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IT小僧の時事放談

カーボンニュートラルに取り組む Google の話

CO2問題って気にされていますか?

どうも今ひとつピンとこないことや
「胡散臭い環境保護団体」のイメージが強くて興味がなかったのですが、Googleが「循環型経済」を本格的に目指しているという記事を見つけました。

2018年日本に発生した災害との関わりはあるのだろうか?
今回のIT小僧の時事放談は、
カーボンニュートラルに取り組む Google の話
と題して カーボンニュートラルについて勉強をしてみよう
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

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CO2問題

2018年10月に発表された国連報告書の結論

2030年までに気温が1.5℃上昇? 悲惨な結末を避けるには大変革が必要だ
早ければ2030年、世界の気温が産業革命前の水準より1.5℃高くなると試算するIPCC報告書が公表された。「悲惨な結末」を回避するには、約10年で二酸化炭素の排出量を半減させる必要があり、文明の再構築とでも呼ぶべき抜本的な変革が迫られている。
ワイヤードより抜粋
https://wired.jp/2018/10/26/we-need-massive-change-to-avoid-climate-hell/

IPCC報告書というのは、
国際連合の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
という意味で簡単に言えば
「国連の中で政府の間で気候変動について話し合う場」
とでも訳せはよいであろうか?

気温が、1.5℃高くなる。
たかだか1.5℃と思ったのですが、どうやらそうでもないらしい。

チューリッヒ工科大学で気候変動を研究するソニア・セネヴィラトネは、「0.5℃には大きな違いがあり、気温上昇を2.0℃ではなく1.5℃に抑えれば、いくつかの影響を回避できることが示されています。もし世界の気温が2.0℃上昇すれば、熱波が増加し、居住地域のほとんどが酷暑に見舞われ、一部の地域が豪雨や干ばつの被害を受けると予測されています」と説明する。海面上昇に関連した不可逆的な変化やサンゴ礁の破壊も回避できる。
ワイヤードより抜粋
https://wired.jp/2018/10/26/we-need-massive-change-to-avoid-climate-hell/

「2.0℃上昇するとヤバイけど1.5℃ならなんとかなりそう」

という結論です。

PCCの報告書は、2018年12月にポーランドで、第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)で取り上げられて議論されました。
結局、国家間の思惑もあり「中途半端な結果になっているような気がします」が、前向きに話が進んでいるようです。

日本では、国際捕鯨委員会(英語: International Whaling Commission; IWC)からの脱退で騒がれていてCOP24の話題はあまり取り上げられませんでした。

冒頭で取り上げたようにCO2問題は、「胡散臭い環境保護団体」のイメージが強く報道されていて
CO2問題も先物取引の話もあって、環境をカネ儲けに使っている人もいるため、どうなのか?

このブログは、個人的には、中立の立場で話を進めます。

カーボンニュートラル

再びワイヤードの記事ですが、

気候変動が深刻な問題になるなか、グーグルがカーボンニュートラルを維持する取り組みを強化している。ネット業界のCO2排出量は航空産業に匹敵し、YouTubeで動画を10分観ると炭素排出量が1gになるとの指摘もある。「循環型経済」を目指すグーグルの試みは、ネット業界全体へと広がるのか。
ワイヤードより抜粋
https://wired.jp/2019/01/21/google-carbon-neutral/

「カーボンニュートラル」?
これってどういう意味?

