「電気通信事業法の一部を改正する法律案」
2019年3月5日 総務省が提出した
「電気通信事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
これにより、端末購入補助、つまり「月々サポート」「毎月割」「月月割」などの割引きプランは、消滅
事実上、「スマートフォンは、定価販売」にしなさいと法律で決定される方向になりました。
今回のIT小僧の時事放談は、
iPhoneを使い続けることは、数年に一度、10万円近いおカネを支払い続ける覚悟が必要になるかも知れない。
と題して いよいよ、やってくる スマートフォンの定価販売について
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
電気通信事業法の一部を改正する法律案
2019年3月5日
「電気通信事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
衆議院
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/meisai/m198080198035.htm
原文
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980351980.pdf
スケジュール
今後のスケジュールを予想すると
4月に議論開始
5月に可決
総務省令の策定が、3カ月程度
2019年9月以降に施行される可能性が高くなりました。
10月に実施予定の「新通信事業の楽天営業開始」
に足並みを揃える可能性もあります。
閣議決定されたことと、「シンプルで分かりやすい料金プランの実現」を全面に出された場合
野党からの反対も少ないと思われます。
では、内容を確認してみよう。
端末の購入を条件とする通信料金の割引禁止
現在3キャリアが提供しているプランは、消滅
月々サポート(docomo)
毎月割(au)
月月割(SoftBank)
上記の名前のついた割引は、停止
つまり、端末を購入すると通信料金から割り引かれる仕組みはすべて廃止される方向になります。
この改定により
「iPhone XS が実質半額 6万円で購入できます。」
などというものは、なくなります。
つまり、iPhone XSが、112,800円(税別)
とSIMフリーと同じ価格帯になります。
スマートフォンに10万円、あなたは払えますか?
iPhoneだけではなくAndroidスマートフォンも同じなので
ハイスペックなスマートフォンが、買いづらくなります。
新型iPhoneが出るたびに買い替えのできるのは、
「お金持ち YouTuber」
「お金持ち中国か中東の人」
「Apple信奉者なのでお布施払います状態の人」
ぐらいしか、買えない状況になるでしょう。
24回の割賦販売でも 月々4000円 以上の出費となります。
家族で4台のiPhoneを使っていたら、端末代だけで月々 2万円
これに通信量が4千円 X 4人= 16000
20000 + 16000 = 36000
スマートフォンだけで 月々 36,000円支払うことになります。
こうなると2年に一回でも厳しくなり3~4年程度 使わないとサラリーマンのお父さんは、厳しいと思います。
ましてや、高校生に買ってあげられる親も減少するでしょう。
高額なスマートフォンが売れなくなるという理由は、ここにあります。
通信契約の一定期間の継続利用を条件とした、端末代金の割引禁止
docomoの「端末購入サポート(docomo with)」が該当します。
そのため、docomo withは、終了が決定しました。
これは、
「特定の端末を購入すると 月々の利用料金からずっと1500円(税抜)割引」
というプランです。
「Google Pixel 3」や、SIMフリーのベストセラー機種となった「AQUOS sense2」やiPhone 7も選択できたので人気のあるプランでした。
安い端末を購入して月々の利用料金を減らして、別のスマートフォンにSIMを入れ替えて使う
などの技も使えなくなります。
端末購入サポートは、端末代金から一定額を割り引く代わりに、12カ月以内に機種変更や解約などをすると、解除料が発生します。
この1~2年の拘束期間を過度な囲い込みになると判断したことによると考えられます
バーゲンセール
3月になって、キャリアから販売さえッル「iPhone XRが8000円ほど値下げ」が、始まりました。
売れない XRの在庫を処分するためにApple社が、キャリアに資金提供したと言われています。
同じように在庫を抱えているキャリアは、値下げ競争が勃発
目玉商品として、iPhone XRとGoogle Pixel 3のバーゲンセールを開始しました。
他のスマートフォンもバーゲンセールとなっているところは、キャリアからの資金提供を受けている可能性があります。
また、販売代理店に対して「独自の過度な端末購入補助」について、業務改善命令の規律を導入する。
と脅し文句のような条文もあるので
「在庫になってしまったスマホを店頭で、キャッシュバックや過剰な割引をつけて売りさばく」
ということもできなくなるでしょう。
そのため、法律が施行されるまえに、
在庫処分を開始 = バーゲンセール
となっているのだと推測されます。
誰も得しない制度
ここまで読んできた読者の皆さんなら、気づいていると思いますが、この制度!
