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IT小僧の時事放談

ジャパンディスプレイ(JDI)台中勢傘下に 「ものづくりニッポン」のマジックが消えた日

平成が終わろうとしている4月にジャパンディスプレイ(JDI)が、台中勢傘下に入ることが発表された。
ジャパンディスプレイ(JDI)の名前は残るものの実質、液晶の国産化路線は頓挫したのです。

今回のIT小僧の時事放談は、
ジャパンディスプレイ(JDI)台中勢傘下に 「ものづくりニッポン」のマジックが消えた日
と題して ソフトウェアを蔑ろにしてきた「ツケ」が、まわってきたようです。

小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

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JDI、台中勢傘下に 「日の丸液晶」が頓挫

株式会社ジャパンディスプレイ(英称:Japan Display Inc. 略称はJDI)

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は3日、台湾の電子部品メーカーや中国の投資ファンドなどで構成する台中連合3社から、出資などで600億~800億円の金融支援を受け入れることで大筋合意した。官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)も支援する。外資への傘下入りでJDIの再建は前進するが、液晶の国産化路線は頓挫することになり、日本の産業史にとっても大きな節目となる。
2019/4/3 16:51 (2019/4/3 19:29更新)日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43278150T00C19A4I00000/

株式会社ジャパンディスプレイ(英称:Japan Display Inc. 略称はJDI)
ソニー・東芝・日立製作所の中小型液晶ディスプレ業を統合した会社で産業革新機構の主導により2012年4月1日に事業活動を開始
(ソニー・東芝・日立・トヨタ・三洋・エプソン・パナソニックの一部・キヤノン)の液晶部門が統合した政府系ファンドが経営する事実上の「日の丸液晶企業」です。

その「日の丸液晶企業」が、台湾中国企業の傘下となってしまいました。
税金をジャブジャブ突っ込んでここまで「生きながらえさせてきたけど立て直しを断念した」
というわけである。

原因

ゲーム機やスマートフォンの小型ディスプレイを主軸にしてきたが、Apple社との取引が売上高の5割では、iPhoneが、有機EL主体になることで終了は見えていた。

これからは、台湾中国企業の傘下で再建を目指すことでしょう。
SHARPと同じ道をたどることになるわけですが、4000億円以上の投資(税金です)をしてきた(旧産業革新機構)の責任は、どうなるのか? まだ不明です。

失う資産

ジャパンディスプレイのもつ「低温ポリシリコン(LTPS)TFT-LCDパネル」というスマートフォンのディスプレイはあ、市場シェアの17.6%で世界1位(2018年度)になっている。

これで、台湾、中国は、SHARPに続いて最新の液晶技術を手に入れました。

高価格帯のスマートフォンだけではなく、低価格帯に使われる液晶も自前で調達することになり、iPhone VS 台湾+中国連合の戦いになりそうです。

ソニーモバイルの次期Xperiaは、台湾企業のFoxconn(SHARPの親会社)が開発するとも噂されていて、純粋な日本のスマートフォンは消滅する可能性が高くなりました。

もう、スマートフォンは、中国と台湾には、勝てなくなりました。
勝てないというのは、値段だけではなく、技術的にも勝てないということです。

平成は「決定的な遅れ」状態になった。

先日、SoftBankの孫正義氏のインタビューがニュースになりました。

思い描いたとおりの未来に進んでいく過程で、常に米国が情報革命やインターネット産業の中心に存在し、最近ではスマートフォンなどのデバイスで中国や韓国がリードしています。日本の存在感は平成という時代を通じて減退しました。

そうそう。平成は失われた30年間。日本は、まるごと下っていってしまった。昭和末期の1980年代、日本が「電子立国」と言って、家電を中心にすごく自信満々な時期がありました。そのときに、いわゆるソフトウエアのことをバカにしている人たちがいました。

僕らがいくら、「これからはソフトの方が大事ですよ。ソフトこそが頭脳で、ハードは言ってみればただの箱、道具にすぎません。ソフトが主役になる時代が絶対に来ます」ということを言っても、「ハードウエアこそが主役である」と。いかがわしい若い小僧たちがソフトウエアだとはしゃいでいるけれども、わけがわからないし、アルバイトで雇って書かせておけばいいと。そういう“大人”が多かった。

中略

当時の日本の主流のビジネスマンたちは、モノをつくってなんぼ、モノづくりにこそ魂があるみたいなね。結局、それが日本の決定的な遅れにつながったんですね。

https://heisei.yahoo.co.jp/interview/4.html

IT小僧も平成に生きた「ソフトウェア技術者」ですが、昭和から平成にかけて

「ソフトウェアは、おまけみたいなものだから」

某大手ハードウェアメーカーの人に散々言われたものです。
当時から、ハードウェア技術者は、ソフトウェア技術者より待遇がよかったのも事実です。

ソフトウェア技術者が、ITエンジニアと呼び方が変わっても同じ状況が続き、それをひっくり返すだけの力がなかったのは、自分たちの世代の大きな反省点です。

「ものづくりニッポン」のマジックが消えた日

「下町ロケット」とか「下町XXXX」とか「ものづくりニッポン」の旗の下でソフトウェアを蔑ろにしてきた「ツケ」がやってきたようです。

先日、Huaweiの新しいスマートフォンが発表になりました。
P30 Pro/P30/P30 lite
特にP30 Proのカメラは、驚異的な性能で天の川オーロラなどをスマートフォンのカメラで撮影できたり、50倍のデジタルズームなのにまともに写真が撮影できたりします。

そして本当に凄いことは、発表して、すぐに市場で販売できてしまうことです。

2月のMWCというモバイル展示会で発表されたソニーモバイルのXperia 1は、まだ撮影した写真すら登場していません。
発表したけど、できていないのがミエミエです。

そんなことをしている間に
スーパースマートフォン  Huawei P30 Proが出てきたので、Xperia 1 が出てきてもみんな忘れてしまうでしょう。
もし、仮に4月に販売されても「P30 Proを越えるカメラ性能」を越えないと、インパクトは、ないでしょう。

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まとめ

いつまでも「ものづくりニッポン」とか言っている場合じゃないのは、お役所も分かっているはずです。
ジャパンディスプレイも工場をリストラして身軽な状態で「得意分野に特化」すれば、状況が変わっていたかも知れません。

半官半民な状況で「リストラ」すると政治家たちの評判を気にしたり、経済的な指標が悪くなることを考えて、税金を突っ込んだと思いますが、最悪の結果となってしまいました。

このままだと「ものづくりニッポン」どころか、さらに失うものが増えそうな気がしています。

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