カーボンニュートラル (carbon neutral、炭素中立) は環境化学の用語で、直訳すればカーボンは炭素、ニュートラルは中立なので「環境中の炭素循環量に対して中立」となる。何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。 環境省のカーボン・オフセット制度の定義によれば、「市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの責任と定めることが一般に合理的と認められる範囲の温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、クレジットを購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部を埋め合わせることをいいます。」となっている。
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/カーボンニュートラル

排出されるCO2を吸収されるCO2が同じ
つまり
差し引きゼロでCO2を出していないのと同じ

という意味です。
ここでも気になるのは、

削減が困難な部分の排出量について、クレジットを購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施

ということで、要は自分のところでCO2削減ができないので、カネをはらって排出権を買うようなものだと思うのですが・・・
まぁ ひとまずこれは、置いておきましょう。

この「カーボンニュートラル」をGoogleが先頭に立って実現しているというのが、今回のお話です。

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循環型経済の挑戦状

グーグルのサステナビリティ責任者を務めるケイト・ブラントは、各企業が「循環型経済」を目指すことを訴えている。
彼女は、無駄を一掃することを目指した「循環型経済」が目標で、製品や材料を廃棄するのではなく使い続けるることで、電力は再生可能エネルギーから得る必要があると訴えています。

「循環型経済」とは、究極「廃棄物ゼロ」を目指すという意味もある。

YouTubeで動画を10分観ると炭素排出量が1g

さて「YouTubeで動画を10分観ると炭素排出量が1g」という報告もあるらしいけどニュース元は特定できず。
更に言うと「ネット業界のCO2排出量は航空産業に匹敵」するとも言われています。
こちらは、『ガーディアン』紙が計算している。

データセンターは、二酸化炭素の巨大な排出源で
2018年9月12日付で『Nature』誌に発表された報告書では、データセンターが1年間に使用するエネルギーは200テラワット
世界全体のエネルギー使用量の約1パーセントに相当

なんとも巨大な電力を使っているのです。
データセンターでは、サーバ機器の電力消費量と冷却に使う電力が半端ないです。
データセンター内で作業をするときは、防寒具が必須、しかも渦巻く冷風の中で作業となります。
自分も何度か、作業をしたことがありますが、人が長期間いるところではないです。

つまり、航空産業と違い、直接、燃料を燃焼させているのではなく、大量に使用する電力を生み出すときに排出されるCO2が大量になっているということになります。

TEDWomen 2018

TEDは、ご存知ですか?
映画に出てくる「変なぬいぐるみのクマ」ではありません

You Tubeにもいくつか掲載されています。

TED(テド、英: Technology Entertainment Design)は、アメリカ合衆国のニューヨーク市に本部があるLLC。カナダのバンクーバー(過去には米カリフォルニア州ロングビーチ、モントレー)で、毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」(テド・カンファレンス)を開催(主催)している非営利団体である。

基本的には学術・エンターテインメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう。
ウィキペディアより抜粋

そうですプレゼンです。NHKでも放送されていました。
いろいろな人が、プレゼンをやっていて、とてもおもしろい、英語の勉強にもなるし、一度ご覧になって下さい。

さて この TEDWomen 2018というプレゼンで
グーグルのサステナビリティ責任者を務めるケイト・ブラントは

気候変動対策の猶予は「12年」でテック業界のほかの各社も同様の行動をとるべきだ

と挑戦状を突きつけました。

これは、TEDではありませんが、彼女のプレゼンを観ることができます。
Geo for Good User Summit
2018年10月1日〜4日

おいおい、ということは、Googleはどうなの?

TEDWomen 2018
https://tedwomen2018.ted.com/
https://www.youtube.com/results?search_query=TEDWomen+2018

Googleの取り組み

Googleでは1回の検索ごとに、約0.2gの二酸化炭素が大気中に排出されると概算
先程の「YouTubeで動画を10分観ると炭素排出量が1g」といい
誰がどうやって計算したんだろうか?

まずは、Googleの取り組みをみてみよう

2007年からカーボンニュートラル

Googleは、世界各地にあるグーグルのオフィスと14カ所のデータセンターで、2007年からカーボンニュートラルを実現している。

Googleの最新の環境報告書によると

  1. 再生可能ではないエネルギーを使った量に見合うだけの再生可能エネルギーを購入
  2. 動物の排泄物から発生するメタンガスを集める
  3. CO2の需要を減らすこと

1と2は、ともかく、問題は3で どうやって減らしているのでしょうか?