「誰も得しない制度なのです。」
スマートフォンメーカーも店舗もユーザーも得だとは言えない気がします。
唯一得したのは、秋の消費税に向けて
「携帯の通信量を政府のお陰で安くしただろ」
とでも言いたげな、政府関係者だけなのではないでしょうか?
お役所も政府の指示で
「ほら、総務省 できる省庁でしょ」
「役所にしては、珍しく 素早い対応」です。(苦笑)
でも、経済的損失は大きいと思いますよ
経済的損失
2019年1月19日
米国のシンクタンク機関である「Progressive Policy Institute(PPI)」のマイケル・マンデル氏は、
大手キャリアの端末購入補助金は、日本における次世代携帯端末の普及、そして、革新的なサービスを提供しやすくする環境づくりに寄与している。
一方で、総務省が2016年2月に開始した補助金の上限設定、いわゆる「実質0円」の禁止は、端末価格の上昇を招き、消費者を低機能携帯端末や中古端末に誘導している。
その結果、日本を最先端サービスを提供しづらい市場に変化させ、安倍政権が進める「生産性革命」にもマイナスの影響を与える可能性があると警鐘を鳴らすでしょう。
一方、総務省の藤野克氏(電気通信事業部料金サービス課長)は、補助金の規制について
「端末の調達能力が優位なインフラ事業者(大手キャリア)が、ネットワークの一体販売で端末を極端に廉価に販売する形には競争上懸念があることから導入した」
補助金の規制でMNPが抑制されているという指摘には「MVNOの契約で純増が300万以上、MVNOを含んだ形の市場競争を促していきたい」
要は、「貧乏人は、格安SIMを使え」ということを言っているのでしょうか?
どちらにしろ 高額なスマートフォン購入は、厳しくなります。
つまり
iPhoneを継続して使うには、数年ごとに10万円近いおカネが必要
になるということになるでしょう。
ミドルレンジのAndroidスマートフォン
昨年からSIMフリーのAndroidスマートフォンが売れています。
昨年のベストセラーは、Huawei P20 lite 2万円代
IT小僧は、断言できます。
荒野行動、フォートナイトレベルの高度なゲーム以外なら
「これでストレスありません」
写真も2眼レンズ搭載で3年前のiPhone並の写真を撮影できます。
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同じく、SHARP AQUOS sense2は、昨年末に発売、3万円程度で
おさいふケータイ
防塵・防水
液晶がメチャクチャ綺麗
と日本で使うには「ちょうどよい」スマートフォン
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現在、Huawei P20 liteを抜いて売れ行きNo1になっています。
2~3万円のミドルレンジのスマートフォンが、今後の中心となるでしょう。
まとめ
端末が増えなければ、ユーザーとしても5Gスマホの選択肢がないわけで、そんな状況では日本で5Gが普及することはない。もちろん、参入するメーカーが少なければ競争も起きず、端末はいつまで経っても安くはならない。
ジャーナリストの石川温さんは、コメントしています。
日本は、国内のキャリアだけをみて携帯電話やスマートフォンを作ってきました。
「使われないアプリを満載したスマホ」でまともに動作しないスマホもあったのです。
※今でも似たようなものですが
そこに、安くて高性能なスマートフォンが中国や台湾から上陸
これらは、グローバルレベルで戦ってきた企業の製品で国内のキャリアのためだけに製造してきた日本のスマートフォンでは、勝敗が明らかでした。
通信料金と端末代を分離が、法律で決まることになるでしょう。
これからは、高価なスマートフォンを使い続けることは、難しくなりそうです。