下した地域はなく、
東京都が長期間にわたり取り組んできた地盤沈下調査や地下水揚水規制などの行政施策の
効果が実証されている。しかし、揚水規制の効果による地下水位の上昇がほぼ頭打ちの状
況にあることは明らかであり、平成6年など過去の渇水年の沈下状況が示すように、地域
によっては地盤沈下の進行が懸念される。
行政の対応により効果がでているということで今のところは、大丈夫ようですね。
まとめ
今回のブログでは、海面上昇の話は、省きました。
海面上昇や気象変動が、人間の行った問題かどうかは、疑問です。
研究者の意見も分かれていてなんとも言えない状況
太陽がちょっと頑張っちゃうか、元気をなくすだけで気象変動が発生します。
ということで「揉めそうなCO2」の話は抜きにしました。
真水が豊かな日本は、恵まれています。
それなのに、海外の水を輸入してまで飲んでいるわけで、いろいろな意味で凄いと思うIT小僧です。
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参考記事
https://wired.jp/2019/05/10/jakarta-is-sinking/
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