データセンターの冷房に機械学習を応用

「データセンターの冷房に機械学習を応用しました」
お得意の機械学習

サーバーの長寿命と再利用

「サーバーの寿命が長くして再利用が容易になるように設計」
「当社では古いサーバーから部品をとり、新しいサーバーで使い続けています。古いサーバーを新しいサーバーに生まれ変わらせています。さらに、古いサーバーからデータを消去したあとで、リサイクル市場で販売しています」
とケイト・ブラント氏が説明

なるほど、サーバーを新しくするだけでも使用するエネルギーからCO2が排出されるので
長く、再利用しようというという取り組みですね。

2017年の報告では、以下3つの数字が発表されています。

  1. 新しいサーバーの18%が、再生品
  2. アップグレードに使われた部品の11%が古い部品を修理調整
  3. 使用済みのサーバーを他社に販売した台数は200万台を超える。

Googleのデータセンターの様子!

電力

風力発電、太陽光発電による電力を2017年に3ギガワット分購入
データセンターでのエネルギー使用を相殺

自社ではなく風力発電、太陽光発電を行っている会社から電力を供給で
エネルギー使用の100パーセントを再生可能エネルギーと同量を実現した。

これで電力問題は、チャラ、オアイコでカーボンニュートラルを実現ということになります。

また、同社のウルス・ヘルツル上級副社長は、2018年4月のブログ投稿で、
「当社は、1kW/時のエネルギーを消費するたびに、それに相当するkW/時の再生可能エネルギーを、どこかの電力グリッドに追加しています」
と発表

Googleのガチっぷりが伝わってきます。

他の企業でもはじめています。

このカーボンニュートラルは、他企業でも取り組みが行われています。

ナイキ
材料の収穫方法や製品の生産方法における無駄をなくす設計を行っている。

ルノー
再利用可能な材料をとり入れている。

Microsoft
2012年に取り組みを開始、カーボンニュートラルを維持しており、30年までに絶対排出量を75パーセント削減すると約束

でもケイト・ブラント氏は、
「しかしながら、データセンター業界でこのような循環的な取り組みを大規模に適用している企業は、当社を除いてほかにありません」

どや!すごいだろ Googleは、ここまでやってるぜ!

と言っているような・・・

やっていない会社

環境NGO団体のグリーンピースによると
「ネットフリックスが気候に対する影響の削減を確約していない」
「アマゾンも、持続可能性の取り組みや気候への影響に関して情報を公開していない」
と発表している。

国単位でも

欧州議会
2018年にこの概念が採択され、より広範にわたる循環型経済目標の推進を検討中

日本と中国
循環型経済的な目標を自国経済に取り入れようと作業中

経済的

エコロジーが省エネかどうかは、いろいろな意見がありますが

業界が循環型経済をとり入れた場合、既存の材料の再利用や再生を進めて新しい材料の購入コストを削減することにより、30年までに経済生産を4兆5,000万ドル(約508兆円)増やすことができるとブラントは語っている。
ワイヤードより抜粋
https://wired.jp/2019/01/21/google-carbon-neutral/

と発表しています。

コストだけを考えれば新規材料のほうが品質や原価で有利という意見もあります。
このあたりは、意見が錯綜していてどちらが正しいのかまだ判断しかねます。

まとめ

トランプ大統領は、CO2などの問題について前大統領オバマ氏のCO2への取り組みを無視

企業もカーボンニュートラルは、コスト的に優先されないという事情もあると思います。
Googleのような企業が率先して進めるのは、素晴らしいことだと思いますが、現実は厳しい
と思っています。

電気自動車もその電気を生み出す過程で大量のCO2を排出してしまいます。
風力発電、太陽光発電などの自然エネルギーだけでは、今の社会を保つことが難しくなっています。

このまま、CO2が増え続けると人類に大きな災がふりかかると言われています。

カーボンニュートラルへの挑戦は、1社だけでは厳しいと思いますが、
やらないより、やっているGoogleの試みに拍手です。

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